ハローワークは転職エージェントと併用すべし。その理由と両者の違いを比較
この記事にたどり着いたあなたは、
「ハローワークと転職エージェント、どちらも無料で使えるらしいけど、どちらを使えば良いのかな?」
という疑問をお持ちではないかと思います。
結論から言うと、ハローワークと転職エージェントは併用するのがおすすめです。
この記事では、2つのサービスの特徴や裏事情を比較しながら、ハローワークと転職エージェントを併用すべき理由をお伝えしていきます。
性質の違う2つのサービスをうまく活用して、あなたの転職を有意義なものにしてください。




監修者によるコメント
ハローワークと転職エージェントは、それぞれに特徴があります。
どちらか一方だけではなく、併用した方が転職活動を効率的に進めることができるでしょう。
自身の現在の状況や転職に求める希望内容などを考慮しながら、どちらをメインにして転職活動を進めればいいのかをよく考える必要があります。
迷ったときには、「キャリアの海」の情報を有効に活用して、自身の転職活動方針を改めて決めるようにしましょう。
ハローワークと転職エージェント5つの違いを比較
ハローワークと転職エージェント、どちらを使うべきか?
その答えを出す前に、それぞれのサービスの違いを比較してみます。
全体像をつかんでおきたい方のために、表でまとめると下のようになります。
ハローワーク | 転職エージェント | |
---|---|---|
求人の主な探し方 | 自分で検索する | キャリアアドバイザーに紹介してもらう |
求人数 | 約110万件 | 約30万件 |
掲載企業の傾向 | 地元の中小企業が多い | 中小~大手企業 |
企業に関する情報の多さ | 求人票の情報 | 求人票の情報 画像や動画 キャリアアドバイザーからの情報 |
転職サポート | 相談 求人紹介 書類添削 面接対策 セミナー 面接会 職業訓練紹介 | 相談 求人紹介 書類添削 面接対策 セミナー |
それぞれの項目ごとに、詳しく解説していきます。
求人の主な探し方
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
自分で検索する | キャリアアドバイザーに紹介してもらう |
ハローワークは各拠点にある検索用パソコンや「ハローワークインターネットサービス」から、条件を設定して自分で探すことになります。
ハローワークに希望条件などを登録しただけでは、求人は自動的には紹介されません。
一方、転職エージェントの場合は、求人を自分で探すことができるエージェントもありますが、基本的には専属のキャリアアドバイザー(転職サポートの担当者)と面談をして、求人を紹介してもらうことが一般的です。
求人数
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
約110万件 | 約30万件 (リクルートエージェント) |
ハローワークと転職エージェントを比較して求人の数に差がある理由は、求人を載せている企業側の目線に立ってみるとよく分かります。
ハローワークは国が運営する機関で非営利です。
そのため、企業はハローワークに無料で求人を出せるようになっています。
無料で出せるなら……と多くの企業が求人を出すので、これだけの件数が集まるというわけです。
一方で、転職エージェントは民間企業が運営する転職支援サービスです。
エージェントの運営会社は儲けを出せないと潰れてしまうので、求人を出す企業からお金をもらう仕組みになっています。
求人を出すのは社員の採用にある程度お金をかけられる会社だけに絞られるので、転職エージェントの求人数はハローワークよりも少なくなっています。
掲載企業の傾向
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
地元の中小企業が多い | 中小~大手企業 |
ハローワークは、地元企業の求人がたくさん見つけられるようになっています。
これは、職業安定法という法律で「求職者に対して可能な限り今の場所から引っ越ししなくて済む求人を紹介するように努めること」という取り決めがあるからです。
ハローワークは全国に544の拠点があって、日本全国の地元企業の求人を扱っています。
また、「求人数」の項目で触れたように、ハローワークには無料で求人を出せるようになっているので、採用にかけるお金に余裕のない中小企業の求人が多くなっています。
逆に、転職エージェントは求人を掲載するのに費用がかかります。
人材採用に比較的お金を使うことができる中小企業から、誰でも知っている超大手企業まで、さまざまな企業の求人があります。
ハローワークの求人は質が悪い?
