転職・退職の伝え方をマスターして円満退社しよう【例文あり】
転職が決まって、あとは現職を辞めるだけ。
「転職のこと、誰にどうやって伝えればいいか分からない……」
「そもそも、現職を円満に退社できるだろうか……?」
今回は、あなたのそんな疑問を解決していきます。
この記事では、現職の会社での転職(退職)意思の伝え方を
「アポイントを取る」
「準備する」
「実際に伝える」
の3ステップに分けて徹底解説。今すぐ使える言い方の例文もあります。
さらに、転職の意思を伝えたあと、退職するまでの間にやっておくべきこともご紹介。
円満に退社したいなら、最後までしっかりチェックしてください。
なおこの記事は、国家資格「キャリアコンサルタント」の資格を持ち、実務経験もある専門家に監修をしていただいています。
CHECK
この記事は、転職先がすでに決まっている方に向けて書いています。
転職先が決まらない状況のまま「とりあえず現職を辞める」というのは絶対に避けましょう。
あなたのキャリアに傷がついてしまいますよ。
まだ転職先が決まっていない方には、転職エージェントを使った短期集中の転職活動がおすすめです。
1. 直属の上司とアポイントを取り付ける
まずは、退職を伝える「場」をセッティングします。
社内で誰よりも先に退職を伝えるべきは、あなたの直属の上司です。
現職の会社のやり方にもよりますが、直属の上司のスケジュールを確認して、忙しくなさそうな時間帯にミーティングの予定を入れておくのが良いでしょう。
いきなり人事の方に伝えたり、直属の上司のさらに上司に伝えたりするのはタブー。お世話になった直属の上司のメンツを潰すことになってしまいますよ……。
退職希望日は繁忙期を避けて
転職先企業との交渉にもよりますが、退職の希望日は現職の繁忙期を避けるのが良いでしょう。
現職の会社はただでさえあなたが退職することで痛手を負うのです。その傷をさらに深くしてしまうことのないように気をつけましょう。
少なくとも退職の1ヶ月半前に伝える
退職を伝える場は、退職を希望する日の少なくとも1ヶ月半(45日)前までにセッティングします。
法律上は、退職の意思を伝えてから2週間で退職することができるようになっています。
しかし、2週間でさまざまな手続きをして、通常業務に加えて業務の引き継ぎもやって……となると、あなたも周囲もかなり忙しくなりますし、引き継ぎ業務が終わらないという事態も引き起こしてしまいます。
あなたも会社も余裕を持って退職当日を迎えられるように、最低でも1ヶ月半前には退職の意思を伝えられるようにしましょう。
転職代行サービスは「最後の手段」
近年、現職の会社に退職意思を伝えるのをあなたの代わりにやってくれる「退職代行サービス」が登場してきています。実際に退職代行を利用して退職した、という方もいらっしゃるようです。
こうしたサービスは、
「今の会社はブラック企業で、一刻も早く辞めたい!」
「現職の上司に退職を聞き入れてもらえない!」
という場合の最終手段として使うに留めましょう。
円満に退社できる余地があるなら、自分から退職を切り出すことがあなた自身の信頼につながるのです。
2. 退職を伝える準備をする
上司のアポイントが取れたら、転職を伝える場でどのようなことを話すか準備します。
ちょっと面倒かもしれませんが、自信を持って上司に退職を伝えるには、この過程が欠かせません。
5分でもいいので時間を取って準備しましょう。
退職理由に「会社都合」はNG
上司に退職を伝えると、ほとんどの場合「なぜ退職するのか」という理由を尋ねられます。
このときに、仮にそう思っていたとしても「給料が少ないから」とか「この部署の雰囲気がイヤ」といった会社都合の理由を話すのは良くありません。ポジティブな個人都合の理由を準備しましょう。
というのは、もし会社への不満が退職理由なら、上司は「会社の不満点を改善することで引き止めることができる」と考えるから。社員が辞めるのは会社にとって損失になるので、退職を阻止しようとしてきます。
こういった上司の「追撃」から逃げ切るためには、個人的で前向きな理由を話すのが最も有効なのです。
退職願などの書類はこの時点では不要
退職願(届)や辞表は、上司に退職を伝えて話が進んでから提出するのが基本です。今の時点で、こういった書類を作る必要はありません。
3. 退職意思を伝える
退職理由がまとまったら、いざ上司を前にして、退職の意思を伝えます。
緊張するかもしれませんが、この記事を読んでしっかり準備してきたので大丈夫。落ち着いて、退職する意思をはっきり伝えましょう。
「ご相談」ではなく「お話」と切り出す
上司に話を切り出すとき、「ご相談があります」と言うのは避けましょう。
なぜなら、「相談」と言ってしまうと、上司に「これは相談だから、引き止める余地がある」と捉えられてしまう可能性があるためです。
