転職に成功しやすいタイミングって何月? 業界ごとに求人倍率を比較した
転職のタイミングをいつにすべきかをお考えの方に、お知らせしたい情報があります!
「転職に成功しやすい月と、転職が難しい月がある」って、ご存知でした?
実は業界ごと、月ごとに求人倍率は変動するんです。
つまり、転職に成功しやすい月と成功しにくい月がある、ということ。
せっかくなら、一番転職しやすいタイミングをねらって、スマートに転職先を決めたいですよね。
「キャリアの海」では過去3年の傾向を分析し、どのタイミングが転職の競争率が低いか、業界ごとの傾向を割り出しました。
この記事では、一年のうちいつ転職すると成功しやすいか、ベストなタイミングを業界別に解説します!
また、転職のタイミングを考えるなら、多くの会社が求人募集する月もおさえておきたいところ。
「求人数が多くなる月がある」と通説では言われていますが、それは本当なのでしょうか?
そこで、近年の求人数の推移についても検証してみました!
その結果、意外なことがわかりました。
転職のタイミングについて徹底解説したこの記事を読めば、あなたが何月に転職すべきか、わかるはずです!
なおこの記事は、国家資格「キャリアコンサルタント」の資格を持ち、実務経験もある専門家に監修をしていただいています。
業界別 競争率が低いおすすめの転職タイミングは?
大手転職サイトdoda(デューダ)が発表する「転職求人倍率レポート」を見れば、求人倍率の推移が業界ごと・月ごとにわかります。
これをグラフ化したところ、業界にかかわらず共通した傾向や、業界ごとに顕著な特徴が見えてきました。
共通点としては、12月に求人倍率が高まりやすい傾向が窺えます。
つまり、12月に転職すると競争率が高いので、内定までのハードルが高くなりやすいです。
したがって、12月以外での転職活動をお薦めします。
その他の傾向は業界ごとに異なります。
ここからは過去3年の倍率をもとに、おすすめの転職タイミングを業界ごとに紹介していきます!
※以下グラフは「転職求人倍率レポート(データ) |転職ならdoda(デューダ)」より作成しています。
IT・通信業界は7, 10, 1, 2月が狙い目! 12月は求人倍率が高い
人材の流動性が高い「IT・通信業界」。
求人倍率は他の業界と比べて高めに推移しています。
月ごとの求人倍率の変動も大きく、同じ年度内でも、月によって2~3ポイントほど差があることも。
そんなIT・通信業界のおすすめ転職タイミングは、7月、10月、1~2月です!
過去3年の傾向を見ると、この月に求人倍率が低くなる傾向が窺えます。
一方、12月は求人倍率が突出して高くなりがち。
注意しましょう。
メディア業界は11, 12月を避けよう
メディア業界の求人倍率はおおむね2倍~3倍の間で推移しています。
11月、12月に求人倍率が高くなる傾向が見えますので、この時期を外すように転職活動をするとスムーズでしょう。
金融業界は大きな変動はないが7, 10月が狙い目
金融業界の求人倍率は、おおむね1.5~2倍の間で推移しています。
月ごとにそれほど顕著な差は見られませんが、強いて言うなら7月と10月が狙い目。
この時期に求人倍率が少々下がる傾向があります。
メディカル業界は月を意識しなくてもOK
メディカル業界の求人倍率を見ると、月ごとの変動よりも、年ごとの下降傾向の方が顕著です。
これからも求人倍率が下がり続けるかは今後の動向次第ですが、それほど月を意識して転職活動を行わなくても大丈夫でしょう。
メーカーは12月を避けて。早めの転職が吉
メーカーの求人倍率は、12月がピークです。
他の月は比較的横ばいとなっていますので、12月を避けるように転職活動を行うとスムーズでしょう。
また、年々求人倍率が微増傾向にあります。
次年度はより求人倍率が上がっている可能性もありますので、転職をお考えの方は、早めに転職した方が良いかもしれません。
商社/流通業界は売り手市場。月を意識しなくてもOK
商社/流通業界の求人倍率は、1倍前後を推移しています。
完全な売り手市場が続いているんです。
月ごとの求人倍率の推移も、おおむね横ばい。
12月にピークはありますが、他の業界と比べると、タイミングをそれほど意識しなくても大丈夫そうです。
ただし、求人倍率は年々微増傾向にあります。
転職を検討中の方は、早めの転職を検討しておくと良さそうです。
小売/外食業界は売り手市場。月を意識しなくてもOK
小売/外食業界の求人倍率は、1倍前後を推移しています。
ここ3年は完全な売り手市場です。
やはり12月にピークがありますが、小売/外食業界も転職タイミングをそれほど意識しなくても大丈夫でしょう。
サービス業は10, 1月が狙い目
サービス業の求人倍率は、3倍前後を推移しています。
転職の狙い目は10月と1月。
12月のピークを挟む形で、求人倍率の「谷」が発生しているんです。
そのため、ピークを外して転職するとスムーズに転職できそうです。
通説の「求人数が多い3, 9月が狙い目」は間違い!? 意外な事実とは
ここまで求人倍率が高くなる月、および低くなる月が業界ごとにあること、そしておすすめの転職タイミングを紹介してきました。
ここで、そもそも転職に有利な月に、希望の求人が出されているのか、気になりませんか?
