【専門家監修】転職であなたを魅せる職務経歴書の全て【記入例アリ】
転職活動を進めていくと、あなたの職歴やアピールポイントを書き記した「職務経歴書」が必要になってきます。
「自己PRや志望動機、どう書けばいいか分からない……」
「職歴はどのようにまとめるのが良い?」
この記事は、そんなお悩みを持っているあなたに向けて書いています。
この記事では、分かりやすい職務経歴書を作るために事前準備すべきことと実際の書き方を徹底解説。フォーマットや記入例も交えて、職務経歴書づくりをサポートします。
あなたのキャリアをアピールできる職務経歴書を書いて、転職活動を成功させましょう。
履歴書の書き方も知りたい?
転職活動では、職務経歴書の他に履歴書も必須アイテムです。 履歴書をまだ書いていない方は、以下の記事を読んで分かりやすい履歴書を作ってくださいね。
職務経歴書を書く前の下準備
いきなり職務経歴書を書き始めようとしても、うまくいきません。
事前準備が職務経歴書の完成度を大きく左右するので、あらかじめ書くことを整理して、下準備をしておくことが非常に大切です。
ここでは、職務経歴書を書く前に用意・整理しておくことを3つ解説します。
①あなたの職歴を棚卸しする
②アピールポイントを整理する
③フォーマットをダウンロードする
一つずつ、詳しく見ていきましょう。
①あなたの職歴を棚卸しする
まずは、あなたがこれまでしてきた仕事を棚卸ししていきます。
時間のかかる作業ですが、この内容は後々活用していきますので、ていねいに書き出しましょう。
職歴を整理するポイントは、5W1Hの軸で考えることです。
これまでに勤務した会社や部署ごとに整理をしてみましょう。例えば、こんな感じです。
5W1H | 事実 |
---|---|
When(いつ) | 2016年4月~2019年3月 |
Where(どこで) | 株式会社キャリアの海 営業部 |
What(何を) | 自社運営メディアの広告枠 |
Who(誰に) | 企業 |
Why(なぜ) | 広告収入アップのため |
How(どのように) | クライアント新規開拓とアップセル |
会社や部署ごとの整理が終わったら、その部署での具体的な仕事内容を箇条書きで洗い出します。
加えて、一つ一つの仕事内容に対し、以下のような項目も書き出してみましょう。。
- 仕事を通して成し遂げた実績や成果
- 仕事でうまくいかなかったこと
- 仕事を通して学んだこと
こうすることで、職務経歴書を書く際に事実の抜け・漏れをなくすことができます。
この時点で、キレイな文章にまとまっている必要はありません。
メモ書きでかまいませんので、一通り書き出して整理しておきましょう。
②アピールポイントを整理する
続いて、あなたのアピールポイントを整理します。これが、後ほど書く自己PRにつながってきます。
アピールポイントを整理するときに使ってみていただきたいのが、「Will, Can, Must」の考え方です。
あなたにとって理想のキャリアは「あなたのやりたいこと」「あなたにできること」「会社・社会から求められること」をすべて満たすものです。
まず「あなたのやりたいこと」を書き出していきます。
次に、「あなたにできること」と「会社・社会から求められること」の両方を考えていきます。会社・社会から求められることは、企業が求める人材像のことです。
この3つを考えたり調べたりして整理しておくと、あとで志望動機や自己PRを書くのが楽になります。
「自分のやりたいことが見つからない……」という方は、前田裕二さんの『メモの魔力』を読んでみることをおすすめします。
この本の第3章では、ノートを使った自己分析の方法が紹介されています。
▲ノートを使った自己分析の例
この本の巻末には「自己分析1,000問」が載っています。
質問にノート見開き1ページで答えていく作業を繰り返すことで、自分のやりたいことや軸を見つけることができますよ。
③フォーマットをダウンロードする
思考の整理ができたところで、職務経歴書のフォーマットを入手しましょう。
