書類だけのせいではない!? 転職で書類選考に通らない原因と対策
転職活動を始めて、気になる企業に履歴書や職務経歴書などの書類を送り始めたあなた。
しかし、来る返事は「今回はご期待に添えない結果となりました」というメールばかり。
違うとは分かっていても、まるであなた自身を否定されているかのような気分になってしまいますよね……。
でも、安心してください。あなたの今の状況から、書類選考に通らない原因を探っていけば、あなたが取るべき対策が見えてきます。
書類選考でよく落ちるのは、実は書類のせいではないかも……?
この記事を読んでいけば、あなたも書類選考を突破できるようになること間違いなしです。
なおこの記事は、国家資格「キャリアコンサルタント」の資格を持ち、実務経験もある専門家に監修をしていただいています。
あなたが書類選考に通らない原因をチャートで診断
まずは、あなたが書類選考に落ちてしまう原因を簡易的に診断していきます。以下のチャート図を「YES」「NO」で答えながらたどってみましょう。
チャート図で原因にたどり着けましたか?書類選考に落ちてしまう原因は、以下の3つに分類できます。
①応募社数が少ない
②書類であなたの魅力が伝わっていない
③応募先があなたとマッチしていない
それぞれの原因について、以下で詳しく解説していきます。
原因①応募社数が少ない
1つ目の原因は「応募社数が少ない」ということです。
あなたの現在の応募企業数が5社以下の場合は、そもそも応募する企業が少なすぎる可能性が高いといえます。
これには、転職での書類選考通過率が関係してきます。
リクナビNEXTが転職経験者を対象に行ったアンケートによると、転職者一人あたりの平均企業数は
- 応募した企業:7.5社
- 面接した企業:3.4社
- 内定が出た企業:1.4社
……という結果になりました。
面接の前に書類選考があることを考えると、書類選考の通過率は約50%、面接から内定に至る割合は約40%、応募から内定に至る割合は約20%となります。
つまり、理論上は最低でも5社以上に応募しなければ、1社以上の内定を得ることはできない、ということなのです。
では、どうやって応募社数を増やしていけばいいのでしょうか?対策はこちらでお伝えしていきます。
原因②書類であなたの魅力が伝わっていない
2つ目の原因は「書類であなたの魅力を十分伝えきれていない」ということです。
企業の人事担当者や面接官になったつもりで、あなたが作った書類に目を通してみましょう。どんな感想が浮かびましたか?
「ちょっと読みづらいな……」とか「この人はこれまで何をしてきたんだろう……?」という感想が浮かんだなら、あなたの書類には改善できるチャンスがまだ残されています。
履歴書や職務経歴書は、どちらも自分をアピールするための書類ですが、あなたが仕事を通して得た経験や打ち立てた実績をただ書けば良い、というものではありません。
書き方や表現方法にも配慮や工夫が必要になってきます。後ほどお伝えする対策を参考にしながら、書類に磨きをかけていきましょう。
原因③応募先があなたとマッチしていない
3つ目の原因は、「応募先があなたとマッチしていない」ということです。
人間どうしに相性の良い・悪いがあるのと同じように、企業と人間との間にも「向き・不向き」が存在します。
いくら「この会社に転職したい!」という思いを強く持っていて、提出した書類も完璧だったとしても、「ウチの職種や業界・会社への適性は低いな」と人事担当者に判断されると、選考通過の可能性は低くなってしまいます。
もし仮に、あなたに向いていない企業で働くことになったとき、つらい思いをするのはあなたです。
後ほどお伝えする考え方・選び方を参考にして、あなたにマッチする企業へ応募しましょう。
ここまで、あなたが書類選考に通らない原因を3つご紹介してきました。
①応募社数が少ない
②書類であなたの魅力が伝わっていない
③応募先があなたとマッチしていない
ここからは、それぞれの原因ごとにあなたが取るべき対策を紹介していきます。
応募社数が少ないあなたが取るべき対策
まずは、応募者数が少ないために書類選考を通過できていないあなたへ、取るべき対策をご提案します。
応募数を増やす
変に心配することはありません。取るべき対策はただ一つ、応募する数を増やしましょう。
あなたは現在、どのように求人を探して応募していますか?
