面接でドタキャンはできる?【元求人媒体営業が解説】
企業の面接に行く前なのに、ドタキャンすることを考えてしまっていませんか?
転職活動を進めていくなかで、志望度が低い企業ほど採用試験に力が入らないものですよね……。
面接をドタキャンすることが頭によぎって、
- 転職面接のドタキャンはして良いものなのか?
- どのようにドタキャンとわからないように伝えればいいのか?
こんな不安や疑問を持つ人も多いでしょう。
そこで今回は、面接のドタキャンについて、求人媒体での営業を経験した筆者の経験からお伝えします。
また、ドタキャンを電話連絡で伝えるポイントと、実際にあったドタキャンの実話もご紹介します。
この記事を、あなたがドタキャンしようか迷ったときの判断材料にしてください。
面接ドタキャンが採用担当からOKと言われている2つの理由
面接のドタキャンについては、人事採用担当の中でも「やっても良い」と考える側と「やってはダメだ」と考える側の二手に意見が分かれています。
まずは、「ドタキャンをしても良い」と考えている人事採用担当が考えている2つの意見をお伝えします。
- 転職先を選ぶ権限は転職希望者が持っている
- 転職希望者が体調不良なら他人にうつさないようにすべき
転職先を選ぶ権限は転職希望者が持っている
人生をどのようにするのかは自分で決めれば良い、という意見です。
転職は、今後の人生を決める大きな選択の機会です。
もしも、応募者にとって魅力的な企業が他に見つかったならば、直前でも採用試験をキャンセルされてしまうのは仕方ないと考える人事担当もいます。
自分の人生を決めるのは他人ではなく自分だという考えを持つ人事は、「この人とは縁がなかった」と受けとめて、また新しい応募者から採用候補を選ぶでしょう。
転職希望者が体調不良なら他人にうつさないようにすべき
「体調管理は社会人の基礎」という考え方がありますが、感染力の強いインフルエンザなどの病気の場合は、避けようがありません。
応募者側も、転職活動はもちろん、現職の仕事で人と触れ合う機会もあるので、どんなに予防をしてもウイルスに感染する機会は防ぎようがありません。
感染の恐れのある病気に罹っている状態で面接試験に来られてしまっては、採用面接をする管理職などにも迷惑を掛けてしまいます。
そのため、感染の恐れのある病気に罹ってしまった場合には、直前でのキャンセルはやむを得ないと採用人事も考えます。
また、進んで面接日程も変更してくれるでしょう。
面接ドタキャンが採用担当からNGと言われているたった1つの理由
次に、「面接のドタキャンは絶対に避けるべき」と考えている人事の意見を紹介します。
- 失礼な行動をとる人にそもそも縁はないと感じる
ドタキャンNGの意見は、ほとんど上記の1つに集約されているといっても過言ではありません。
失礼な行動をとる人にそもそも縁はないと感じる
例えば、あなたが後輩と会う約束をしたのに、約束の直前に後輩が予定をキャンセルしてきたとしたら、あなたは「失礼なやつだな」と感じませんか?