退職する決意が固まっているなら、「お話があります」と切り出した方が良いでしょう。
転職意思の伝え方例
上司に転職の意思を伝える言い方の例を紹介します。
あなたなりに言い回しを工夫して、参考にしてみてください。
退職を切り出す
お時間をいただき、ありがとうございます。
本日は、今後のことについてお話をさせていただければと思いまして……。
結論から申し上げますと、9月いっぱいを目安に退職させていただければと考えております。
退職理由を話す
〇〇さん[上司の名前]のおかげで、私自身、職場では何不自由なくお仕事をさせていただいています。ありがとうございます。
20代終盤のこのタイミングで改めて自分の将来を考えてみたところ、今こそ、子供の頃からの夢である××に挑戦できる最後のチャンスなのではないか……との想いが強くなってきました。
感謝の気持ちを伝える
〇〇さんにはこれまで面倒を見ていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。
身勝手なことは承知のうえですが、9月末で退職させていただければと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
退職を引き止められても動じないこと
退職の意思を伝えると、直属の上司からは転職を考え直すよう引き止められることが多いです。しかし、「転職するんだ」という決意があるなら、上司に対して迷いを見せてはいけません。
引き止めてくれるということは、それだけあなたの存在が大切ということです。引き止めてくれたことに感謝しつつ、あなたの揺らがない決意を伝えましょう。
転職先の企業名を言う必要はない
退職を伝える際に、転職先企業の名前を聞かれることがあります。
「キャリアの海」編集部の転職経験者も、上司に退職を伝えたときに転職先を聞かれた経験があったと答えています。
しかし、退職願などの書類が受理されるまで転職先は言わないでおきましょう。
上司が転職先を聞いてくるのは、転職先をダシにしてあなたを引き止めるためであることがあります。
「その会社よりウチのほうが絶対安定している」
「ウチの会社ならもっと良い給料出せるのになぁ」
このようなことを言って、必死にあなたの退職を阻止しようとするのです。
しかし、法的にも常識的にも、あなたが転職先を答える義務はありません。
もし転職先を尋ねられた際には「○○業界です」と業界だけ伝えておけばOKです。
退職日が決まるまでは上司以外には話さない
退職に関して、退職日が決まるまでは直属の上司以外に話さないようにしましょう。
この段階で退職が100%決まっているわけではありません。社内に不必要な動揺が広がったり、業務に支障が出たりする可能性があります。
同僚や部下などに伝えるのは、引き継ぎなどが進んできてからにしましょう。
4. 円満退社のためにすべきこと
ここまで、あなたの直属の上司への退職意思の伝え方を解説しました。
記事でご紹介してきた通りに進めていけば、上司と円満な関係を保ったまま退職に進んでいくことができるはずです。
記事の最後では、退職意思を伝えた後から退職するまでにするべき、円満に退職するための行動を3つご紹介します。
後継者への引き継ぎをする
退職前に取り組むべきいちばんの大仕事は引き継ぎです。
あなたが関わっていた業務について、あなたの退職後も滞りなく仕事が進むように、何が必要か?どんなことを引き継げば良いか?を考えて行動しましょう。
周りのメンバーに「何か、退職までにやってほしいことある?」と聞いてみるのも一つの手です。
直属の上司以外にも退職を報告する
退職日が決まったら、直属の上司以外にも退職を報告しはじめて良いでしょう。
これまでお世話になった職場の方には、直接会ってお菓子を配りつつ、退職の報告をしてみましょう。
あなたの部署やチームの会議があれば、時間を取ってもらって退職を報告するのも良いでしょう。
退職日が近くなったら、メーリングリストなどの一斉メールで全社に退職を報告しましょう。
今まで以上に気を引き締める
新しい職場が決まると、そちらへの期待感から現職のモチベーションが下がってしまい、仕事のパフォーマンスが悪くなってしまうことがあります。
退職まであと少しという時期は、「あいつはもう辞めるから」という目で見られがち。だからこそ、これまで以上に仕事に貪欲に取り組むべきです。
これまでとは違って、現職のゴール地点(=退職日)ははっきりしています。そこに全速力で突っ走り、ゴールを突き抜けるくらいの心意気があると、「あいつは最後までスゴいやつだった」という評価を手にすることができるでしょう。
この記事では、
をご紹介してきました。
記事を読んだあなたが、円満に退社できるようお祈りしております。