転職が決まらないことで不安・憂鬱・焦りを感じた時の対処法
「転職先が決まらず不安や焦りが募っている」
「転職先が決まらず憂鬱な気分になってしまう」
「転職先が決まらないまま半年や1年が過ぎてしまい、どうすれば良いかわからない」
転職先が決まらないと、常にこのような不安が心の中をよぎるでしょう。
また、転職活動を始めて半年や1年以上の期間が経過すると自信が失われ、自己嫌悪に陥るなど心理的にネガティブな状態になります。
特に離職中や家族と生活していると不安や焦りはより大きくなります。
そこで今回の記事では、転職先が決まらずに不安や焦りを持つ方が、今後どのように転職活動を進めていけば良いのかをご紹介していきます。
転職が決まらない理由は?状況別に解説
転職がなかなか決まらない場合は、まず転職が決まらない理由を棚卸ししてみましょう。
「棚卸し」とはこれまでの行動を振り返り、うまくいかない理由や原因を見つけることです。
棚卸しを行って、今後はどのように行動するかを決めることで、転職活動が成功するように改善していきます。
転職活動は
- 自己分析
- 業界研究、企業研究
- 書類選考
- 面接
という大きく4つのフェーズに分かれているので、どこがボトルネックになっているのかを分析してみましょう。
続いて、代表的なボトルネックである書類選考と、面接の改善点をご紹介していきます。
書類選考が原因で転職が決まらない場合
書類選考をなかなか通過できない場合は、履歴書や職務経歴書の書き方を見直しましょう。
書類選考が不合格になる原因の1つに、志望動機や自己PRの使い回しが考えられます。
1社1社に合わせて志望動機や自己PRを考えるのは大変なので、中にはある程度使い回しがきくテンプレートを用意している方もいます。
どの企業にもいえるような志望動機や自己PRは、企業から見ると「どうしてもこの会社で働きたい」という意欲に欠けていると判断されてしまいます。
本当に行きたい会社なのであれば、なぜ応募したのか、自分は何ができるのか、入社してどんな仕事をしたいのかを自分の言葉でしっかりと伝える文章を書くようにしましょう。
また募集職種に合った志望動機や自己PRを書けていないことも考えられます。
自分がどれだけ企業の求める人材像に近い存在であるかをPRすることが重要です。
熱意ある人材を求めているのであれば自分の熱意を伝え、論理性のある人材を求めているのであれば論理性をアピールします。
求める人材像は企業の採用ホームページ等で確認できます。しっかりと募集職種に合った志望動機や自己分析を書くように心がけましょう。
面接が原因で転職が決まらない場合
書類選考は通過しても、面接が合格しないという方も多いでしょう。
面接が通過できない場合の原因は大きく分けると3点あります。
- 準備不足
- 経験不足
- 見た目の問題
準備不足
1点目は面接に対する準備不足です。
面接では様々な質問をされますが、準備不足で適切な回答ができないために面接を通過しない場合があります。
例えば、以下のような質問は事前準備をしなければ回答できないでしょう。
- 企業理念を知っているか
- 競合のA社と比べて当社の優位性は何だと思うか
- 今後の業界の動向をどう分析しているか
- 当社の製品を使用した感想は?
上記のような想定外の質問をされると焦ってしまい、それまで順調だった面接の流れが一転してしまうこともあります。
どんな質問でも回答できるように、想定される質問を洗い出して事前に回答を用意しておきましょう。
経験不足
2点目は面接の経験不足です。
職種によっては、自分の考えを伝える機会や自分をアピールする機会が少ない仕事に従事している方も多いでしょう。
その場合、相手の質問に間髪入れずに回答することができなかったり、相手に伝わる言葉選びや話し方が上手くできない方もいます。
これは人間性の問題ではなく単に経験が不足しているだけです。
ですから、「相手の質問に答える。自分の考えを伝える」というトレーニングを行うことが必要になります。
これらは経験することで上達するので、家族や身近な人に面接官役になってもらい、場数を踏んでいくことが大切です。
身近な人だけでなく、転職エージェントのキャリアアドバイザーに面接対策を依頼すると、自分の課題を教えてくれたり、面接官の立場での評価を客観的に行ってくれたりします。
経験不足の場合には転職エージェントを活用するのも一つの方法です。
見た目の問題