転職サイトを使って転職活動をしている方は、転職エージェントにも登録して求人をさがしてみましょう。
転職エージェントに登録すると、あなた専任の担当アドバイザーがあなたに合う求人を提案してくれるので、自分で求人を探す作業から解放されます。利用料金も一切かかりません。
転職エージェントをもっと知りたい方へ
もしかすると、ここで初めて「転職エージェント」という言葉を知った方もいるかもしれません。
「何だそれ?」という方、「どこに登録すればいいか分からない……」という方は、こちらの記事を要チェックです。
書類で魅力が伝わっていないあなたが取るべき対策
あなたの強みや魅力を履歴書や職務経歴書では伝えきれていない……。
そんなあなたが取るべき対策は、次の3つです。
①応募書類を自分で見直す
②応募書類を他の人に見てもらう
③書類選考のない求人へ応募する
一つずつ解説していきます。
①応募書類を自分で見直す
履歴書と職務経歴書を用意して、以下のチェックポイントを1つずつ確認していきましょう。
(ア) 誤字脱字はないか
誤字脱字はうっかりやってしまいがちなミスですが、人事担当者はしっかりと見ています。
「重要な仕事でも気づかないところでミスを犯してしまうのではないか……?」と思われてしまいます。気をつけましょう。
(イ) 送付状や封筒の書き方に不備がないか
応募書類を郵送するときには、送付状や封筒の書き方もチェックしましょう。
封筒の表面左下には「応募書類在中」と赤ペンで記入するのがマナーです。
これを忘れてしまうと、企業は応募書類が届いていることに気づかず、開封してもらえないかもしれません。
応募書類の送り方・渡し方をマスターしよう
履歴書や職務経歴書を送るときには、ついつい忘れてしまいがちな細かいマナーがたくさんあります。
以下の記事では、応募書類を郵送する場合だけでなく、直接手渡す場合・メールで送信する場合のマナーも解説しています。
あなたの知識を試すつもりでチェックしてくださいね。
(ウ) 書いてある内容は分かりやすいか
人事担当者や面接官が見たとき、志望理由や自己PRが分かりやすいものかどうかを確認します。
ポイントは具体的に書いてあるか、ということです。
以下の2つの文章A・Bは職務経歴書の一節です。2つを読み比べてみてください。
職務経歴書A
チーム全体のパフォーマンス向上のために、知識をチーム内ナレッジとして共有した。新卒社員を迎え、新人研修を進めていった結果、優秀な営業マンへ成長させた。
職務経歴書B
チーム全体のパフォーマンス向上のために、刺さった商談トーク・失敗したことをチーム内ナレッジとして共有した。20XX年度に新卒社員1名を迎え、ナレッジシェアを行いながらOJTを進めていった結果、翌年度に全社で達成率ナンバー1の営業マンへ成長させた。
どちらも書いている内容は全く同じですが、Bの文章はAよりもやったことや実績を具体的に書いているのがお分かりいただけると思います。
人事担当者は、応募書類から「この人はどんな人なのか?」「求める人物像と近いか?」ということを知りたがっています。
経験や成果をできるだけ具体的に書くことで、あなたを効果的にアピールし、人事の知りたいことを満たしてあげることができますよ。
(エ) アピールは足りているか
自分をアピールすることに気恥ずかしさを感じるのは日本人の性格かもしれません。
ですが、何度も言うように応募書類は「あなたをアピールするための舞台」です。恥は捨てて、ぐいぐいアピールしていきましょう。
20代などで社会人の経験が浅い方は、応募書類に書けるようなめぼしい実績をまだお持ちでないかもしれません。
そのような場合、職務経歴書には仕事に向き合う姿勢を書くのが効果的です。
仕事に向き合う姿勢のPR例
チーム全体の受注をアップさせるために、商談相手に響いたトークをチーム内の共有Evernoteに記録し、メンバーと毎朝の朝礼でシェアした。
ある程度経験を積んで、実績も出しているような場合には、その実績を存分にアピールしていきます。
応募する求人の「求める経験・スキル」欄をチェックして、あなたの経験とマッチする部分を話題の中心に置いて書くのがポイントです。
求人で求められていない経験やスキルをたくさん書いたところで、企業の人事担当者は興味を持ちません。
チームマネジメントスキルのPR例
チーム全体のレベルアップのため、毎週各メンバーと1 on 1ミーティングを行った。ミーティングでは、受注進捗管理・業務に対する疑問点の解消と同時に、悩みや要望を聞くメンタリングも実施した。その結果、繁忙期(12月)の単月受注数で史上最高の○件を達成することに成功した。
(オ) 証明写真はきれいに写っているか
履歴書に貼り付けたあなたの証明写真、写りは良いですか?
「メラビアン」の法則では、「人の第一印象は見た目が55%を占める」と言われています。
写りの良い写真は応募者の印象を良くする効果があります。
このご時世、写真の印象だけで書類選考に落ちることは考えにくいですが、人事担当者に良い印象を持ってもらうために、証明写真にも気を配りましょう。
特に駅前などのスピード写真機で撮影した場合、くすんだ色合いになってしまっていることがあります。多少値段は張りますが、カメラマンのいる写真屋さんに頼むのがおすすめです。
証明写真の写りを良くするには?
