退職者の穴を埋めるだけじゃない!外部プロ人材の活用でオウンドメディア経由の商談獲得が4倍に!
株式会社DearOne
BtoB企業のオウンドメディア運営には課題が多い。オウンドメディアの専任担当者をおいている企業は少なく、兼任担当者がほとんど。そのため、戦略設計や分析までは手が回らない、イベントやセミナーの準備が忙しいと更新も後回しになりがち、というご相談は多数寄せられます。
NTTドコモのグループ会社で、アプリ開発サービスを提供する株式会社DearOneも、そんな課題を抱えた企業の一つでした。しかも、オウンドメディアの更新を担っていた正社員が退職してしまって、全く手が回らなくなり、獲得リード数も減少していました。
そこで、オウンドメディア運営を本格的に立て直すべく、ミエルカコネクトに相談し、オウンドメディア運用に知見のあるプロ人材の活用に踏み切りました。その結果、リード数はV字回復し、前年以上の成果をあげることに成功。オウンドメディアの戦略的な運用が定着したことで、事業成果に大きく貢献しているとのこと。
外部のプロ人材活用を決断した背景や、具体的にどのような施策を実践し成果につながったのか。その取り組みの裏側について、同社マーケティング部の松田計仁氏と大木慎也氏に話を伺いました。
担当者の退職をきっかけに、オウンドメディア運営の課題の深さに気付く
――貴社の事業内容と、お二人のご担当や役割について教えてください。
大木様:当社はNTTドコモのグループ会社で、事業の一つとしてアプリ開発サービス「ModuleApps2.0」を提供しています。
本サービスはモジュール(テンプレート)を使って手軽にアプリ開発できるのが魅力で、リテール事業者をはじめ、幅広い企業様との取引実績があります。システムをゼロから作り上げるよりコストが少なく、一般的なパッケージアプリ作成サービスよりも柔軟にカスタマイズできるため、痒い所に手が届くサービスになっています。
その中で私たちのユニットは様々な媒体からのリード獲得を担当しており、セールスによいパスを渡すためにMQL数*やアポイント数をKPIとして追っています。
松田様:私は2023年の11月にDearOneに参画し、ジェネラルマネージャーとしてマーケティング部全体を統括する役割を担っています。
* MQL:MQL(Marketing Qualified Lead)とは、マーケティング活動を通じて獲得された、営業に引き渡す準備が整った見込み顧客のことを指し、具体的には、リードの中でも商品やサービスに関心を示し、購買意欲が高いと判断された顧客のことをいいます。
――貴社においては、ミエルカコネクト導入以前、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
大木様:まず、オウンドメディアの担当者の退職に伴い、オウンドメディアの運営が止まり、徐々にネガティブな影響が出始めていました。
特に、主要なキーワードの検索順位がダウンし、新規リードの獲得数も減少。記事の更新はもちろん、Googleのアルゴリズムの変更にも対応できていなかったんです。
すぐにテコ入れできればよかったのですが、担当者不在のオウンドメディア運営は後手に回っていました。そもそもイベントやセミナーなどの他のマーケティング施策もやらなければいけない中で、リソース自体が不足していたのです。
また、良くも悪くも、オウンドメディアからは既存のコンテンツ経由で一定の流入やリードが得られていたため、SEOやコンテンツマーケティングにしっかりと取り組めていないことは課題として認識していながらも、マーケティング部内では優先度が下がってしまっていました。
松田様:もう一つの大きな課題は、オウンドメディアの運営が属人的な“ブラックボックス”になっていることでした。担当者がいた頃も、コンテンツ更新はやってきてはいましたが、他の業務と兼務していたこともあり、オウンドメディアの戦略設計や分析までは手が回っていませんでした。そのため、サイトの状態や方向性が見えないまま、場当たり的なコンテンツ作成になってしまっていたんです。この点にも、課題を感じていました。
とはいえ、弊社の中ではオウンドメディア経由のリードは商談につながりやすく、非常に優秀なチャネルです。ここに次なる成長ドライバーがあると考え、放置していた上記の課題を解決するため、オウンドメディア運営専任の担当者を置き、立て直すことを決めました。
この時、正社員の採用活動には半年~1年ほどかかるだろうと予想しました。その間にもオウンドメディアの運営を放っておけば、陳腐化がますます進行してしまう。これ以上状況が悪化するのを食い止めるべく、業務委託でプロフェッショナル人材に頼ることにしたのです。
――正社員のリソースを補うためには、代理店へ委託するなど他の選択肢もあったかと思いますが、検討されましたか?
