【元エージェントが明かす】本当の転職エージェントのメリット/デメリット
転職エージェントを使いたいけど、イヤな噂も聞くし……と利用に踏み切れない人は少なくありません。
そこで今回は、実際に転職エージェントで働いていた私の経験をもとに、転職エージェントを利用するメリット・デメリットを赤裸々に紹介します。
転職エージェントを使うべき人の特徴もお伝えしているので、参考にしてみてください。
転職エージェンを利用する6つのメリット
転職エージェントを利用するメリットは6つあります。
- コンサルタントにキャリア相談ができる
- 非公開求人に応募できる
- 応募企業との調整を代行してくれる
- 選考通過率を高められる
- ホワイト企業の紹介が多い
- 無料で利用できる
それぞれ説明します。
メリット①コンサルタントにキャリア相談ができる
転職エージェントを利用するメリットのひとつが、キャリア相談ができることです。
転職の話は、同じ会社の人にはなかなか相談できませんよね。そんなとき、転職エージェントの担当者であれば、キャリアについて気軽に相談にできます。
相談に乗ってくれる担当者は、相談者と同じ業界を経験してきたり、同じ職種を経験したりしていることがほとんど。
悩みやキャリアプランについて「同じ目線」で理解してくれるのも、相談者としては安心できる点です。
メリット②非公開求人に応募できる
非公開求人に応募できることも、転職エージェントを利用するメリットです。
「非公開求人」とは、その転職エージェントに登録しないと見られない求人のこと。
企業の極秘ポジションや、今後注力していく事業の営業社員の募集といった求人です。
企業の人員戦略をライバル会社に知られるのを防ぐため、一般的に「非公開」という形がとられます。
転職サイトであれば、誰でも求人を見ることができます。
そのため応募数が増えて、採用倍率が上がる傾向もあります。
一方で、非公開求人はその転職エージェントに登録している人しか見ることができません。
そのため、転職サイト経由の応募と比べると採用倍率が低くなる傾向があります。
つまり、「選考に通過しやすい」といったメリットがあるのです。
メリット③応募企業とのさまざまな調整を代行してくれる
3つ目のメリットは、応募企業との調整を代行してくれることです。
転職エージェントは、企業への応募書類の提出や、面接の日程調整、また給与交渉といった面倒くさいことも、全て転職者の代わりにおこなってくれます。
多くの場合、転職活動は働きながらおこなうものです。
さらに、多い人では10社近くの企業の面接を並行して受けることもあります。
仕事をしながら、企業との調整を1人でおこなうのはかなり大変ですよね。
そこで、転職エージェントの出番です。調整を代わりにおこなってくれるので、働きながら転職活動をする人の強い味方になってくれることでしょう。
忙しい社会人には、やはり調整代行はありがたいようです。
社会人は転職エージェント使うべし。面談してくれるから、疑問点聞けるし、メールでなんでも頼れる。日程調整もやってくれるし、過去のに出た質問とかも教えてくれる。
その企業が求めてる人材もわかる。一次面接でスキルがわかったから、次の選考は、意欲と志望動機詰めとけ!とか教えてくれる。— しがない転職者 (@After_story) November 8, 2019
自分今回は転職エージェント使ったけど、割りと空いた時間で向こうが日程とか調整してくれるから楽だよ。同業種だと原信は結構休みとかとれて待遇良さそう(に見える)
ウオロクはマルイとほぼ同じっぽい。— 無炭酸ぺぷし (@pepushi1004) November 21, 2019
メリット④選考通過確率を高められる
選考に通過する確率を高められるのも、転職エージェントを使うメリットのひとつです。
履歴書や職務経歴書のアドバイスはもちろん、なかには模擬面接をおこなってくれる転職エージェントもあります。
私が職務経歴書を添削した方のなかには、書類通過率が20%近く上がった方もいました。
また面接に落ちてしまっても、「なぜ落ちてしまったのか」といった不採用理由を転職エージェントの担当者が企業に聞いてくれる場合もあります。
面接のフィードバックを次の面接に活かすことができるので、面接の通過確率をアップさせることにつながります。
メリット⑤ホワイト企業の紹介がほとんど
意外と知られていないことですが、転職エージェントが紹介する企業は「ホワイト企業」がほとんどです。
私は転職エージェントで企業側の担当をしていましたが、新規で求人をいただく企業は「条件」をクリアした企業のみでした。
「条件」とは、過度な借入金がないか、離職率は高くないかといったことです。
「ブラック企業」を転職者に紹介してしまうと、転職エージェント自体の評判に傷がつきます。
そのため、厳しい審査にクリアした企業の求人のみが紹介されるようになっているのです。
メリット⑥無料で利用できる
最後のメリットは、これまで説明してきたことを全て無料で利用できるということです。
キャリア相談や企業との調整、書類添削や面接対策も無料です。
転職エージェントは、企業に1人入社させると、その人の年収の約30%を企業からもらう収益システムをとっています。
そのため、あなたからお金を取ることはありません。
内定がもらえなくても、途中で転職活動をやめたとしても、転職エージェントからお金が請求されることもありません。
そのため、転職のプロにキャリアの相談をしたい、書類のアドバイスをほしい、といった利用もOKです。
本日、タイミングよく転職エージェントの方とお会いしてきました!
