topTOP 面接対策 【元転職エージェントが語る】転職こそ自己PRが重要!受かるポイントを押さえた書き方とは

【元転職エージェントが語る】転職こそ自己PRが重要!受かるポイントを押さえた書き方とは

面接対策 2019.10.01

自己PRと聞くと、新卒の就活の時に用意したことを思い出す人も多いのではないでしょうか。

転職活動では、退職理由や志望動機に考えが行きがちですが、選考に大きく関わるほど重要なのが自己PRです。

実はとても重要な役割を担っているんです

この記事では、その理由と転職面接で受かる自己PRを作る方法、自己PRのNG例などをご紹介していきます。これから転職面接に挑む方はぜひ参考にしてみてください。

なおこの記事は、国家資格「キャリアコンサルタント」の資格を持ち、実務経験もある専門家に監修をしていただいています。

なぜ自己PRが転職面接で重要になるのか

面接で自己PRする男性

転職面接に自己PRが重要なのは、下記3つのポイントを見るためです。

①入社の意欲があるかの確認

転職面接で自己PRが必要な理由、1つ目は入社意欲があるかの確認をするためです。

自己PRは自分の能力と経験が志望先企業で活かせるポイントをまとめたもの。つまり、企業側が候補者を判断するのに必要な、「その企業で実際に働くイメージができているか」「企業理解ができているか」「自分の経験とその会社がマッチするポイントを理解できているか」「どんなことに意欲を燃やしているのか」などを見ることができる質問項目です。

新卒の就活の時には業務経験がないため、候補者側も企業側も、その人がその会社で働く姿を深くイメージできないことが多いでしょう。

しかし、転職面接の場合、企業側は「入社後に即戦力として働いてもらうことを前提」としたケースが多いため、上記のようなポイントを確認する必要があるのです。

その企業のことをどの程度本気で考えているのかが伝わる自己PRができれば、入社意欲の高さをアピールできるでしょう。

 

②候補者が会社に貢献してくれるかの確認(スキル・経験)

次のポイントは、候補者が会社に貢献してくれるかの確認です。

企業側は「入社後、どのスキルを活かせるかイメージできているか」「会社の求める人材像の理解度が高いか」などを見ています。

自己PRとはこれまでの経験から培われた「根拠のある能力=強み」をどのようにアピールするか、が重要です。その強みを活かしてどのように会社に貢献できるのか、会社の求める人材像を分析し、自分のどの強みと経験が一致するのか、そこを考えアピールする必要があります。

面接の時点でしっかりした自己PRを準備できていれば、企業側から「入社後の将来も有望な人材だ」と思ってもらえるでしょう。
企業としても目標を自分で設定して動ける人の方が圧倒的に成長することを見込めるため、自己PRの時点でそれを感じさせてくれる人を採用したいと考えるのは当然です。

③社風に合う人柄かどうかの確認

最後のポイントは社風に合う「人柄」かどうかの確認です。

「人柄」とはヒューマンスキルで表わされます。
その人が大切にしていること、重要視していることは何か。例えば、動機や人間性、価値観、信念、意欲などです。
これらのことは仕事への姿勢や態度に出てきます。人物重視の企業はこの「人柄」の部分を面接で重要視していると言えるでしょう。

企業側は、面接の質問から判断しようとしています。

優秀であっても周囲の人と相性が合わない場合、認識のズレなどが起こりやすく仕事の効率が下がることもあります。
「雰囲気やスピードが合うか」「他の社員とマッチしそうか」「配属予定部署との仕事のマッチング度合いはどうか」などが見られる自己PRであれば、これらを判断することができるでしょう。

ご紹介した3つは、いずれもミスマッチを起こさないために非常に重要な項目です。転職ではスキルや志向性も定まっているため、自分の価値観や希望に合っているかを確認しないと退職・転職を繰り返すことになります。お互いにとってマイナスが大きい事態を招いてしまうため、そうならないためにも自己PRを重視して準備を行いましょう。

転職面接で受かる自己PRの書き方

ノートに書き込む人

では次に、転職面接で受かる自己PRを書くための6つの手順をご紹介します。

 

