「転職で内定を複数もらって迷う」後悔しない判断をするポイントとは
転職活動が上手く進み、複数の内定をもらった方も多いでしょう。
複数の内定をもらうことは嬉しいですが、「複数の内定をもらったけど、どの企業にするか迷う…」「どんな基準で企業を選べばいいの?」と悩んでいる方も多いはずです。
新しい就職先を決めることは人生に大きな影響を与えるので迷って当然。
そこで、この記事では以下の2つについて解説します。
- 複数企業から1つの企業に決めるポイント
- 複数内定をもらった時、企業に対し守るべきマナー
この記事を参考に、迷っている気持ちを整理し、後悔しない決断を下しましょう!
転職時に内定を複数もらった!迷う人がまず考えるべき2つのこと
転職活動をしていて、複数内定をもらうことも多いです。
とてもありがたいことですが、当然迷い、悩みます。
そんな時は一度、初心に帰ることをおすすめします。
転職活動は、転職エージェントとの面談や様々なコンタクト、そして、企業の試験や面接と多忙な日々になります。
そんな多忙な日々を過ごしていると、転職先の企業の給与・福利厚生など条件、経営業況などに目が行ってしまいがちです。
そんな時、自分が何を求めて転職活動を始めたかを整理することで、見えてくるものがあります。
具体的には、以下の2点を意識しましょう。
- なぜ転職を決意したのか?
- 転職を決意した時、1番求めていたものは?
なぜ転職を決意したのか?
転職活動を始めた理由は、以下のような様々なことが原因となるでしょう。
- 上司、同僚と気が合わない
- 仕事が忙しすぎる
- 給料が低すぎる
- 仕事が楽しくない
- 自分の能力がもっと生かせる仕事がしたい
少しネガティブな理由ばかり箇条書きにしましたが、ほとんどの方が、前職に何かしらの不満があり転職を希望したはずです。
転職活動しようと決意した時の気持ちは何だったのか振り返ることは、迷いを払拭する方法の第一歩です。
転職を決意した時、1番求めていたものは?
先ほども解説しましたが、転職活動を決意した理由は、人により様々です。
その中でも、「何に1番不満を感じ、転職先の企業になにを求めているのか?」を明確にしておく必要があります。
転職活動を行う人は、通常の日常生活と平行して転職活動を行うので多忙な日々を過ごします。
さらには、様々な企業の情報に触れ、「この企業の給料はいい」「この企業の福利厚生は充実している」「この企業は、自分のスキルを活かせるだろう」などの考えが生まれてきます。
そんな生活が続くと、本来の転職の目的を忘れてしまいがちです。
- なぜ転職しようと決意したのか?
- 転職を決意した時、1番求めていたものは何か?
これらを整理できれば、次に説明する面接で質問すべきことも自然と見えてきます。








監修者のワンポイントアドバイス
様々な企業の情報を目にしていると、どれも魅力的に感じてしまいがちですが、あなたが良く思えているその部分は「書類上でしかわからない部分」ということを忘れてはいけません。
会社で実際に働いている人を見たり、雰囲気を感じることで受ける印象や実際に働くイメージなどが変わることもありますので、安易に流されてしまわないように気をつけることがポイントです。
数年後の働く姿をイメージするために、面接で質問しておくこと
「なぜ転職しようと決意したのか?」「転職を決意した時、1番求めていたものは何か?」を整理しておきましょう。
面接も有利に進めることができるし、知りたいことを具体的に面接官に聞くことができるのでおすすめです。
更に、具体的に聞きたいことが決まっていると、新しい職場に転職した際の自分の働くイメージがわきやすいです。
転職活動のゴールは転職決定ではなく、転職後、新しい職場でどれだけ自分の良さを出して楽しく働くことができるかです。
そのためには、自分が企業に求めることを可能な限り明確にしておく必要があります。
具体的な質問例
- 人間関係を重視している人
職員間で協力しながら、仕事の目標に取り組んで行きたいと考えていますが、御社での具多的な取り組みがあれば、お聞かせいただけますか?
- 現職が忙しすぎる
スキルアップのために学べる環境で働きたいと考えていますが、先輩方は、就業時間外での学習はどのようなことをしていらっしゃいますか?
- 自分の能力は適切に評価される環境なのか知りたい
リーダーやマネージャーなどの職責のあるポジションを目指していきたいと考えていますが、御社ではどのような評価制度や昇進制度を取っているのでしょうか?
企業に具体的な質問をすると、面接官に良い印象を与える可能性が高く、自分の気になることを直接聞けるのでおすすめです。
複数内定をもらっている方で、自分の重視する点も不明確&面接でもここまで具体的なことは聞いていないという方も安心して下さい。
次からは、1つの企業に絞るための具体的な方法を解説していきます。
転職活動時、複数内定をもらっても迷わない方法を解説!
