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「ライトユーザーをファン化したい!」コロナ禍や障害もユーザーと共に考える「コクヨマガジン」双方向メディア運営術

コクヨ株式会社

「身近すぎてわざわざ検索しない商材」の代表格とも言える文具。創業1905年(明治38年)のコクヨで20~40代のライトユーザー向けの日常生活密接型メディア「コクヨマガジン」を立ち上げて、SEOでもSNSでも快進撃を続けているのが奥山由希子さんです。

SEOをゼロから学び、検索意図を意識したメディア運営を内製化。ECサイトで腕を磨いてきたSEOマーケターなど、3人の敏腕ライターを味方につけて、「文具ファンでなくてもついつい文具を話題にしたくなる」記事作りに成功しています。そんなメディア運営の秘訣を、施策をサポートするFaber Companyの粟倉拓哉、中本俊一とともに探りました。

(左から)コクヨ株式会社 ステーショナリー事業本部・奥山由希子さん/ 株式会社Faber Company ミエルカコネクト事業部・粟倉拓哉、中本俊一/ (円の中)コネクトマーケター PerCoRe合同会社 山ノ内智也さん

「文具を気にして使っていない」8割のライトユーザーに情報を届けるには

–100年以上の歴史を持ち、商品ユーザーも多いコクヨさんが、なぜ今、新しいオウンドメディアに挑戦されたんですか?

奥山由希子さん(以降、奥山):お答えする前に、皆さんは「コクヨ」といえばどんな商品が思い浮かびますか…?

–キャンパスノート!あと…うーん、すみません、あまり文具詳しくなくて(笑)。

奥山:そうですよね(笑)。文具について日常的に情報収集をする習慣がある、いわゆる文具のコアファンは私たちの調査では1割強ほどです。8割近い人は今お答えいただいたように「日常的に文具を使っていて興味がないわけでもないけれど、自分の文具がどのメーカーのものかはあまり気にせず、能動的に情報収集をしていないライトユーザー」です。

幸い、「コクヨ」自体のブランド認知度は高く、好意的なイメージも持っていただいています。ですからコアファンではない方々にも、一つ一つの文具に意外な工夫やストーリーがあることを、知らず知らずのうちに認知してもらい、「次はこれ買ってみようか」と商品の指名買いにつなげる流れを作りたいと考えて「コクヨマガジン」を立ち上げました。

–なるほど、「商品のゴリ押しはせず」「知らず知らずのうちに」がポイントですね。もともとメディア運営のご経験はありましたか?

奥山:いいえ。私は広報畑で「書く」仕事は長年していましたが、2019年に文具のマーケティング部門に異動し、Faber Companyの営業の片山さんからMIERUCA(ミエルカ)を教えてもらうまで、コンテンツマーケティング、SEOについてはまったく素人でした。ユーザーの検索意図の話にとても納得感があり、「これはもしかしたら弊社の課題解決に使えるかもしれないな」と思ったのです。

「広報としてリリースや社内報を作ってきました。書くことには免疫があったものの、 Webで書くのは初めてだった」というコクヨ株式会社 奥山由希子さん

中本俊一(以下、中本):たしかもともと、コアファン向けに運営しておられたメディアがありましたよね。

奥山:はい。2015年から「inspi(インスピ)」という文具好きのための文具メディアをやっていました。もともと文具業界全体のプラットフォーム的なメディアになることを志して始めたものですが、開始早々に他業界でキュレーションメディア運営に関する問題が明るみに出たことや、そもそも業界全体の動きを発信する体制がなかったことで、当初目指した方向性がじわじわと変わっていき、何となく「コクヨの文具に関する興味深いコラムを出す場所」として落ち着いてしまったんですね。

どこに向かっているのかはっきりしない感じを皆が感じていましたが、PV数もそれなりにありましたので、止めるための明確な理由を見いだせなかった、というのが実態だったと思います。

中本:その状態から、MIERUCAを使ってどう解決しようとしたのですか。

奥山:すでに1割のコアファンについては、プレスリリースやSNSで最新情報を追って、購入もしてくださっている手応えはありました。であれば、これから力を入れるべきは8割のライトユーザーに向けた情報発信ではないかという思いは以前から持っていました。