利用は無料ですし、自分ひとりじゃ拡げられないことも、エージェント・スカウトの方を通すことで可能になるなという印象です。
色々な景色を見ることで、自分がどうするべきか答えが出てくるのかも…と感じています😊
— ヒロ*整備士ブロガー* (@na6ce55hiroshi) December 10, 2019
転職エージェントを利用する5つのデメリット
転職エージェントには、メリットもあれば、当然デメリットもあるものです。
ここからは、転職エージェントを利用するデメリットを5つ紹介します。
- 応募できる企業が限られることがある
- 無理やり応募や内定承諾を迫られることもある
- 担当者によってスキルに差がある
- 担当者との調整が面倒くさい
- 地方だと企業紹介が少ない
それぞれ説明します。
デメリット①応募できる企業が限られる場合がある
転職エージェントを利用するデメリットの一つ目が、応募できる企業が限られる場合があるということです。
応募したいと言っても、転職エージェントの担当者から「応募できません」と言われる場合があります。
転職エージェントは、我々求職者からすれば「求人を紹介してくれるところ」という印象が強いですが、企業側からみると「自社の人材採用を代わりにやってくれる」という大きな役割があります。
そのため、転職エージェントから企業に送る応募書類は、ある程度スクリーニングにかけたものでなくてはいけません。
それゆえに、企業の求める人材像にあまりにも合わない転職者からの応募は、転職エージェントから企業側に送られない場合があります。
一方で、転職サイトからの応募であれば、どんな人であれ企業まで応募書類は届きます。
応募基準に満たない人でも、何か企業の目に留まるものがあれば採用される可能性はゼロではありません。
その点、転職エージェント経由で応募すると、そもそも企業に書類が届かない可能性もある、ということです。
採用の可能性を狭めるという意味で、転職者にとってはデメリットになるかもしれません。
デメリット②無理やり応募や内定承諾を迫られることもある
転職エージェントの担当者のなかには、数は決して多くないのですが、無理やり応募を迫ったり、何かと理由をつけて内定を承諾するように転職者を強く説得したりする人もいます。
なぜ、このようなことが起こってしまうのでしょうか?
