キャリア相談したいときはどこのコンサルタントに相談すべき?注意点とは
転職はもちろん、自分の将来や現職の悩みについて考えたとき、キャリアプランニングをどのように進めるべきか悩む人も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、キャリアを相談する際は、転職エージェントによるキャリアコンサルティングを受けると良いでしょう。
今回は、「そもそもキャリアコンサルティングとは?」という疑問の解決から始まり、キャリアコンサルタントに寄せられる相談例や、転職エージェントによるキャリアコンサルティングがなぜ良いのか、受ける際の注意点とともに解説していきます。
キャリア相談する際は転職エージェントのキャリアコンサルティングを利用しよう
2018年に厚生労働省が実施した「労働安全衛生調査(実態調査)」によれば、現職や職業生活に強いストレスを感じている人の割合は、2018年時点で58.0%と半数以上を超えています。
引用:厚生労働省|平成30年労働安全衛生調査(実態調査)
これは、潜在的に「転職意識」のある人が半数以上いると言い換えても過言ではないでしょう。
一方で、職場でのストレスや悩みを相談できる相手は上司・同僚が77.5%、あるいは家族・友人が79.6%となっています。
引用:厚生労働省|平成30年労働安全衛生調査(実態調査)
つまり、潜在的に転職意識を抱えているにも関わらず、外部に相談しない、あるいは相談できないという人が半数以上いるとも言い換えられるでしょう。
これらを踏まえると、キャリアコンサルティングの先に「転職活動」という選択肢があるほうが、キャリアの生成においては有効だと考えられます。
結論として、キャリアを相談する際は、求人の提案もできる転職エージェントを利用すると効果的です。
キャリアコンサルティングとは
そもそもキャリアコンサルティングとは、利用者の思考の整理を行い、職業の選択はもちろん、能力の発見や向上に関する相談に応じることを指します。
つまり、求人の提案のみではなく、利用者が仕事をするうえで発生するさまざまな悩みを解決するための指導のことです。
働き方改革により働き方も多種多様になる中、2016年には「キャリアコンサルタント」と呼ばれるキャリアコンサルティングに関する国家資格も誕生し、ますますその必要性を増しています。
キャリアコンサルティングの有効性
2018年に厚生労働省が実施した「能力開発基本調査」によれば、キャリアコンサルティングによる有効性は、以下の画像の通りです。
引用:厚生労働省|平成30年度能力開発基本調査
キャリアカウンセリングを実施しているのが、現状職場の上司や管理者が半数を超える(※1「キャリアコンサルティングを実施する主な組織・機関」図参照)ため、現職の改善という方向にやや偏りがちの結果となっています。
とはいえ、転職のみならず、キャリア生成や能力開発、意欲の改善など、さまざまな形で好意的な結果が生まれているのは明白です。
※1「キャリアコンサルティングを実施する主な組織・機関」図
引用:厚生労働省|平成30年度能力開発基本調査
キャリアコンサルタントへの5つの相談例
キャリアコンサルティングでは、1回につき60分程度で終了するケースが多いです。
ただし、1回で終わる場合もあれば、相談の内容によっては、回数を重ることが必要な場合もあります。
では、キャリアコンサルタントには具体的にどのような相談をすれば良いのでしょうか。
プライベートに関わる内容を、どこまで聞いてくれるのか、不安に思う人も少なくないでしょう。
ここでは、代表的な相談例を5つ紹介していきます。
①自己理解
自身の強みや弱みにはどのようなものがあるのか、長所や短所を知ることは、企業や仕事内容とのミスマッチを埋めることにつながるため、当然転職に役立ちます。もちろん、現職においても欠かせません。
そのため、自己理解を深めるための相談は積極的にするべき内容の一つです。
また、長所・短所だけでなく、興味があるものやスキル、価値観などの自分を見つめ直す相談は、キャリアを形成するためのファーストステップとして非常に重要です。
②転職に関する相談
自己理解を元に、興味ある仕事への理解を深める相談ももちろん問題ありません。