とはいえ、能動的に文房具の情報収集をしない人にどうやって情報を届けるのかが分からなかった。その点、MIERUCAを使えばヒントを得られると思ったんです。

たとえば「在宅勤務の効率を上げたい」だったり、「子どもの学校から来る大量のプリントをどうしよう」といった「ライトユーザーの日常生活の課題」を入り口にして、解決に役立つ文具を紹介するメディアを作る形で、inspiを刷新する。刷新に当たってはドメインを自社サイトに移し、商品情報との行き来がしやすい導線を確保するべき、と上長に提案しました。

日常シーンを入口に「共感」から「応援」へ至る導線を作る

中本:「コクヨマガジン」の企画書を見せていただいた時、コンセプトやカスタマージャーニーがすごくしっかり作られているなと感じました。

「生活の困りごとの解決法の提案」などから、商品の背後にあるストーリーを知ってもらう狙い
ライトユーザーにはメディアに訪問してもらった後、回遊やリピートで関係を深めていくストーリーも練った

SEOは筋トレであると心得え、ゴールを仲間に見せる

奥山:最初にサポートに入ってくれた御社カスタマーサクセス(CS)担当の方からヒントをもらったんですよ。弊社の10人ぐらいに、ミエルカの操作方法含め、すごい気合いのレクチャーをしてくださったんです。「SEOは筋トレです」みたいな(笑)。

でも社内に経験者は一人もいないし、他に業務を持っている状況で、みんな「筋トレ嫌だな」「なんか大変そうだな」って及び腰でした。なので、運営のプロセスは別途整理することにして、ここでは誰が何をやるのかというよりも、やりたいことの全体感について、仲間の理解を得ようと企画書を作ったのです。

中本:素晴らしいご判断ですね。上司の方からすぐ承認は降りたのでしょうか。

Faber Company 中本俊一

奥山:一時的にサイトリニューアルに多少のコストはかかりますが、「目的がわからないものにお金をかけ続けるよりは、新しいことをやってみよう」と。確実に成果を出せるスキルがない中で、やらせてくれたことを感謝しています。逆に、そんな状態でも認めてくれたことによって、何とかして結果を出さなくては、と思いました。

–ヒト・モノ・カネでいうと、あとはヒトが足りない状況ですよね。

奥山:そうですね。私自身が「ミエルカ大学」に通ってSEOの知識を習得し始めていましたが、コクヨマガジン編集部はみな兼任。「ヒト」も「時間」も足りません。

かたや、ミエルカ導入時の稟議の条件には、「コンテンツマーケティングの内製化」を明確に入れていました。制作会社に丸投げではなく社内でスキルを高めて、ノウハウがたまるような運用をしたい。Faber Companyの粟倉さんに相談すると、「記事構成案まで社内で作り、SEOを熟知したプロ人材に執筆を依頼する案」をすすめられました。紹介された2名の候補のうち、SEOマーケターの山ノ内智也さんに、記事の執筆をお任せすることにしたのです。

『コクヨマガジン』コンテンツ制作の体制

–担当の粟倉さん、山ノ内さんをアサインした理由は?

粟倉拓哉(以下、粟倉):ECサイト併設のBtoCオウンドメディアを成功に導いたご経験が、この案件とぴったりだったからです。山ノ内さんはもともと私たちの提供するWebマーケターマッチングサービス「ミエルカコネクト」を活用して、ファッションECサイトのオウンドメディアを運営されていたお客様でした。(成功事例はこちら

成功を収めて独立され、今度はご自身が即戦力マーケターとして「ミエルカコネクト」に登録してくださった直後だったのです。奥山さんに「山ノ内さんは単純な記事の制作だけではなく、全体的な戦略の設計もできます!他社さんに取られる前に会ってみてください」とおすすめしました。

Faber Company 粟倉拓哉

奥山:粟倉さんの熱いおすすめで(笑)お会いしてみると、確かにスキルセットがすごくマッチしていました。さらにこちらのオーダーに対して慎重に答える人だなと感じましたね。成果を出すことに対してこだわっているから、安請け合いはしないという印象で、細かい提案も返してくださり、安心感がありました。山ノ内さんだからこそ、最初の依頼原稿でヒットが生まれたんだと思います。

最初の記事が検索1位に!アンケートで一次情報を発信する

–どんなコンテンツでしたか?