ここからは、「転職を決意した時に、自分の求めているものを整理しても、まだ迷ってしまう人」に向けて、より具体的な方法を解説していきます。
複数企業から1つの企業に絞るための手順
- 1. 比較する項目を整理する
- 2. 良い面・悪い面を書き出して比較する
- 3. 表を作成し点数化して比較する
それでは、各項目を説明していきます。
STEP1:比較する項目を整理する
企業を比較する項目は、細かく挙げれば無数にあります。
ここでは、情報過多になり混乱しないために、一般的に比較しやすい項目を挙げていきます。
比較する項目
- 自分の希望する業界か?
- 年収
- 企業理念
- 仕事内容
- 企業規模
- 社風(人間関係)
- 勤務地(自宅からの距離、転勤の有無など)
- 成長性(売上高、営業利益率などの伸び)
- キャリア形成(評価制度)
上記の項目で比較できれば、自分に合った企業を絞れるはずです。
STEP2:良い面・悪い面を書きだして比較する
悪い面・良い面を紙やパソコンに書き出すだけで、簡単に比較することができます。
実際書いていくうちに、今までは気付けなかった企業の長所・短所が浮かび上がってくることもあります。
まずは、書き出してみることをおすすめします。
A社 | B社 | |
---|---|---|
年収 | ◎ | △ |
やりがい | 大手なので自分の判断での仕事が難しそう… | 個人の意見を尊重してくれそうな社風で良い印象 |
勤務地 | 自宅からは近いが、転勤の可能性が高い… | 自宅から近く、転勤も無い |
成長性 | 売上は高いが営業利益率はそこまで高くない 成長が鈍化している | 売上こそA社には及ばないが営業利益率は高い 成長性を感じる |
キャリア形成 | 年功序列 昇進・昇給はゆっくりだろう… | 成果主義 若くても努力次第で、早い段階で昇進・昇給も可能 |
心理学では、頭の中にあるもやもやしたものを、一旦紙などに書き出すことを「外在化」と呼び、物事を客観的に捉える有効なテクニックとして使われています。
STEP3:表を作成し点数化して比較する
今までの方法を使用しても1つの企業に絞れないという方は、表を作成し点数化することをおすすめします。
この方法は、年収・仕事内容・社風などの項目ごとに点数をつけて、数値化し、より客観的に分析する方法です。
点数化の表の例
業界 | 年収 | 企業理念 | 仕事内容 | 企業規模 | 社風 | 勤務地 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A社 | メーカー △ | ○ | △ | × | ○ | × | × | 11 |
B社 | サービス ○ | × | ○ | ○ | △ | ○ | ○ | 18 |
(○:3点、△:2点、×:1点)
自分の中で何を重要視しているのか整理できていない人にとっても、この数値化の方法を使えば、より客観的に企業を比較することができ、解決の助けになりますよ。








監修者のワンポイントアドバイス
私の個人的な意見としましては、step3の「点数化して比較する」というのが良いと思います。
自分の頭の中だけで情報を整理しようとしても、同時並行で物事を進めている中、頭の中がごちゃごちゃになってしまいがちです。
ですから自分がわかりやすいように「見える化」して採点するというのは、正しい判断を下す上でも最善の方法と言えるのではないでしょうか?。
自分が最も重要視しているポイントで内定企業を決めよう
Aさんにとって理想の職場でも、Bさんにとっては辛い職場ということはよくあることです。
それは、人によって職場に求めているのもが違うからです。
そのことを少し掘り下げて考え、最後は何を最重要視すべきかということを解説していきます。
職場の人間関係は最も重要!
人によって、職場に求める重要な点は様々だと思いますが、私の経験上「人間関係が良い」という点は、働く上で最も重要視すべきことだと感じます。
私は、法人内異動を3回経験しました。
1回目、2回目の職場は本当に人間関係に恵まれていました。
そのおかげもあって、入社間もない時期から管理業務も行い、人事評価も高かったです。
しかし、3回目の異動先の上司とどうしても馬が合わなくて大変悩みました。
人間関係が悪くなると、今まで難なくこなせていた業務もスムーズに進まなくなり、当然人事評価も下がります。
結局仕事は、良くも悪くも同僚・上司との連携の上に成り立っています。
どんなに、やる気や能力があろうが仕事で活躍するためには、人間関係がある程度良好に保たれていることが前提となってきます。
マイナビニュースが、2019年の新成人を対象とし「理想の働き方」に関する調査でも、「人間関係が良い」が1位になっています。
引用元:マイナビニュース(https://news.mynavi.jp/article/20190109-753926/)
人によって、重視する点は、様々で当然です。
しかし、面接や企業訪問で人間関係が良好なのかという点は、重点的に観察しておく項目であると頭に入れておいて下さい。








監修者のワンポイントアドバイス
あらゆる面で判断ができたならば、最終的にはやはり「直感力」も必要かもしれません。
「この会社なら!」と自分らしさを活かせるのも大事なポイントですね。
複数内定をもらい迷った時、企業に対し最低限守るべきマナー!