たとえば興味がある業界の知識を深められれば、転職後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
転職先の企業や業界知識は、やはり一般的なキャリアコンサルタントより、転職エージェントのキャリアコンサルタントのほうが豊富に抱えているといえます。
転職に関する相談は、特に転職エージェントに力を借りると良いでしょう。
③現職における悩み
たとえば、人間関係の修復方法など、ネガティブかつプライベートに関わる相談であっても、キャリアコンサルタントは親身になって耳を傾けてくれます。
また、ステップアップなどをするために資格取得を目指す場合、その勉強方法などを相談しても問題ありません。
あなたのライフバランスを考慮したうえで、より効率的な勉強方法を一緒にプランニングしてくれます。
④キャリアプランの作成方法
キャリアにおいて、到達したい目標が定まっているのであれば、直接的にキャリアプランの作成方法を聞くのも当然アリです。
どのようにしてそのゴールまでたどり着けば良いのか、中長期的なプランニングをしていきます。
⑤ワーク・ライフ・バランスのとり方
ワーク・ライフ・バランスが重要視される社会においては、働き方を見直す企業も多いです。
特に転職エージェントはそのような企業の内情を知っているため、ワーク・ライフ・バランスをとるために具体的にどのような施策が打たれているかなども把握しています。
そのため、特に転職エージェントによるキャリアコンサルティングであれば、具体例を持ってワーク・ライフ・バランスのとり方を教えてくれるでしょう。
キャリアコンサルティングを受ける方法
キャリアコンサルティングを受ける方法は、大きく分けて2つあります。それぞれについて詳細を見ていきましょう。
①キャリアコンサルタントに相談する
まずは、メイン事業としてキャリアコンサルティングを展開するキャリアコンサルタントに相談するケースが挙げられます。
さまざまなタイプのコンサルタントがいるので、見ていきしょう。
キャリアカウンセリング協会
特定非営利活動法人の一つであるキャリアカウンセリング協会では、条件付き(キャリアカウンセリング技術向上のためのテープ録音あり・年に一回のみ受診可能)ではありますが、無料でキャリアカウンセリングを受けられます。
国家資格を持つキャリアコンサルタントが在籍しているので、より詳細にキャリアについて相談できるでしょう。
女性に特化したキャリアコンサルティング
女性に特化したキャリアコンサルティングは多数存在します。
たとえば、女性の社会参画などを支援するための総合施設である女性センターや、マザーズハローワークなどが挙げられるでしょう。
両者ともに、各自治体が国と連携して運営しているため、全国各地に点在しています。(マザーズハローワークは全国一律展開ではないので注意してください)
そのほか、民間企業による女性特化型のキャリアコンサルティングも多数あります。
②転職エージェントのキャリアコンサルティングを利用する
転職エージェントを利用すれば、転職支援の一環としてキャリアコンサルティングをしてくれます。
dodaキャリアカウンセリング
国内最大級の転職エージェントであるdodaでは、無料で各業界に精通したプロのキャリアアドバイザーによるカウンセリングを受けることができます。
その内容としては主に
- ヒアリングによるキャリアの整理
- 求人の紹介や面接情報の提供
- 履歴書や職務経歴書など、書類の添削、アドバイス
- 模擬面接の実施、企業との面接後のフィードバック
などが挙げられます。
求人要件の難易度やこれまでのキャリアなどを総合的に判断してキャリアカウンセリングを案内されるので、キャリアカウンセリングのみを受けることはできません。
しかし、大手の転職エージェントの力を借りることによって、自分一人ではたどり着けなかったキャリアプランを作成できるでしょう。
マイナビエージェント
「20代に信頼されている転職エージェント」No.1を獲得しているマイナビエージェントのキャリアコンサルティングを受けるのも手です。
特に、20代でキャリアの相談を考えている人は、相談先の候補として優先的に考えておくと良いでしょう。
マイナビエージェントもdodaと同じように
- キャリアの整理
- 面接対策
- 書類の添削