奥山:2020年8月現在、「ノート ルーズリーフ」「大学生 ノート」「大学生 ルーズリーフ」で検索順位1位になっている、こちらのコンテンツです。

現役大学生100人にアンケート!ルーズリーフvsノート どちら派?(2020年8月現在「ノート ルーズリーフ」で検索1位)

奥山:ターゲットは大学新入生。これから始まる授業を前に「ルーズリーフと大学ノート、どちらを用意すればいい?」と悩む気持ちに応えたコンテンツでした。3月に投稿し、4月で4,000PV、5月で約14,000PVと急増。5月に伸びたのは、やはり今年はコロナで4月が休校だったからと思われます。

それ以降は上記の通り、狙っていたキーワードでずっと検索1位をキープし続けています。

–最初のコンテンツで検索順位1位は達成感ありますね。

奥山:ええ。ミエルカの分析データから記事構成案を練り、山ノ内さんに見せてご相談した時、「アンケートを取りませんか?」とアドバイスしてもらえたおかげです。細かな提案をいただき、非常に集客効果が高い、いい記事になりました。

コクヨ公式SNSはTwitter、Instagramともに8万人以上のフォロワーがついていて、文具に関連する話題はかなり皆さんチェックしてくれるのですが、、やっぱり1日で終わるんですよね。その点、いいコンテンツをユーザーニーズに合わせてちゃんとキープしておけば、これからも新学期などのタイミングで必ず検索され、見られていくはずです。

奥山さんがライター依頼時に指示書として渡している記事構成案。当初はアンケートや動画はなかった

――山ノ内さんに聞いたこの記事のポイント――

対象キーワードのSERPs(検索結果画面)を見ると、現役大学生がノートとルーズリーフの比較やおすすめに言及しているコンテンツが上位に来ていましたが、n=1でしかない情報です。そこで奥山さんに現役大学生100名へのアンケートをご提案しました。さらにおすすめしたい商材である紙質の違うルーズリーフや、プリントをまとめて綴じられる2穴ルーズリーフバインダーも、実際使っている動画や写真を僕が撮影し、埋め込みました。だれでも知っている「コクヨ」というブランドから、エビデンスのある一次情報が発信できれば、必ず成果が出ると読んでいましたが、狙い通り検索1位を獲得できてよかったです。
ユーザーニーズの読み解き方、構成の立て方は、僕がやっていたファッションでも文具でも同じ。改めて私自身も学びになりました。

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たった一人の声も大切に。高校生の悩みに応えてSNSでバズを生む

–メディアのターゲットは20~40代ですが、これで若年層も狙えるとわかったのですね。

奥山:中高生は主要購買層のひとつですが、SNSでしかリーチできないと思っていました。ところが、Instagram(以下、インスタ)で面白いことがあったんですよ。当社のインスタ公式アカウントに一人の高校1年生から「高校の勉強にはノートとルーズリーフ、どっちがいいのか本当に迷っている」と質問があったのです。

中本:僕が中高生の時、メーカーに直接問い合わせるなんて考えたこともありませんでした。今はインスタという心理的ハードルが低いSNSがあるおかげで、当たり前になっているんですね。

奥山:そうですね。ただインスタの中の人も「自分の経験値で適当に答えたらいけない」と思ったらしいんですよ。彼女も20代半ばの若手なのですが、相手が15歳なら「もう時代が違う」って思ったそうです。そこでアンケートをインスタのストーリー機能であげたら1日で500名近いフォロワーの方から回答が寄せられました。

ユーザーの声にすぐ応えるスピードもSNS運用で重要なポイント

奥山:その500人弱のアンケート結果がインスタで流れてきても、見る方は結構つらいものがあります。そこで「コクヨマガジン」でまとめて再度シェアしたところ、ものすごく反響がありました。
回答者は、「自分が役に立てたのがすごくうれしかった」と反応するし、外から「私も同じことで困ってた新高校1年生です」といった反応も来て。その一晩で終わっていくストーリーの世界が、マガジンの中に続いていき、ストックコンテンツとして活かされていく。この役割分担、いいなと感じました。

高校生から「自分たちの寄り添ってくれた」「またこういうのが見たい」という感想

粟倉:双方向コミュニケーションが記事に活かされている点が素晴らしいですね。「高校生 ノート」で8月現在でも検索2位に表示されています。

「お客様の課題解決になっているか」を常に自分に問いかける

奥山:SEOに取り組むと、つい検索順位やPVを追うのが面白くなってきますが、目的はコクヨについてよりよく知ってもらうこと。こんな商品が世の中にあったんだと気づいてもらうこと。中でも「お客様の課題解決につながっているのか」という視点は、絶対忘れちゃいけないポイントだと感じています。
「視覚過敏」に関する記事も、そんな課題解決のために、山ノ内さんに依頼しました。

視覚過敏の方にも、かわいいノートが好きな方にも! 「カラーノート研究会」始動しました。

–どんな困りごとがあったのですか?