職務経歴書はパソコンのオフィスソフト(Word)で作成するのが一般的です。書く分量が多いことと、企業の採用担当者はパソコンで応募書類を共有していることから、手書きで作成するのはおすすめしません。
あなたの状況にあわせてフォーマットを選ぼう
職務経歴書には履歴書のような統一の書式はありませんが、よく使われるフォーマットがいくつか存在します。
自分の職歴を一番アピールしやすい形式を選びましょう。
フォーマット | 特徴 |
---|---|
編年体形式 | 職歴を年代の古い順に記す形式。 長い間同じ企業に勤務していて職務の習熟度をアピールしたい、または転職回数が少ない(2から3社程度)の場合におすすめ |
逆編年体形式 | 職歴を年代の新しい順に記す形式。 直近の職務実績を強調したい場合におすすめ |
キャリア形式 | アピールしたいスキルを軸に職歴を記す形式。 転職回数が多く、似たようなスキルを使う仕事を多くこなしてきた方に向いている |
また、職務経歴書は業界や職種によって様々な書き方が存在します。あなたの状況や現職に応じて、無料でダウンロードできるテンプレートを活用しましょう。
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●80種類以上の職務経歴書テンプレート(無料)
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項目別・分かりやすい職務経歴書の書き方
ここまで準備ができたら、いよいよ職務経歴書を書き始めていきましょう。
使うフォーマットによって多少変わってきますが、職務経歴書に書く項目は次の7つです。
①日付・氏名
②職歴要約
③会社概要
④職歴
⑤活かせる経験、知識、技術
⑥資格・特技など
⑦志望動機・自己PR
一つずつ解説しています。それぞれの項目のリンクを押すと、解説へジャンプできますよ。
①日付・氏名
職務経歴書の右上には、職務経歴書を提出する当日の日付と氏名を忘れずに記入しましょう。
②職歴要約
冒頭に、200字程度で「どんな経験を持っていて、何ができる人か」という要約文を書きます。
企業の採用担当者は、日々たくさんの採用書類に目を通しています。ひとりの職務経歴書を読むのに割ける時間は限られているので、こうした要約があると採用担当者に経歴を伝えやすくなります。
Twitterのプロフィール文を考えるつもりで、これまでのあなたのキャリアをシンプルにまとめましょう。
③会社概要
採用担当者は、会社規模から候補者の前職の会社規模や、業務内容を推測することができます。そのため、経歴を書くときには、会社名の他に、業種や事業内容、資本金・売上高、従業員数を併記しておくと親切です。
④職歴
職歴は職務経歴書のメインコンテンツです。フォーマットの形式に沿って、5W1Hで整理した職歴をもれなく転記していきます。
ポイントは、「とにかく具体的に書く」ということ。
売上や実績など、数値で表すことができるものは数値で表現します。業務の中で工夫したこと、率先して取り組んでいたことがあれば、それにも言及しましょう。採用担当者や面接官に納得感を与えることができます。
また、マネジメントの経験を書くときには、権限の範囲を明記することが大切です。
例えば、「マネジャーを経験」とだけ書くのではなく、「マネジャーとして、人員管理・進捗管理はもちろん、予算管理も担当した」と書きます。
マネジメントを任された人は、社内で高く評価されたからそのポジションに就いたはず。「何をどこまで任されていたのか」を明らかにすることで、自分が社内でどの程度高く評価されていたのかを採用担当者にアピールできるのです。
マネジメント経験をアピールするにはどうしたらいい?





監修者のワンポイントアドバイス
マネジメントを担当するようになると、マネジメントに関する課題が新たに課せられ、その結果が求められます。マネジメントを任されたから評価が高いというわけではありません。
では、どのようにすれば、マネジメント経験をアピールできるのでしょうか?