転職エージェントの担当者には、ノルマがあります。
「今月は何人内定させる」といったことが決められているので、担当者によっては自分のノルマのために転職者を無理やり転職させてしまうことがあります。
私が転職エージェントで勤めていたときは、このような「悪質な担当者」はひとりもいませんでした。
ただ、ひとつのデメリットとして、こうした担当者がいる可能性があることは知っておきましょう。
転職エージェント利用したら意味不明なプラントエンジニア(派遣)の仕事勝手に応募されたし断ったわ。
— なれのはて (@narenohate_net) December 15, 2019
デメリット③担当者によってスキルに差がある
転職エージェントを利用するデメリットの3つ目は、担当者によってスキルに差があることです。
自分と合わない担当者に当たってしまった場合は、むしろ転職活動が非効率になる可能性があることは覚えておきましょう。
せっかくなら、転職市場に精通した担当者に相談したいですよね。
しかし、あなたの担当につくのが「入社半年のアドバイザー」といったことは珍しくありません。
人材業界は、離職率が高い業界です。そのため中途採用を常に募集していることもあり、未経験の転職アドバイザーはかなり存在します。
まだまだ初心者のため、勧めてくる求人が転職者の希望通りでないこともあるかもしれません。
ちなみに、このようなことを説明すると「ベテラン社員を指名してお願いしよう」と思うかもしれませんが、一概にベテラン社員だけをおすすめすることもできません。
多くの転職者を見てきている分、「この会社は行けるけど、この会社はムリですね」と、あなたの職歴や経験に見合った会社しか紹介されないことがあるからです。
デメリット④担当者との調整が面倒くさい
前述した通り、企業との調整を転職エージェントが代行してくれるのは大きなメリットです。
一方で、担当者との調整や連絡が煩雑になると、デメリットに感じられるかもしれません。
特に、複数社の面接が同時に進んでいる場合は、転職エージェント側も企業との面接日程調整に必死なため、繰り返し転職者に連絡を取ることがあります。
「A社から面接の希望日程をくださいと言われています」「明日までに希望給与を教えてください」といったことが、転職エージェントの担当者から毎日のように届くようなイメージです。
転職者としては、少し悩みたいときでも「すぐに返答をください」と言われてしまうと、冷静な判断ができない場合もあります。
デメリット⑤地方だと企業紹介が少ない
地方で転職している人は、転職エージェントに登録しても企業の紹介が少ないことがあります。
企業としては、転職エージェントを利用するのはかなりお金がかかることです。
そのため地方の中小企業などは、転職エージェントを利用することができないこともあります。
そのため、必然的に転職エージェントからの求人が少なくなります。
ハロワに行くなってのはマジでそうなんだけど地方は民間の転職サイト・転職エージェントが使えないので分かっててもハロワに頼る以外ないんだよね
— 🧡ももくり☮️ (@momomo_kurikuri) December 7, 2019
地方だと、まだまだハローワークが転職の主流です。
地方での転職を考えている方は、「ハローワークの使い方」の記事もあわせてチェックしてみてください。
転職エージェントは「企業の味方」であることを理解する
私は、転職エージェントで毎日のように転職相談を受けていましたが、ひとつ言えるのが「転職エージェントは “企業の味方”」ということです。
残念なことに「転職者の味方」ではありません。
「企業の味方」とは?
転職エージェントは、企業からお金をもらうことで成り立っています。そのため、本来のお客様は求人を出している企業です。
転職エージェントは「企業の求人応募者を集める手伝い」を代わりにやっているに過ぎません。
基本的に、転職エージェントは求人をいただく企業(クライアント)を見て仕事をしています。
求人をもらえないと、そもそも転職者を入社させることができず、売上が立たないからです。
「転職者が応募できない企業がある」ことも、「面接日程の調整を転職者が急かされる」ことも、すべてクライアントからの評判を下げないようにするためなのです。
転職者からするとデメリットに感じられることがあるかもしれません。
しかし、転職エージェントの業界構造として仕方ない部分であるのも事実です。
上記を踏まえ、転職エージェントはあくまで転職活動を効率化させるために使う、と割り切ることも転職者に必要な考え方といえるでしょう。
転職エージェントはうざい!?よくある質問2つ
ネットなどでは、「転職エージェントがうざい」といった言及を見かけますよね。
私自身、転職エージェントの実態について友人から質問されたことがあるので、以下の2つに答えます。
- 転職エージェントの担当者は、勝手に応募することがあるのか?
- 担当者が合わない場合は、どうしたらいい?
転職エージェントの担当者は、勝手に応募することがあるのか?
転職者の許諾なしに、担当者が勝手に企業に応募することはありません。
転職エージェントは、カタチのないものを売っているサービス業です。
サービス業でもっとも大切なのが、顧客の信頼を落とさないこと。
もし勝手に応募してしまうと、転職者からの信頼はガタ落ちします。
さらに、大切なお客様であるクライアント企業の信頼も落としてしまいます。
そのため、転職エージェントが勝手に応募することはない、と思って間違いありません。
担当者が合わない場合は、どうしたらいい?