ここからは、複数内定をもらい迷った時に、内定を頂いた企業に対し最低限守るべきマナーを解説していきます。
内定保留は通常2~3日で、最悪でも1週間以内
内定をもらったら、なるべく早く企業に入社の意思の有無を伝えるのがマナーです。
しかし、複数企業に応募して第二志望の企業内定の方が先に決まった場合は、第一志望の企業の結果を待って決めたいというのが正直な気持ちです。
誠実にお願いすると、ほとんどの企業は返事を待ってくれます。
しかし、この際の注意点は、自ら期限を設けることです。
申し入れる期限としては、通常で2~3日間。
最長でも1週間が限度と言われています。
内定取り消しになることはあるのか?
最も不安なのが「内定保留をして、内定を取り消されることはないのか?」だと思います。
正直、これは企業によるとしか言えないのが現状です。
企業側も「きちんと決断して入社して欲しい!」と考えています。
内定を保留したからといって、即内定取り消しという企業はほぼないと言っていいでしょう。
しかし、企業の都合・あまりにも内定保留を引き延ばした場合、最悪の場合、内定取り消しのリスクもあるということは頭に入れておきましょう。
内定の返事を待ってもらう際の注意点・例文紹介
複数内定をもらい、迷っていることは、正直に伝えましょう。
「他社と迷っていることを伝えると印象が悪くなってしまうのではないか?」と不安に思う方も多いですが、転職は人生において大きな決断です。
ほとんどの企業は、人生の大きな決断である転職時に迷うことに理解を示してくれる場合が多いです。
嘘の説明をするのではなく、正直に複数内定をもらっている・他社の選考中であることは伝えても構いません。
例文
◯◯株式会社
人事部 ~~様
お世話になっております。
先日、面接に伺いましたキャリア太郎と申します。
この度は、内定のご連絡を頂き、誠にありがとうございます。
本来ならばすぐにでも承諾の返事をしたいのですが、誠に恐縮ではございますが、返答についてX月X日まで猶予を頂けないでしょうか?
現在、選考が進んでいる企業が他にもあり、そちらの話も聞いてみて判断したいと考えています。
貴社に対し大きな魅力を感じ、貴社で働きたいという気持ちは強くなったのですが、貴社に失礼のないよう、自分自身きちんと納得した上で決断したいと考えております。
内定を頂いたにも関わらず、大変失礼であることは重々承知しておりますが、ご検討の程、よろしくお願い申し上げます。
──────────
キャリア 太郎
〒123-4567
東京都□□区■■1-2-3
Phone: 090-XXXX-XXXX
Mail: XXX@XXX.jp
──────────
内定辞退の連絡は出来るだけ早くしよう
複数内定をもらって1つの企業に決断した際は、可能な限り素早く内定辞退の返事をしましょう・
企業も求人を出し採用する際、大きな時間・費用をかけています。
そんな企業から内定を頂いたにも関わらず、内定辞退をする場合は、素早く丁寧に行いましょう。








監修者のワンポイントアドバイス
内定を辞退することは決して悪いことではありません。
逆に真摯に連絡できることは社会人として評価に値します。
例文
◯◯株式会社
人事部 ~~様
お世話になっております。
先日、内定を頂いたキャリア太郎と申します。
この度は、内定のご連絡を頂き、誠にありがとうございます。
大変光栄なお知らせを頂きながら大変恐縮なのですが、今回の内定を辞退させて頂きたく連絡致しました。
お忙しいなか面接などの丁寧な対応をして頂き、貴重な時間を割いてくださったにも関わらず、このような連絡になりますことをお詫び申し上げます。
本来、貴社にお伺いし、直接おわびすべきではございますが、メールでの連絡となることをご容赦頂きたくお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。
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キャリア 太郎
〒123-4567
東京都□□区■■1-2-3
Phone: 090-XXXX-XXXX
Mail: XXX@XXX.jp
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監修者からの一言
内定を複数もらった際の判断基準、そしてとるべきマナーは今回の記事をしっかり読むことで不安を解消することができたと思います。
あとは、自分自身にとって「どのような選択がベストなのか?」をじっくりと考えることが重要だと思います。
時には友人知人、家族に相談してみても良いかもしれませんね。
どの会社もあなたが選んで面接に出向いた企業ですから、自分を信じて堂々と判断しましょう。