具体的には、マネジメント経験のアピールには下記の内容を具体的に明記することをお勧めします。
・管理した人数
・会社から求められている定量的な目標の達成度
・どのように達成したのか具体的な行動
・メンバーを管理するための方針
(教育や指導、考え方、大切にしている事)
こうしたことを具体的に書くことによって、管理能力や、管理だけではないメンバーをリードしていくための人柄を伝えることができるでしょう。
⑤活かせる経験、知識、技術
業務で使いこなせるツールやソフト、語学力やビジネススキルなどを記入します。エンジニアの方であれば、開発言語や開発環境なども明記しましょう。
⑥資格・特技など
応募する職種に関係のある資格や特技などを記載します。取得年月の古いものから順に書いていきましょう。履歴書と同様に、正式名称を書くようにしましょう。
自動車などの運転免許については、もう一度正式名称を確認し、正式名称を記入しましょう。
略称 | 正式名称 |
---|---|
大型 | 大型自動車第一種運転免許 |
中型 | 型自動車第一種運転免許 |
準中型 | 準中型自動車免許 |
普通 | 普通自動車第一種運転免許 |
大特 | 大型特殊自動車免許 |
大自二 | 大型自動二輪車免許 |
普自二 | 普通自動二輪車免許 |
小特 | 小型特殊自動車免許 |
原付 | 原動機付自転車免許 |
け引 | 牽引自動車第一種運転免許 |
大二 | 大型自動車第二種運転免許 |
中二 | 中型自動車第二種運転免許 |
普二 | 普通自動車第二種運転免許 |
大特二 | 大型特殊自動車第二種免許 |
け引二 | 牽引自動車第二種運転免許 |
⑦志望動機・自己PR
志望動機は、職歴経歴書に書く必須項目ではありません。ただし、履歴書に志望動機を記入していない場合には必ず記入しましょう。
志望動機に書く内容は以下の3つです。
- この企業に応募しようと考えた理由
- この求人やポジションに応募しようと考えた理由
- 企業やポジションに対して貢献できる理由
この内容を含めて書くと、採用担当者に納得してもらえることでしょう。
最後に、自己PRを記入しましょう。あなたの強みやこれまでの経験・スキルから、企業や社会に対してどう貢献できるのかを伝えます。
先ほど準備した「Will, Can, Must」の内容をもとに、「私はこんなことをやりたいと思っていて、今はこんなスキルがあります!」という段取りで書いていきましょう。
自己PRというと、どうしても「できること」に意識が向きがちです。
しかし、採用担当者はあなたの「やりたいこと」も知りたいと思っています。「入社後に意欲を持って働きつづけてくれるだろうか?」という点を確認したいからです。
職歴と同じように具体的に書くことを意識しましょう。
分かりやすい職務経歴書を作るコツ
ここまで、職務経歴書の具体的な書き方を解説してきました。
ここでは、全体を通して分かりやすい職務経歴書を作るために気をつけることを3つご紹介します。
①採用担当者が知りたいことを書く
②A4サイズ4枚以内に収める
③フォントやカッコの使い方に工夫を
①採用担当者が知りたいことを書く
当たり前のようではありますが、採用担当者が知りたい情報を書きましょう。
採用担当者は、職務経歴書を通して「どのような経験やスキルを持っているのか」「求める人材像に合うか」をチェックしようとします。求人票や募集要項をよく読んで、この企業がどんな人材を求めているかイメージしましょう。
②職務経歴書は採用担当のことを考えて作成しよう





監修者のワンポイントアドバイス
よく「職務経歴書は2枚まで!」ということが言われます。職務経歴書を何枚までにする決まりはありません。書きたいことがあれば、2枚に収める必要はないですが、私であれば2枚にします。 理由は、採用担当者は書類選考時、職歴書を熟読するほどの時間の余裕がないからです。複数の応募者がいた場合、3枚以上の職歴書は全部読んでもらえない可能性は高いのです。それであれば、読みやすいように伝えたいことを凝縮させ、伝わりやすい内容にした方がいいと私は考えています。
職務経歴書から転職を成功させよう
ここまで、転職活動に使う職務経歴書の具体的な書き方を解説してきました。
作成お疲れさまでした!
あとは、職務経歴書を企業に渡す(送る)作業が残っています。
採用担当者に失礼のないように渡すにはどうすれば良いか、こちらの記事で解説していますよ。要チェックです。
履歴書・職務経歴書の書き方をもっと知りたい?
履歴書をまだ書いていない方は、以下の記事も参考にしてくださいね。
また、「できあがった職務経歴書を他の人にチェックしてほしい」というときには、転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。以下の記事で詳しく解説しています。
「キャリアの海」編集部も、微力ながら応援しています。





監修者によるコメント
仕事の棚卸は小さなことでも一つ一つ洗い出し、書き出してみましょう。その一つ一つの業務をする上で、自分が意識していたこと、工夫したこと、褒められたことなど、思い出せるものは何でも丁寧に書きだしてみましょう。そうすることで、評価・実績以外でも、自分が何を考えて仕事をしていたか、自分の仕事に対するポリシーや姿勢を見つけだすことができます。また、自分の強みとは思っていなかったけれど、「転職先でも活かせるスキル」として、客観的に見つけ出すことができるようになると思います。