ハローワークで見つけた求人の内容が、実際に面接を受けてみたら違っていた……という例が少なからずあります。
こうした相談は厚生労働省の「ハローワーク求人ホットライン」に寄せられていて、その件数は6,811件(2018年4月~2019年3月)となっています。
(出典:厚生労働省ホームページ)
相談件数は年々減ってきていますが、こうした状況は依然としてあることから、求人の質は必ずしも良いとは言えないようです。
企業に関する情報の多さ
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
求人票の情報 画像情報 | 求人票の情報 画像情報 キャリアアドバイザーからの情報 |
労働条件や業務内容などが書かれた「求人票」があるのはどちらも同じですが、情報の量や質には両者で違いがあります。
転職エージェントの求人票には、その企業の直近の売上・利益の状況や「アドバイザーのおすすめポイント」が記載されており、求人に応募するかどうかを判断しやすいようになっています。
また、面接を受ける企業に関しては、過去この企業の面接で聞かれた質問の例を教えてもらえることもあります。
転職サポート
ハローワーク | 転職エージェント |
---|---|
相談 求人紹介 書類添削 面接対策 セミナー 面接会 職業訓練紹介 | 相談 求人紹介 書類添削 面接対策 セミナー |
最後に、ハローワークと転職エージェントの転職サポートを比較してみます。
やってもらえるサポート内容はかなり似ています。
ハローワークにも転職エージェントにも、転職の初心者に向けた基礎固めのセミナーがあります。
どちらも無料で参加できるので、転職活動のスタート時に参加するのがおすすめです。
ハローワークの特徴は、「職業訓練(ハロートレーニング)」の紹介をしてもらえるところです。
職業訓練は「離職しているが、スキルアップして未経験の職種にチャレンジしたい」という方のために、パソコンスキルから営業スキル・国家資格取得まで、さまざまな分野の知識やスキルを身につけることができる制度です。
無料(またはテキスト代のみ)で学ぶことができるようになっています。
あなたの状況によって受講できるコースが変わってきますので、興味がある方はハローワークの相談窓口に一度相談してみましょう。
また、ハローワークでは、地元地域にある企業が数社集まって合同面接会を随時開催しています。
最寄りのハローワークのホームページをこまめにチェックしたり、ハローワークのポスターなどを確認したりしておきましょう。
ハローワークは転職エージェントとの併用がおすすめ
ここまで、ハローワークと転職エージェント、2つのサービスの違いを比較してきました。
冒頭でもお伝えしたように、「キャリアの海」ではハローワークと転職エージェントを併用して、どちらかをメインに置きながら転職活動を進めることを推奨しています。
そもそも、ハローワークだけで転職活動を進めるのはおすすめしません。
先ほどの比較でお伝えしてきたように、ハローワークは自分から求人を探しにいく必要があります。
メールなどでおすすめ求人を配信してくれるわけでもないため、転職活動に時間がかかってしまい、非効率になってしまいます。
ただ、転職エージェントは民間企業の営利事業です。
良くも悪くも「転職させたい」という商売っ気があるのは否めません。
転職エージェントは、登録した人が転職先と雇用契約を結ぶことで、転職先の企業からお金をもらえる仕組みになっています。
ですので、志望度の高くない企業でも、内定承諾を急かされてしまう……といったことも考えられます。
そこで、
- セミナーに参加する場
- 転職全般の相談にのってもらう場
としてハローワークを使いつつ、
- 具体的な求人案件の紹介
- 求人への応募・面接対策
は転職エージェントを通して行う、という方法をおすすめしています。
以下では、場合に応じてハローワークと転職エージェントのどちらに重きを置いて使っていくべきか紹介しています。
あなたの現状や転職への希望と照らし合わせながらチェックしてください。