奥山:「白いノートだと直射日光を見るように眩しくて目が痛い」という視覚過敏をお持ちの高校生が、昨年SNS上でつぶやいた困りごとが、5万人にもシェアされました。「グリーンの紙のノートが廃番になって困っている」という切実な悩みでした。コクヨにはグリーン、ブルー、イエローなどの色上質紙を使ったノートはすでにあったのですが、売れ筋ではないので廃番寸前。しかし求めている人がいる。文具メーカーとして何ができるか考えたいと、4月に「カラーノート研究会」を立ち上げたのです。「モニターの方に10冊お配りします。障害をお持ちの方も持っていない方も、あなたのカラーノート活用アイデアを聞かせてください」と。そうしたら90名の枠に対し、なんと6,000人も応募が殺到しました。

多くのモニター希望者から、カラーノートを待ち望む声が寄せられた

中本:強烈な数字ですね。ニーズがそれほどあったわけですね。

奥山:しかも「私にやらせてくれ」「これは私のための企画だ」と熱さMAXのコメントがいっぱい集まりました。取り組みを知ってもらうことそのものが一つの目的でもあったので、上司からコクヨマガジンでうまく拡散できないかと相談を受けたんです。私も一過性の話題で終わらせたくなかったので、「コクヨマガジン」で不定期の連載記事にしたいと、山ノ内さんに相談しました。

――山ノ内さんに聞いたこの記事のポイント――

奥山さんは依頼時に必ずWebミーティングで記事の方向性を相談してくださいます。この記事の依頼時に、はじめて「視覚過敏」という障害のことを知りました。求めている人とプロダクトが出会えていなかった状態をつなげるようなコンテンツには何が必要か。検索意図だけでなく、研究会発足の経緯や、コクヨさん側の社会に役に立ちたい気持ちが伝わるような内容をご提案しました。モニター応募した方々の熱いコメントも功を奏し、2020年8月現在も狙っていた「視覚過敏 ノート」で検索1位をキープしています。

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世の中のニーズを先読みして、素早く情報発信する

――社会課題の解決といえば、今年は新型コロナウイルスの問題でずいぶんライフスタイルが変わりました。メディアで取り組んだことはありますか?

奥山:はい。弊社では早い時期から在宅勤務が始まっていました。ゆえに、今後、在宅勤務が一気にスタンダード化する過程では、必ず戸惑いが生じるだろうと企画会議で話をし、メリット・デメリット、困っていること、良かったこと等を社員アンケートを取った上でまとめてもらいました。この内容については大手の新聞社から問い合わせもありました。

–あの時期、新聞やテレビにとっては格好の素材でしたよね。

奥山:はい。あとは、保育園や幼稚園が休校になれば、子どもとのおうち時間の過ごし方を悩む親が必ず出てくる、ということも話し合いました。そこで「コロナ 家遊び」というキーワードで、しかけ絵本を使った家遊びの記事を企画。山ノ内さんが実際遊んだ様子をとてもリアルに記事にしてくださったので、4月は43,000PVに達し、「コロナ 家遊び」で検索順位1位になりました。

おうち時間を親子で楽しく過ごすための創作絵本・しかけ絵本ベスト5山ノ内さんを含む大人6人で真剣に遊んだ作品

――山ノ内さんに聞いたこの記事のポイント――

構成案をいただいた時、「これは『やってみた』記事にして、豊富に写真を入れましょう」「コロナでの家遊び需要が一段落した後も、少しリライトすれば長く集客し続けられる記事にしましょう」という2点をご提案しました。ただ、納期までに親子で遊ぶ写真を撮ることが困難だったので、親世代にあたる大人6人で、とにかく全力でしかけ絵本で遊ぼうと(笑)。福笑いのシールでも「だれが一番面白いのを作れるか」を勝負して、写真と本文を構成しました。
世の中のニーズの高まりに対し、今すぐできることで素材を集め、スピード感をもって記事を投稿したことも成功の要因だと思います。