これと同じことは、転職活動の採用面接における、あなたと企業の間にも言えます。
企業の採用担当者は、あなたがどう考えていても「失礼になると分かってまでドタキャンするのであれば、この人は最初から志望度が高くなかったのだろう」と感じます。
そして「こんな失礼な行動をとる人とは縁がない」と感じてしまいます。
不用意に面接をドタキャンをすることは、企業に迷惑がかかっているということを忘れてはいけません。
ちなみに、筆者が求人媒体の営業として勤務していた経験から言うと、ほとんどの採用担当者の考えはこれに近いのではないかと思います。
ドタキャンを電話連絡する際の3つのポイント
ここまで、企業の採用担当者が面接のドタキャンをどのように考えているか、見てきました。
面接の直前にドタキャンする場合には、せめてもの誠意として、電話で伝えましょう。
メールで伝えることは失礼に当たりますし、採用側の確認が遅れてしまいます。
とはいっても、電話で伝えるとなると緊張してしまいますよね。
まして、ドタキャンを伝えるのですから「電話したくないな……」と思ってしまうはず。
ここでは、電話でドタキャンを伝える際に守るべき3つのポイントを伝授します。
- 謝罪の意思を忘れずに
- ドタキャンの本当の理由を伝える
- ドタキャンを決めた時点ですぐに連絡
1. 謝罪の意思を忘れずに
あなたがドタキャンをすることによって、相手の予定には穴が空き、余計な仕事を増やすことになります。
どのような理由であれ、「こちらが悪い」「本当に申し訳ない」というスタンスは崩さないようにしましょう。
電話でいちばん初めに伝えるべきでしょう。
2. ドタキャンの本当の理由を伝える
ドタキャンするからといって、嘘の理由を伝えることは絶対に避けましょう。
求人媒体営業を経験した筆者の経験では、面接や電話でウソの理由を言ったことはすぐにわかります。
そもそもドタキャン自体が悪印象なので、嘘を重ねることで印象はさらに悪くなってしまいます。
理由の言い回しは間接的に
ドタキャンの本当の理由を伝えるとき、その言い方には少し注意が必要です。
単純に「嫌になった」という理由で、面接のドタキャンを考える人もいるはずです。
この場合は、「ご縁がないと感じた」「思っていたものと違った」という言い回しが適切です。
理由の伝え方の例
本日は面接の予定でしたが、御社のことを調べていくうちに、自分が想像していた職種とは別だと感じました。
3. ドタキャンを決めた時点ですぐに連絡
やむを得ず面接をドタキャンしようと決めたならば、なるべく早いタイミングで連絡しましょう。
早めに面接辞退の連絡を伝えることで、採用人事側も予定の再調整が可能になります。
ドタキャンするにしても、相手に掛かる迷惑を考えた上で、早めの対応を心がけましょう。
実際に元採用媒体営業が聞いたドタキャンの話
筆者は、求人採用媒体の営業として数年間勤務してきました。
その間にも何度か面接のドタキャンに遭遇したことがあります。
最後に、筆者が採用支援をさせていただいた企業で実際にあった面接ドタキャン事例をご紹介します。
この企業はエンジニアを2名採用する予定でしたが、10人から応募がありました。
人事採用担当は、一次選考の時点で3人の候補に狙いを定めていました。
この3人から、最終的には管理職を含めた面接で2人に絞り込み、採用をおこなう予定でした。
ですが、候補車3人のうち、抜きん出て実績を持っていたAさんが最終面接をドタキャンしてしまったのです。
3人から絞り込もうと考えていた企業側は大慌ての状態になってしまいました。
結局、残った2人の候補者に内定を出すことになりましたが、まさかの面接ドタキャンで、ヒヤヒヤの採用試験となりました。
ドタキャンをするもしないもあなたの意思次第
面接のドタキャンは、以下のような考えで肯定的な人事担当者がいます。
- 人生の決定権は企業側にはない
- 転職希望者が体調不良なら他人にうつさないようにすべき
ただ、「失礼な行動をとろうと考える人に縁はない」と感じる採用担当が多いのも事実です。
大前提として、どのような理由であっても、面接のドタキャンは相手先企業に対して悪い印象を与えます。
ですから、ドタキャンにはリスクがあることを知っておかなければなりません。
本当にその面接をドタキャンしても良いのか?
それは自分で考えて判断してください。
そして、もし「ドタキャンする」と決めたのであれば、相手への無礼を最小限に留められるように、適切な電話連絡を忘れないでくださいね。



監修者によるコメント
転職活動を進めていると、他に気になる企業が出てきたり、転職活動に疲れて「休みたい」という気持ちがフッと湧いてくることもあるでしょう。
ただ、企業側も、採用活動に予算や工数を割いて準備をしています。
限られた時間の中で、「あなたのことを知りたい」と思って、採用面接まで設定してくれたのです。
面接では管理職層なども、予定を調整して参加しており、相手もワクワクして待っているかもしれません。
ドタキャンを考えてしまった時には、ちょっと採用側の立場になってみることも忘れないでください。