相談窓口などから「変更したい」と伝えましょう。
実際に担当変更を申し出る人は一定数存在します。
人と人の世界のため、合わない担当者に当たってしまうことはどうしても起こります。
合わない担当者と転職活動を進めるのはムダなストレスを感じる要因にもなります。
もし合わない場合は、気軽に担当変更をお願いしてみてください。
これに当てはまる人は転職エージェントを使おう。3つの特徴を紹介
これまで紹介してきたメリット・デメリットを踏まえて、「転職エージェントを使ったほうがいい」と私が思う人の特徴を紹介します。
- はじめて転職を考えている人
- 仕事が忙しい人
- 自分の客観的な市場価値を知りたい人
それぞれ説明します。
1. はじめて転職を考えている人
はじめて転職しようと考えている人は、転職エージェントを利用しましょう。
転職を2回3回している人であれば、転職活動のおおよその流れは理解できています。
一方で、はじめて転職する人は、流れを知らないことから、1人で転職活動をすると非効率なことは間違いありません。
また、履歴書の添削をしてもらえたり、面接練習をしてくれたりするのは、転職初心者にはありがたいサービスです。
転職エージェントは、うまく使えば心強い味方になります。
「どんなものか試してみよう」といった軽い気持ちでも良いので、まずは面談に足を運んでみることをおすすめします。
2. 仕事が忙しい人
現職が忙しい人も、転職エージェントを使うべきです。
担当者によっては「応募しましょう」「面接の希望日を早く送ってください」と、面倒くさいコミュニケーションが発生するかもしれません。
しかし、それ以上に「企業との面接日程調整」や「給与交渉」を代理でおこなってくれるのは、とくに仕事が忙しい人にはかなり助かるサポートといえるでしょう。
3. 自分の客観的な市場価値を知りたい人
「すぐに転職させようとするイメージ」があって、転職エージェントを気軽に使えないと思う人は少なくありません。
しかし、ふらっとキャリア相談がしたいといった使い方でも全く問題ありません。
転職エージェントの担当者は、日ごろから担当する業界や業種の知識収集に努めています。
多くの転職者に会ってきていることからも、転職者の「市場価値」については、誰よりも客観的で正確なアドバイスをくれるでしょう。
会社のなかにいると、「自分が外の世界に通用するのかな?」といったことは分かりませんよね。
「これからどんなスキルをつけていけば、キャリアアップができるだろう?」といった疑問もあるはずです。
こうしたときに転職エージェントと面談をすることで、新たな気づきが得られることは多いものです。
転職エージェントを利用するのは少し敷居が高く感じてしまいがちですが、ふらっとキャリア相談する、といった感覚で使っても大丈夫ですよ。
転職エージェントはメリット&デメリットを踏まえて正しく使おう
転職エージェントは無料でさまざまなサービスが受けられるといったメリットがある一方、人によってはデメリットに感じることがあるのもたしかです。
しかしどんなサービスにも、メリットもあればデメリットもあります。大切なのは、デメリットをいかに許容しつつ、メリットに目を向けられるかです。とくに、時間がなかったり、転職活動に不安があったりする人は、転職エージェントを真っ先に使うべき人といえます。
今回お伝えしたメリット・デメリットを踏まえ、転職エージェントをうまく使って、効率的に転職活動を進めましょう。
最後に、「キャリアの海」おすすめの転職エージェントをご紹介します。この記事で学んだメリット・デメリットを思い返しながら、有効活用してみてください。
おすすめ①リクルートエージェント
こんな人におすすめ
・業界トップの求人数から転職先を選びたい人
リクルートエージェントは、転職エージェントの最大手として知られています。
保有する求人数は約320,000件(2019年12月時点)で業界トップ。
たくさんの選択肢から、求人を選びたい人はまずこちらから登録するのがおすすめですよ。
おすすめ②マイナビエージェント
こんな人におすすめ
・20代に最も信頼される転職エージェントにサポートを依頼したい人
マイナビエージェントは、登録者全体の約6割が25歳~35歳の若手社会人であり、20代が最も信頼する転職エージェントです。
求人数はリクルートエージェントほど多くはありません。
しかし、同世代から信頼される転職エージェントを使いたい人にとってはぜひ登録しておきたいですね。
おすすめ③dodaエージェントサービス
こんな人におすすめ
・便利なツールで、賢く転職活動を進めたい人
・スピード転職を狙いたい人
dodaエージェントサービスは、「年収査定」「レジュメビルダー」など、いくつもの便利なツールを展開している転職エージェントです。
便利なツールを駆使して、賢く転職活動を進めたい人や、スピード転職を実現したい人にはおすすめの転職エージェントです。(編集部メンバーも1ヶ月で転職に成功しました)