3点目は見た目の問題です。
具体的には態度や身だしなみに問題があるということです。
なかなか転職が決まらないと、面接が始まった時点で「どうせここも不合格なのでは…」という気分になってしまいますが、そのような考えは表情や話し方に現れます。
自信がないと視線が下を向きがちになり、猫背がちになります。
このような態度では高い評価を得ることはできません。
内面は緊張や不安があってもそれを態度に表さないように注意しましょう。
また服装や髪型などの身だしなみも評価を左右するポイントです。
例えば寝癖のまま面接に行くと面接官によっては寝癖が気になってまともに評価して貰えない。ということもあります。
アイロンのかかっていないワイシャツや正しく結べていないネクタイなども気になるポイントです。
身だしなみを整えることは仕事に対する姿勢に繋がると判断される場合もあるので、気をつけて面接に臨むようにしましょう。
面接突破のための全知識
当サイト「キャリアの海」では、転職の面接を突破するためのポイントやノウハウを惜しみなくご提供しています。
キャリア形成のプロ・国家資格キャリアコンサルタントにも監修いただいているので、正確さには自信があります。ぜひ参考にしてみてください。
- 面接の一連の流れとよく聞かれる質問&回答例10個
転職面接の全体感をつかんでおきたい方へ。これを読みながら自分で回答を考えよう - 転職面接の逆質問はチャンス!良い例悪い例を人事担当に聞いてみた
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転職が決まらない場合に焦りや不安は禁物
なかなか転職先が決まらない場合も、焦りや不安は禁物です。
焦りや不安は転職活動を始めた本来の目的を見失い、妥協や不本意で転職する可能性が高まるからです。
しかし一時しのぎで転職活動を行ってしまうとキャリアアップは難しくなります。
そこで、焦りや不安を感じた場合の対処法をご紹介します。
転職には半年から1年は時間が必要
就職活動を行うには時間がかかります。
上記でもご紹介しましたが、就職活動は大きく4つのフェーズに分かれており、それぞれに目安となる期間があります。
- 自己分析(1〜2ヶ月)
- 業界研究、企業研究(半月〜1ヶ月)
- 書類選考(半月〜1ヶ月)
- 面接(1ヶ月〜2ヶ月)
全てを最短で行ったとしても3ヶ月、初めて転職活動を行う方や自己分析が苦手な方、書類選考でよく不合格になる方はそれぞれのフェーズでさらに時間が必要です。
そうして時間が積み重なっていくと、半年や1年はあっという間に経ってしまいます。
新卒の就活生は1年〜1年半近くも就職活動に時間を費やしていくことを考えると、半年から1年で転職先が決まらないというのは決して大きな問題ではありません。
むしろ「早く転職しなければ」と焦って自己分析や面接対策を怠ることや、妥協して望んでいない業界の企業に転職して後から後悔する方が問題です。
このように、転職活動には時間がかかることを念頭に置いて、課題だと感じているポイントをじっくりと改善していく方法を考えましょう。
転職の目的を見失わない
転職活動が長期化すると、「どの会社でもいいや」という気持ちに支配され、本来望んでいない会社に転職してしまう可能性があります。
しかしこれは、内定を取ることが目的になってしまい、転職後に自分がどんなキャリアを歩みたいかと言う本来の目的を見失ってしまうことになります。
生活を考えると望まない転職先でも「働けるだけマシ」と考えてしまうかもしれませんが、長期的に考えると「こんなはずではなかった」と後悔して再度転職する可能性があります。
また、「もう転職できないから」とモチベーションの上がらないまま仕事を続けてしまうなど、マイナス面が大きくなります。
転職先が決まらずに苦しいときほど「自分は何のために転職するのか」「転職先でどんなキャリアを歩みたいのか」を考え、本来の目的を見失わないように意識しましょう。
もう一度自己分析をしてみる
転職がなかなか決まらない場合には、もう一度自己分析をしてみることも大切です。
自分の考え方は日々変化するものです。転職活動を始めた当初と今の考え方が同じなのか、変わっているのかを知るためにも一度振り返ってみることをおすすめします。
自己分析を行う場合には、例えばこんなことを書き出してみましょう。
- 以前の仕事に就いた理由と、転職したい理由
- 転職の目的は(収入?やりがい?環境の変化?)