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奥山:ちょっと早く反応して、皆が1番困っているタイミングにはすでに情報を出せていることが大切ですね。在宅勤務関連では我ながらびっくりするぐらいアクセスを集めることができました。ほかにも、世の「お父さん」の大半は自分の書斎などは持っておらず、リビングのテーブルで仕事をしている、という情報も入ってきたので、「ご飯食べよう」となった時にすぐ書類やPCを片付けられるファイルボックスの使い方を提案した記事も作りました。

–まさに広報で培われた「時流を読む」スキルがメディア運営でも開花された感じですね。

在宅勤務関連記事で紹介したフェルト製のファイルボックス「モ・バコ」を手にする奥山さん

社員の家族にまで驚かれるメディアの発信力

中本:メディアを立ち上げてすぐ、いくつも記事が検索上位に表示され、アクセスも早い段階で集まりましたが、社内でどのように評価されていますか。

奥山:みんなびっくりしたみたいですね。「コクヨの絵本、面白そうって突然言われた」とか、「文具に全然興味関心がなかった友達から『コクヨの記事読んだよ』っていう連絡が突然来た」って。別部署のオウンドメディア担当者から「どうやるの?」と聞かれたり、「認知さえされれば売上が伸びると思っているラベルシールがあるんだけど、メディアで活用術を取り上げてもらえないか」といった依頼が舞い込むことも増えています。

粟倉:社員だけでなく、その周辺の人からも反響が聞こえてくるのはすごいですね。

中本:上長の方はどうですか?

奥山:PV数、平均ページ滞在時間、セッション当たりのPV数、直帰率、リピート率などを月次でKPIレポートとして出していますが、数字を見ながら一緒に試行錯誤を楽しんでくれるところがあって、とてもありがたいです。今まさに、思ってもみなかったスピードで世の中が動いていることもあって、ネット集客のスキルを貯めていくことに関しては応援してくれています。

プロ人材活用で早期に成果を出し、“筋トレSEO”のやる気を持続

中本:周囲を説得するために自分の構想を企画書で伝えることや、数字できちんと成果をレポートして周囲をやる気にさせること。奥山さんの「施策の見える化」はプロジェクトを推進する上で、大変で難しいことですがすごく大事な点ですよね。

奥山:はい。上長も編集部も、他部署までその面白さに気づき始めてくれているので、“相棒”であるミエルカを啓蒙して、私以外にも構成案を作れる人を社内に増やしたいと考えています。ミエルカは私たちにとって欠かせないツールです。これがないと、前が見えないままシュートを打つみたいなものなので。

粟倉:山ノ内さんをご紹介した「ミエルカコネクト」のサービスは、利用されていかがでしたか。

奥山:立ち上げから短期間で結果を出すためには「ミエルカコネクト」のプロ人材紹介は助かりました。内製化はまだ途上ですが、それこそ筋トレの世界なので、とても時間がかかります。やはり早期に成果が出ると、頑張って学ぼうと感じますし。
実は自分でもクラウドサービスでライター探しをしたことはありますが、1枠の募集に80名も応募が集まってしまって、その選定にはすごく時間がかかった経験があります。コネクトの場合は、Webマーケティングの知見を持つコーディネーターが最初から確度の高い情報を揃えて、当社に合う人を推薦してもらえるので、1対何十人で採用するよりずっと楽でした。

リアルイベントとの連携でファン化を加速

–「コクヨマガジン」の今後の目標を教えてください。

奥山:短期的には内部リンクなどの導線をしっかり整えるなどして、回遊率の向上を目指しています。長期的にはWebとリアルでコミュニケーションが取れるメディアに育てられたら面白いですね。「モニター会やります」とか「マガジン読者の方だけの即売会やります」「限定品を作りました」とか。
無関心から入ってきた人たちを集客→接客→ファン化していくために、単なる商品認知だけに留まらない文房具全般に対する興味や、コクヨに対する興味が少しでも上がっていくような取り組みを続けたいです。

–リアルイベントとメディアの連携も楽しみですね。ありがとうございました!

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