写りの良い証明写真を撮るには、被写体となるあなた自身が気をつけるべきこともあります。
例えば、あとから編集が効くからといって、しわくちゃのスーツで写真撮影に臨むのはご法度です。
他にも気をつけておきたいことは、以下の記事で解説しています。あわせてチェックしてください。
(カ) パソコンで作っている場合、レイアウトが崩れたり文字が切れたりしていないか
職務経歴書はもちろんのこと、履歴書をパソコンのオフィスソフト(WordやExcel)で作っている方も多いと思います。何度でも書き直せるので便利ですよね。
しかし、パソコンで書類を作る場合に気をつけたいのが、レイアウトが崩れたり、文字が切れたりしてしまっていないかのチェックです。
編集中にレイアウトが崩れてしまった場合は、キーボードの[Ctrl]キーを押しながら[Z]キーを押して、レイアウトが崩れる前の状態まで戻します。
一度で戻らなければ、何回か試してみてください。
▲印刷すると文字が切れてしまうことも……
また、パソコンで作った書類を印刷して、企業へ送付したり持参したりすることもあると思います。
特にExcelを使って作った書類を印刷する際には、セル(Excelのマス目)の幅や高さが狭すぎて文字が切れてしまうことがあります。
セルの大きさを大きめに取っておいたり文字サイズを少し小さくしたりして、文字が切れないように注意しましょう。
②応募書類を他の人に見てもらう
ここまでは、応募書類を自分でチェックすることを前提にお伝えしてきました。
より良い書類を作るなら、書類を他の人に見てもらうのもおすすめです。
家族や友人に相談してみたり、書類添削をしてくれる有料サービスを使ったりしてみるのも有効な手段です。
▲スキルシェアサービス「ココナラ」には書類添削をしてくれる方がたくさんいる
転職エージェントなら書類添削も無料
有料サービスで書類を見てもらうこともできますが、やはりある程度の費用がかかってしまうのが難点です。
その点、転職エージェントを使えば、あなた専任のアドバイザーが無料で書類を添削してくれます。
「キャリアの海」編集部がおすすめする転職エージェントは以下の記事で紹介していますので、ぜひチェックしてみてください。
③書類選考のない求人に応募する
「書類を書くのが苦手で、どうも上手くいかない……」という方は、方針転換して「書類選考のない求人へ応募する」ことも検討してみてはいかがでしょうか?
転職サイトのリクナビNEXTでは「応募者全員と面接」という条件で検索することで、書類選考のない求人をさがすことができます。
▲リクナビNEXTでは400件弱の「書類選考なし」求人がある
応募先とマッチしていないあなたが取るべき対策
最後に、応募先とあなたとがうまくマッチしていない可能性のあるあなたが取るべき対策をご提案します。
あなたの特徴と企業の求める人材とがマッチする会社を選ぶ
当たり前といえばそれまでなのですが、重要なことなので取り上げたいと思います。
あなたの強みや適性(=Can)、やりたいこと(=Will)と、企業が求めていること(=Must)の3つが重なる部分にある会社が、あなたとマッチする会社(求人)ということになります。
あなたとマッチする会社を探す第一歩は、自分自身と向き合い、あなたのCanとWillを整理して共通点を見つけることです。
それができたら、CanとWillの共通点に重なる企業を見つけていくことになります。
企業探しは転職エージェントに任せよう
Will, Can, Mustに沿ってあなたの希望や現状を整理していって、CanとWillの共通点から企業を探して……という作業をあなた1人でやろうとすると、とても大変です。
時間も手間もかかってしまいますし、現職のお仕事にも影響が出てしまいかねません。
そこで、企業を見つける作業は転職エージェントにお任せしてしまうのが得策です。
転職エージェントに登録すると、専任のコンサルタントと面談する機会があります。その場であなたのCanとWillを伝えたうえで、CanとWillを満たす求人を紹介してもらえるようにお願いしてみましょう。
「キャリアの海」編集部おすすめの転職エージェントは以下の記事で紹介しています。まだ登録していない方は、この機会に登録しておくとよいでしょう。
書類選考突破の秘訣は転職エージェントにあり
ここまで、あなたが書類選考に通らない原因と対処方法をご紹介してきました。
書類選考を通過するには、履歴書や職務経歴書に磨きをかけるのはもちろんのこと、応募社数を増やしてみたり、あなたにマッチする会社に応募したりすることも大切です。
こうした対策をまとめて、しかも無料でできるのが転職エージェントです。
今回は書類選考をメインにお話ししてきましたが、書類選考のあとに待ち構えている面接の対策も、転職エージェントと二人三脚で進めていくことができるのです。
その意味で、「転職に成功したいなら転職エージェントを使わない手はない」といえます。
書類選考に通らないとお悩みの方こそ、ぜひ転職エージェントを使ってみてください。
あなたの書類選考通過と転職成功を、編集部一同応援しております!



監修者によるコメント
採用担当者は、複数の応募書類を10分程度の短時間で確認していきます。そのため、応募書類は短時間で目を引くことも大事です。業務実績は数値で示し、社内表彰などの目につきやすいアピールポイントがあれば積極的に記載しましょう。応募書類を作成して、翌日にもう一度書類を見てみると、書類の悪いところにも気がつくことができますよ。