- 転職先ではどんな環境を望むのか
- 自分の大切にしたい価値観
- 転職が上手くいかない理由
- 転職が上手くいかないことについてどう考えているか
- どうしたら、自分の望む転職先に転職できるか
このように自分の考え方と向き合いながら、これからの転職活動の軸となる自分の考え方を言語化し、書類選考や面接で文字や言葉として伝えられるように自己分析を行います。
転職が決まらないことで憂鬱になったらどうする?状況別の解決法
転職先が決まらないと憂鬱な気分になってしまうことも考えられます。
憂鬱な気分のまま転職活動を行っても転職活動を成功させることは難しくなる一方です。
そこで、状況別に解決方法をご紹介していきます。
憂鬱な気分を晴らすにはメンタルケアが重要
転職が決まらないと精神的に不安定になり、憂鬱な気分のまま生活を続けることになります。
憂鬱な状態ではプライベートの時間も楽しむこともできなくなり、ストレスが解消できなくなってしまいます。
ストレスの解消ができないと転職活動にも身が入らなくなり、さらに悪循環を招きます。
憂鬱な気分を晴らすためにも、身近な人に今の悩みを相談したり、自分なりのストレス解消法でメンタルケアを心がけましょう。
相談する相手がいなかったり、ストレス解消法がない場合にはカウンセリングも有効です。
特に近年は価値観が多様化したため自分の悩みや苦しみを身近な人でも同じように感じてくれる人が減っています。
プロのカウンセリングを受けることで、自分の憂鬱な気分を解消して転職活動に臨むのも一つの方法です。
アルバイト・社員として就業中の場合
就業中の場合は、転職活動を一旦ストップして今の仕事に集中するのも1つの方法です。
憂鬱な気分のまま転職活動を続けていると現在の仕事にも悪影響を及ぼす可能性があります。
ブラック企業での勤務や勤務先の倒産など、どうしてもすぐに転職活動を行う必要がないのであれば「今は転職の時期ではない」と考えて、転職活動を再開した時にアピールできるような実績を作るために現在の仕事に打ち込むのも一つの方法です。
仕事を辞めて無職の場合
無職の場合は特に将来への不安から憂鬱になりやすいです。
この場合は、転職活動と並行して資格取得などの能力開発に取り組むのも良いでしょう。
取りたい資格を選ぶということは自分の興味関心を明確にします。
また、無職での転職活動は家と面接先の往復になり孤立しがちになります。
孤立すると憂鬱な気分は膨らむばかりですので、資格取得講座などに通って人間関係を作り、自分の悩みを相談する相手や共通の目標に向かって頑張る仲間づくりをしてみても良いでしょう。
仕事への熱心さや前向きさをアピールするためにも、人間関係を広げて心の安定を保つためにも、資格の取得や教育訓練を受けながら転職活動を行うことをおすすめします。
夫や家族の転職が決まらないときにどう接するか
本人が一番辛いことを理解する
家族としては、夫や他の家族の転職がなかなか決まらないと不安になる事もあるでしょう。
心配になって、アドバイスのつもりで相手の悪い点をつい指摘してしまうこともありますが、それでは本人は自信を持って転職活動を行うことはできません。
転職が決まらない状況は本人が一番辛いと言うことを理解し、相手の悪い点を不用意に指摘することは避けましょう。
努力している点を褒める
選考に不合格になると人格を否定された気持ちになってしまいます。
これを何十社から何ヶ月にもわたって行われると本人の自己嫌悪感や無力感はどんどん大きくなっていきます。
さらに家族や身近な人からも努力を否定されてしまうと、本人は一層自信をなくしてしまいます。
辛い言葉は外で散々かけられていると考え、家族だからこそ日々の小さな努力を認め、励ましていきましょう。
信じて支える
転職活動中の人が不安になる要因の一つに「早く就職して家族を支えなければ」という思いがあります。
しかし焦れば焦るほど面接対策は疎かになり、面接は緊張しやすくなり、不合格になれば深く落ち込むなど、良いことは一つもありません。
そこで家族ができることは、信じて支えることです。
なかなか転職が決まらないとしても、「いつ内定が取れるの?」ではなく「いつかは内定が取れると信じているよ」と伝えるだけで本人の不安は解消され、モチベーションは大きく向上します。
一家の大黒柱が無職であった場合、その不安の大きさは容易に想像できます。
不安な気持ちはあるかもしれませんが、まずは家族として転職活動をサポートしていく気持ちがあると言うことを伝えていきましょう。
転職エージェントに相談する
転職がなかなか決まらず憂鬱になってしまったら、転職のプロである転職エージェントに相談するのが最もおすすめできる方法です。
転職エージェントは面談を通して現在の課題は何か、どのような解決方法があるのかを提示してくれます。
また、転職活動の悩みを聞いてくれたり、選考に提出する書類の添削や面接対策なども行ってくれたりします。
面接対策では企業の過去の面接で聞かれた質問項目を事前に教えてくれるなど、転職活動を成功させるためのパートナーとして最も頼れる存在です。
転職活動を何としても成功させたいという気持ちがある場合には、転職エージェントに登録してエージェントと二人三脚で転職活動を進めていくことをおすすめします。
転職が決まらないときこそポジティブに
転職が決まらない場合はどうしてもマイナス思考の状態が続きます。
こうした時こそポジティブになり、自分の人生をより味わい深くするための出来事であると考えましょう。
キャリアカウンセリングの分野で有名なスタンフォード大学のクランボルツ教授は「計画的偶発性理論」のなかで
「偶然起きたことを最大限に活用することで、自分のキャリアをより良くしていこう」
と説いています。
偶然の出来事をプラスにするためには「好奇心」と「持続性」と「柔軟性」と「楽観性」と「リスクテイキング(失敗を恐れない)」ことが重要だとしています。
転職先が決まらないという事は、長い人生の中で偶然起こった一つの出来事です。その偶然を活かすかどうかは自分の心にかかっています。
これからのキャリアをより良いものにするためにも、自分自身を見つめ直してポジティブに転職活動を行うことをお勧めします。