など、主に転職の際のあなたの市場価値を高めるために、無料でキャリアコンサルティングを行ってくれます。
キャリアアドバイザーも20代が多いので、20代にとってはより親身に話を聞いてくれるでしょう。
転職エージェントでキャリアコンサルティングを受ける2つのメリット
転職エージェントでキャリアコンサルティングを相談する場合には、ほかにはない大きなメリットが生まれます。
主な2つを紹介していきます。
そのまま転職活動に入れる
キャリアプラン作成の相談については、潜在的に転職の意識が隠れていることを述べてきました。
もしあなたが、キャリアプランについて転職エージェントに相談をしている状態であれば、現職ではなく違う職場や職種を目指そうと決心したときに、そのままスムーズに転職活動に移ることができます。
自身の悩みや強みも十分に理解してくれている状態で転職活動がスタートするので、より自分に合った企業を紹介してくれる可能性が極めて高くなるでしょう。
エージェントの紹介で一次面接パスなどもあり得る
転職エージェントが抱える求人は、キャリアアドバイザーと企業との信頼関係によって成り立っているものも少なくありません。
そのため、「○○さん(キャリアアドバイザー)の紹介なら、一次面接はパスで良いですよ」というようなケースも発生しやすいです。
これは、実際に人事を担当している筆者の知り合いから聞いた話です。
面接パスは無かったとしても、書類選考はなしという場合は往々にしてあります。これは、転職エージェントならではの大きなメリットといえます。
転職エージェントでキャリアコンサルティングを受ける際の4つの注意点
転職エージェントでキャリアコンサルティングを受ける場合は、以下の4つの点には注意しておきましょう。
「相談だけしたい」とは言わない
そもそもキャリアコンサルティングのみの提供は行っておらず、転職支援の一環として総合的にキャリアコンサルティングを行っている転職エージェントも多いです。
そのため、「キャリアの相談だけしたい」と伝えると、最悪の場合、サービスを利用できないことも考えられます。
あくまで、転職を考えていて、その一環としてキャリア相談したいと伝えるとスムーズでしょう。
キャリアアドバイザーと合わなかったら変更を申し出る
キャリアアドバイザーも多種多様で、経験が浅かったり、知りたい業界の知識量が少なかったりするなどの可能性も十分考えられます。
また、単純にアドバイザーと性格が合わないという可能性も少なくないでしょう。
その際には、アドバイザーの変更を申し出ても問題ありません。
より良いキャリア相談、転職のためにも、合わないと感じたら迷わずアドバイザーの変更を申請しましょう。
話す内容は決めておく
キャリアコンサルティングの時間は、一回につき60分程度と、時間が決められています。
要点はあらかじめ絞っておき、自分の知りたい情報をできるだけ引き出せるように、話す内容はある程度決めておくとスムーズです。
嘘はつかない
自身のキャリアや性格に嘘をつくと、適切なアドバイスが受けられないどころか、転職活動に移った際には、見当違いな企業を紹介されてしまうケースも考えられます。
決して嘘はつかずに、自分のありのままの状態や悩みを相談したほうが、かえってアドバイザーとの信頼関係も築け、より濃密なキャリアプランを作成できるでしょう。
キャリアプランの相談には、転職の意識が潜在しているため、転職エージェントを利用するのがベストです。
転職エージェントを利用することで、
- そのまま転職活動に入れる
- 面接をパスできる可能性がある
というようなメリットも得られます。
上記の4つの注意点を意識しながら、キャリア相談には転職エージェントを利用して、あなたらしいキャリアを歩んでいきましょう。




監修者からの一言
キャリアカウンセリングといっても、時と場合により関わり方は様々です。
皆さんが頭の片隅に意識する方が良いこととして、あくまで転職エージェントであるキャリアコンサルタントは1人の会社員であるという認識も忘れてはなりません。
本来のクライアント中心のキャリアカウンセリングという関わりの前に、会社の利益を優先させなければならないので、本当に信頼できる人物だと判断できたら、ある程度の悩みを打ち明けることで良いキャリアアップに繋がると思います。