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自分の価値を創出するキャリアとは?

キャリア 2019.09.03

人生100年時代や少子高齢化を迎え、AIや5Gの登場など社会は大きな変化を迎えようとしています。
そんな時代に、私たちは一体どんなキャリアを積めば、自分の価値を創出できるのでしょうか。

そのことを考える上で、ヒントになる元リクルートの藤原和博さんの提唱する「100万分の1人材」という理論を紹介し、一緒に考えていきたいと思います。

突然ですが、皆さんポケットモンスター(通称ポケモン)ってご存知ですか?私は、赤青緑版からクリスタル版までやりこみました。そんなポケモンからキャリアを考えてみましょう。

レアポケモンとキャリア

皆さんがポケモントレーナーだとして、どんなポケモンを捕まえたいですか?

その辺りにいるポケモン…例えばラッタとかポッポとかそんなポケモンを捕まえたいとはあんまり思わないですよね。捕まえるならフリーザーとかルギアとかそういうレアポケモンを捕まえたいですよね。

では、企業がポケモントレーナーで、皆さんがポケモンだとしたらどうでしょうか?

企業もきっとレアポケモンを捕まえたいと思うはずですよね。つまり、企業はレア人材、他にはないものを持つ人材を欲しがるということです。僕たちが目指すべきなのはレアポケモンであってその辺にいるポケモンではないということです。

「いや、そんな簡単にレア人材になれって言われても…」と困惑される方もいるでしょう。今回は、このレア人材になるための方法についての話をします。

元リクルートの藤原さんが提唱している「100万分の1人材」という理論で、凄く簡単に言えば異なるキャリアを掛け合わせてレア人材になりましょうという内容です。

「100万分の1人材」とは

藤原さんはリクルートで数々の新規事業を手がけ、公立高の校長に就任するなどユニークな経歴を持っています。そんな藤原さんは、希少な人材になるために必要なことを以下のように説明しています。

100人に1人という技を3つ掛け算しますと、100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1になれるわけです。これで「100万分の1の希少性を獲得した」ということになるわけです。100万分の1の希少性というのは、だいたいオリンピックのメダリスト級です。

ノーベル賞は、出現確率を計算しますとだいたい1000万分の1です。というわけで、オリンピックのメダリスト級の100万分の1のレアさ、希少性であれば、ここにいらっしゃるみなさんがまじめにやると絶対できるんですよ。

ただ、たった1つの分野で勝負して100万分の1人になろうとすると、99万9999人に勝たなきゃなりませんので、これはけっこう勝負としては不利、もしくは途中で屍になる確率が高いわけです。リスクが非常に高い。でも、3分野で100分の1というなら、なれる。100分の1なら、1万時間かければ絶対になれます。

また、5年~10年かけて1つの分野で、1万時間やれば100分の1の希少性を持つことが可能で、それを3分野掛け合わせれば、自分の付加価値が非常に上がりますとも説明しています。こう考えてみると、天才や秀才ではなくとも、希少性を獲得することはできそうですね。

ちなみに1万時間というのは、イギリスのビジネス書作家マルコム・グラドウェルさんが提唱した「特定の分野で世界一流になりたいのであればそれに1万時間の練習や実践が必要だ」という部分から考えられているのかと思います。

異なる分野の掛け算で大きな付加価値を生み出す

これまでの話から考えると、どうキャリアを掛け合わせて言ったらいいのかという疑問が浮かびます。それに対して藤原さんは、異なる3つの分野の掛け算をして大きな付加価値を作ることの重要性を説いています。

その際にイメージするのは三角形。3つの分野を点にして三角形を作っていくイメージで、その三角形の面積をできるだけ広げていけば良いそうです。広ければ広いほど、挑戦できる仕事の大きさが異なってくるそうです。

これまでの2つの点(キャリア)が明らかに使えるところに行こうとすると、三角形の面積はあまり広がりません。3つ目のキャリアの時に、全く異なる分野で勝負をかけて、踏み出すことが大切だと説いています。

藤原さんの例でいけば「営業(プレゼン)」×「リクルート流マネジメント」×「公立高校の校長先生」という3つの分野になります。3つの分野がなるべく離れていればこそ、希少性やレア度が獲得できるわけです。

藤原和博氏の「キャリアの三角形」

ただ行動するだけではダメ。質も大切

100万分の1人材になるためには、1万時間かけて1つの分野のプロになり、それを掛け合わせていくことが必要だと説明しました。ただ、ただ1万時間かければいいという訳ではなく、1万時間の中の質も重要になってきます。

「1万時間の法則」は、イギリスのビジネス書作家マルコム・グラドウェルさんが提唱しました。「特定の分野で世界一流になりたいのであればそれに1万時間の練習や実践が必要だ」といった趣旨です。2008年にグラドウェルさんが発表した「天才!成功する人々の法則」に何度も登場し、ベストセラーにもなりました。

この本は、米国の心理学者アンダース・エリクソンさんの研究をベースにした書物ですが、エリクソンさんが、「実際の研究結果とは違う使われ方をしており、単純化しすぎている」と否定しています。

アンダーソンさんは超一流、成功するためのカギとして以下の10点を挙げています。

  1. 自分の能力を少しだけ超える負荷をかけつづける。自分のコンフォートゾーンを抜け出す
  2. 「これで十分」の範囲にとどまっていると、一度身につけたスキルは落ちていく
  3. グループではなく、一人で没頭する時間を確保する
  4. 自分の弱点を特定し、それを克服するための課題を徹底的に繰り返す。地道な改善を続けていく。
  5. 練習を「楽しい」と感じていては、トッププレーヤーにはなれない
  6. これ以上集中できないと思った時点で練習や勉強はうちきる
  7. 上達が頭打ちになったときは、取り組むメニューを少しだけ変えてみる
  8. 即座にフィードバックを得ることで、学習の速度は劇的に上がる
  9. オンの時間とオフの時間をはっきり分け、一日のスケジュールを組む
  10. どんな能力も生まれつきの才能ではなく、学習の質と量で決まる

ただ漠然と1万時間何かをするのでなく、上記の10点を満たしてこそ、プロになり得るということです。

簡単ではありましたが、100万分の1人材や1万時間の法則などについて紹介をさせてもらいました。私も今後のキャリアを考えるにあたって非常に参考になる話でした。どうレア人材になっていくか。どうプロになっていくのか。これから私自身もしっかりと考えて答えを出したいと思います。

以下に藤原さんが解説している100万分の1人材の動画を張り付けておきます。無料ですので、興味のある方はぜひご覧ください。

NewsPicksアカデミア「100万分の1の人材になるためのキャリア戦略論」
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