転職エージェントをメインに使うべき人
これから紹介する内容に該当しそうな方は、ハローワークよりも転職エージェントをメインに転職活動を進めるのが良いでしょう。
忙しい人
ハローワークは求人を自分から探しにいかなければなりません。
応募の際にはハローワークに出向く必要がありますが、開いている時間は17時まで(曜日によっては19時まで)、土曜・日曜は原則開いていない……と、仕事詰めの方にはキツいものがありますよね。
そこで、時間に余裕のない方は転職エージェントをメインで使うべきと言えます。
転職エージェントであれば、電話での面談をお願いすることも可能ですし、求人応募もメールやスマホアプリで完結します。
スキマ時間を有効活用できるので、時間に余裕のない方などにはおすすめです。
電話面談で転職できた体験談
電話での面談よりも「直接会って面談してもらうほうが良いのでは…?」と思っている方もいるかもしれません。
大丈夫です、ご安心ください。電話面談から転職成功した人もいます。
ただし、電話面談にはちょっとしたコツがあるので、以下の記事でチェックしてみてください。
- 転職エージェントとの面談は「電話面談のみ」でもいい3つの理由
電話面談からわずか1ヶ月で転職に成功した筆者が、そのコツを特別に伝授
自分に合った求人を紹介してほしい人
転職エージェントは、登録すると原則として面談(対面・電話)をしてくれることになっています。
登録するときに入力した情報や面談での話をもとに、あなたに合った求人を紹介してくれます。
ハローワークよりもマッチング精度の高い求人にめぐり会いたい方は、転職エージェントをメインに転職活動を進めるとようでしょう。
転職のプロにサポートしてもらいたい人
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、これまで多くの転職に携わってきています。
また、転職エージェントは会社と同じで、お金を稼げないと潰れてしまいます。
志望する分野や職種がはっきりしているなら、転職エージェントは転職に成功する(=売上を出す)ために躍起になってサポートしてくれるはずです。
地元で働きたい人はハローワークをメインで使う
ちなみに、転職エージェントとの比較でもお伝えしてきたように、ハローワークはその地元地域の求人を多く揃えています。
地元で働きたい方や、できる限り引っ越しをしたくない方は、ハローワークでの転職活動をメインにすると良いでしょう。
ハローワークとの併用におすすめの転職エージェント3選
最後に、「キャリアの海」がおすすめする転職エージェントをご紹介します。
ハローワーク通いの前後に、サクッと登録を済ませておきましょう。
【おすすめNo.1】マイナビエージェント
こんな人におすすめ!
・20代に最も信頼される転職エージェントにサポートを依頼したい人
マイナビエージェントは、登録者全体の約6割が25歳~35歳の若手社会人であり、20代が最も信頼する転職エージェントです。
求人数はリクルートエージェントほど多くはありません。
しかし、同世代から信頼される転職エージェントを使いたい人にとってはぜひ登録しておきたいですね。
【おすすめNo.2】dodaエージェントサービス
こんな人におすすめ!
・便利なツールで、賢く転職活動を進めたい人
・スピード転職を狙いたい人
dodaエージェントサービスは、「年収査定」「レジュメビルダー」など、いくつもの便利なツールを展開している転職エージェントです。
便利なツールを駆使して、賢く転職活動を進めたい人や、スピード転職を実現したい人にはおすすめの転職エージェントです。(編集部メンバーも1ヶ月で転職に成功しました!)
【おすすめNo.3】type転職エージェント
こんな人におすすめ!
・関東圏に集中して転職活動を進めたい人
・IT/エンジニアで転職を狙いたい人
type転職エージェントは、一都三県に特化した転職エージェントです。
関東圏に集中して転職活動を進めたい人はもちろん、IT/エンジニア系に強いので、そこを中心に転職活動を進める人にもおすすめですよ。