いくら転職がしやすくても、転職先として選べる選択肢がなければ意味がありませんよね。
「希望の求人が出そうか」を予測するためには、月ごとの求人数を見ていけば良さそうです。
求人数が多くなる月があれば転職の選択肢も広がり、希望の求人に出会える可能性も高まることが期待できるからです。
ところで、通説では3月や9月など年度や期が変わる前のタイミングに、多く求人が出されると言われています。
これは本当なのでしょうか?
調査の結果、意外なことがわかりました。
その通説は、少なくとも近年は当てはまりません!
リクルートエージェントの求人推移
たとえば業界最大手の転職エージェントである、リクルートエージェントの求人数推移を見てみましょう。
(転職エージェントなら転職支援実績No.1のリクルートエージェントより作成)
このグラフから、右肩上がりで求人数が増加していることがわかります。
月ごとに求人件数が増減しているように見える箇所も若干ありますが、全体的な求人数の増加量と比べると、微々たるもの。
月ごとの変動の影響よりも、年ベースでの求人数の増加の方が、影響が大きいのです。
dodaの求人数推移
dodaの求人数推移も見てみましょう。
(出典:【転職求人倍率】2019年6月の転職求人倍率は2.35倍。求人数は前年同月比112.9%と増加が続く |転職ならdoda(デューダ))
このグラフからも、求人数が長期的に増加傾向であることが読み取れます。
また、転職希望者数自体も増加していることもわかりますよね。
つまり、転職市場全体が成長傾向にあるのです。
以上のように、求人数は月ごとの変動よりも、転職市場全体の成長傾向に牽引され、増加傾向にあります。
かつては月ごとに求人数の変動があったかもしれませんが、近年は「転職求人数が多くなる」とされる月をねらって転職する必要はないのです。
おわりに~転職エージェントにも相談しよう~
過去3年の傾向をもとに、業界ごとにおすすめの転職タイミングを紹介しました。
業界によって狙い目のタイミングがあること、お分かり頂けましたでしょうか。
また、求人数自体は年々増加傾向にありますので、「選択肢となる求人数が多い月に転職しよう」と考える必要はありません。
ただし希望の転職先企業がある場合、いつその会社が求人を出すかはその会社次第となります。
一般的に競争率の高くなる12月のタイミングで採用が行われる可能性もありますので、個別の企業の動向に関しては、一次情報を持っている転職エージェントに相談することをおすすめします。
どの転職エージェントを使えばいい?
転職エージェントを使ったほうが良いとは言え、どれを使えば良いのかなかなか難しいですよね。
キャリアの海編集部は、転職を考える人たちに向けて、おすすめの転職エージェントを紹介しています。
詳しくは、以下の記事でご紹介していますので、あわせて読んでみてください。



監修者によるコメント
近年は「売り手市場」と言われてはいますが、「内定を得やすくなった」訳ではありません。求人倍率も企業レベルでは大きく差があるので、自分が希望する求人の選考状況などを、転職エージェントを利用して確認するようにしましょう。転職は「情報戦」でもあることを忘れずに!