①スキル・経験・評価の棚卸し

まずは候補者自身が自分の身につけたスキル、経験したことや実績、評価などを正しく振り返ることからスタートしましょう。

多くの人が日々忙殺されて、「この1年で何を身につけたのか」と振り返りをしていないのではないでしょうか?そのままだと転職でアピールすべきポイントが不明確な状態で面接に挑むことになるため、実力を発揮できない可能性が高いです。

  • 入社当時から1年単位で何を身につけられたか
  • 他者からどんな評価を受けたか
  • どんな経験ができたか

などを正確に棚卸しして、自分を過大・過小評価せず、等身大で捉えるようにしましょう。

 

②綿密な業界・企業研究

転職面接ではあまり重要性を感じる人も少ないかもしれませんが、実は業界、企業研究が意外に不足している転職希望者が多く見られます。業界・企業研究を怠ると、志望先企業の事業戦略を読み違え、同時に事業戦略を基にして作った求める人物像にもズレが生じてしまいます

自己PRは「自分こそが御社の求める人物像である」と伝えるものですから、ズレが生じると的外れな自己PRをして不採用になる危険性もあります。求める人物像が実際とマッチした内容にするためにも、改めて行うべき項目といえるでしょう。

 

③業界・企業研究から求められる人材像の絞り込み

次に、業界・企業研究から求める人材像の絞り込みを行いましょう。企業ホームページに載っている理念・事業戦略・財務(IR)・人員の情報などを把握し、企業としてどの方向に向かっているのかをよく把握したら、企業が主張している「求める人物像」情報と照らし合わせてみてください。

照らし合わせた時に、「こういう方向性だからこの能力が必須になるのか」と納得できるかどうか、そして「業界二番手で今◯◯分野に力を入れているからこんな人が求められているはず」などと推測するようにしてください。単に求める人物像に合わせてアピールするだけでは、他の候補者との違いを出すことができません。違いを出すためにもこのステップを省略せず、一歩先のアピールを心がけましょう。

 

④求める人材像に基づいて棚卸しした実績・評価を選ぶ

求める人物像を絞り込んだら、最初に棚卸しした実績・他者からの評価でアピールになりそうなポイントを選んでいってください。先程推測した、「業界二番手で今◯◯分野に力を入れているから」という情報を基に、「入社3年目から2年間経験した◯◯の能力が活かせる」などを当てはめていきます。この時点でいくつかピックアップしておけば、面接の流れでどれを出すかを決める、あるいは志望動機・自己紹介などで言っていない要素があれば自己PRにそれを使うなど、臨機応変に対応できるようになります。

⑤実際に働くシーンで具体的なエピソード化

次に、その経験での成果にプラスして「自分がどのような点に配慮して実行したのか」「苦労した点をどう攻略したのか」などの具体的なエピソードを、求める人材像に合わせて盛り込んでください。そうすると、異業種への転職だったとしても即戦力として働ける印象を与えることが可能です。先程想定した「志望先企業の場合はこの点を特に重視するだろうから、このように動こうと考えている」など、働くシーンを具体的に描くとより効果的です。

 

⑥1分、3分程度にまとめる

ここまでできたら、最後に1分、3分程度の文章にまとめておきましょう。面接では、自己PRを1分程度、3分程度で話すこともあるため、どちらでも話せるよう準備しておくようにすると、面接でもスムーズです。

自己PRに限りませんが、面接ではわかりやすく回答するため、PREP法をお勧めします。

【PREP(プレップ)法とは?】
下記の頭文字をとっています。
・point(結論・答え)
・reason(なぜなら)
・example(具体例)
・point(結果・結論・成果)

 

参考に1分の場合の例文をご紹介します。

 

<例文>小売の店舗運営スーパーバイザーから製造販売の営業へ

定期的なコミュニケーションから特性を見抜き、その店舗の長所を伸ばす販売戦略を立てる能力は、御社の製造販売営業としても役立てられると思っております。(結論・答え)

前職では小売業界で東京23区内の店舗運営にスーパーバイザーとして3年携わり、地域に特化したメニューやキャンペーンなどで担当店舗に売上を立ててもらうために、店舗ごとの特徴やオーナーの得手不得手などを把握し、各店ごとの戦略を構築したことですべての店舗の目標を上回ることができました。(理由)

その結果、東京23区内でも常にトップ3の成績を収めました。(結果)

特に今回募集していらっしゃる◯◯分野では、競合から一歩抜きん出るために販売店様の協力を得ることが重要だと感じております。(結論)

前職で培った販売戦略構築、販売店様との連携で成果を上げた経験を、ぜひ御社で活かせればと思っております。

自己PRのNG例

「STOP」の標識

最後に、意外と見逃しがちな注意点や自己PRのNG例をご紹介します。

企業ごとに変えていない

企業ごとに変えていないという自己PRは、まずNGです。
なぜなら、人がそれぞれ違うように、企業もまったく違うものだからです。大切にしているポイント・業界内でのポジション・会社にいる人など、すべてが違います。

先程の手順でご紹介したように、その企業の事業戦略に基づいて求める人物像が決まっているわけですから、同じ自己PRでは的外れになる場合が多いでしょう。企業ごとに一番求められる部分を自己PRで伝えられるよう、必ずカスタマイズしておきましょう。

実績のみで具体的なエピソードがない

実績のみをアピールする自己PRでは、2つ問題が生じます。1つは、実績がどの程度すごいのかがわかりづらいこと、そしてその実績の中であなたの貢献度がどの程度なのかわからないことです。実績だけを伝えるのではなく、一般的なレベルと比較してどの程度すごい実績なのかが伝わるようにする、そしてどのような役割を担い、何に苦労してどう克服したのかを伝えるようにしましょう。

また、アピールできる実績がないと考えている場合、他者評価から自己PRを考えてみることも一つの方法です。

「上司から〇〇と評価された」
「お客様から〇〇とお褒めの言葉を頂いた」などでも、十分人柄と仕事への姿勢を伝えることができます。

他者評価であっても、十分客観的根拠になるので、自己PRとして使うことができます。

自己PRが重要なのは、等身大の自分がどういう能力を持っているのか、それがどれほど志望先企業にフィットしているのかを伝えることです。

過大評価では入社後お互いに苦しみますし、過小評価では内定が遠のいてしまいます。見逃しがちなポイントをよく理解し、自己PR作成に取り組んでみてください。

自己PRを完璧にして面接を突破しよう!

退職理由や志望動機に考えが行きがちですが、選考に大きく関わるほど重要なのが自己PRです。

企業側の求める情報がしっかり詰まっていることが、おわかりいただけたのではないでしょうか。社会人経験があるから大丈夫と簡単に考えることなく、実績の棚卸しや業界・企業研究を丁寧に行ってみてください。

ご紹介した方法をやっていただくだけで自己PRの魅力度が大きく変わり、ひいては面接の突破率も変わってくるはずです。ぜひ参考にして、志望企業から内定を獲得しましょう。

監修者によるコメント

自己PRとは簡潔に言えば、あなたの強みです。最初は誰でも自分の強みがわからないかもしれません。強みとは数字で表れる仕事の実績だけでなくても良いのです。あなたの人柄・大切にしていること・信念・価値観・意欲などで良いのです。そういった自分のことを、まずは書き出してみて下さい。そしてそれに当てはまるエピソードや仕事の経験、実績、他者からもらった評価を思い出してみて下さい。そういった作業を続けると、根拠のある「自分の能力」が出てきます。その根拠のある自分の能力こそが、あなたのアピールポイントになります。

 

  • 監修
  • 植松 晶子

プロフィール:
大学卒業後、大手旅行会社にて中国旅行の企画手配に従事。その後人材業界に転職し、パーソルテンプスタッフ(株)にて14年間勤務。派遣コーディネーターとして転職支援の他、年間約500名のキャリア相談や定着支援のカウンセリングを経験する。
現在はフリーランスにて、中小企業の採用支援コンサルタントに従事。年間約200社の採用に悩む中小企業の支援に携わっている。
また、キャリア支援は企業側と個人側の両面から支援する必要があると考えており、働く人の悩みを更に深く支援できるよう、現在ビジネスコーチングのスキル習得に励んでいる。

保有資格:
国家資格キャリアコンサルタント
第二種衛星管理士
ビジネスコーチ(2020年3月資格取得予定)

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