松田様:いえ、業務委託しかないと思いました。そもそも、社外の代理店をマネジメントできる人材も不在という状況だったので、外部ベンダーを活用することは難しいだろう、と。社内に深く入り込んで、正社員に近い形で動いてくれる人を求めていたので、業務委託が相応しいと判断しました。
人材の質と、マーケの知見のある担当によるサポートに信頼感
――なるほど。その中で、なぜ「ミエルカコネクト」を選んでいただいたのでしょうか?
松田様:実は、私は前職でもミエルカコネクトを利用していて、その時の経験からサービスに信頼感がありました。運営しているFaber Company自体がSEO領域のトップランナーの会社であるからこそ、SEO人材の質にも期待ができる。
また、プロジェクト開始後に、仮にアンマッチであった場合でも柔軟なサポートがあることや、マーケティングに知見のあるカスタマーサクセスの伴走に安心感があり、今回の人材を探すのに適していると考えました。他のサービスとも比較したのですが、こういった点からミエルカコネクト一択でした。
大木様:今回は戦略設計から実行までできる人材を求めていました。単なる作業者ではなく、当社からの指示がなくても推進できるプロフェッショナルに頼りたかった。そういった意味でもミエルカコネクトの人材に期待していました。
――その結果、コンテンツマーケティング支援会社出身の、白須さんとマッチングされました。白須さんのどんなところが決め手でしたか?
松田様:SEOに強い信頼できる会社出身であること、そしてBtoBビジネスの事業プロセスに対する解像度の高さが決め手となりました。SEOマーケターの中にはBtoC領域には詳しいものの、BtoB領域の専門的な知識は少ない方も多いのですが、白須さんは過去の実績やお話いただいた内容からBtoB領域への知見の深さが伺えました。
白須さんなら、会社状況に応じて適切なマイルストーンや、ToDoを設定してくれると感じ、採用に至りました。
大木様:コミュニケーションの面でも安心感がありました。短い面接の時間の中でも、コンテンツマーケティングへの深い知識や経験に裏打ちされたお話をもらえたんです。会話の仕方や人柄といった点でも相性がよく「この方となら一緒にやっていける」と思えたことも心強かったです。
参画マーケタープロフィール | |
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白須 愁さん日系大手コンサル会社、コンテンツマーケティン会社を経験し、コンテンツマーケティング・コンテンツSEO・CRO業務まで一貫して担当。 その後、独立し株式会社シードブルームを起業。特に法人向けサービスに強みを持ち、戦略設計から実行支援までクライアントの必要なフェーズに合わせて伴走する。 ユーザーニーズを起点にした施策の実行と分析が得意。 |
プロフェッショナル人材が分析からスケジューリングまで全て主導
――実際に白須さんが参画されてからは、どんな取り組みを行ったのでしょうか?
大木様:オウンドメディアの現状分析から、対応するべきことの洗い出し、ユーザージャーニーの作成、スケジュール設計まで一気に行っていただきました。全てにおいて当社からの指定はなく、白須さんにプロとして主導していただきました。
まず競合他社のサイトと比較して、検索順位の取れているキーワードの差を可視化。当社では検索上位を取れているキーワードもありつつ、対応すべきキーワードがまだまだ多いことが明らかになりました。
そこで、競合をベンチマークとしてマイルストーンを置き、スケジュールを作成、コンテンツの制作やリライト、CTA*やバナーの改善といった対策に着手していきました。
* CTA:CTA(Call To Action)とは、ユーザーに具体的な行動を促すボタンやリンク、メッセージのことを指します。例として、資料請求やお問い合わせなどのアクションが含まれます。
大木様:特によかったのは、「やるべきこと」と「優先度」を明確に提案してくれたことです。我々が意志決定する必要がある時も、例えば「コンバージョン数とセッション数、どちらを優先しますか?」といった具合で白須さんが常に選択肢を提示してくれました。私たちは選択肢を選ぶだけでよいので、プロジェクトが停滞することがなく、ありがたかったですね。
大木様:さらに、分析から目標設定、スケジュールの作成までの設計図は、プロジェクト開始から1~2週間で作ってくださいました。想像以上のスピード感に驚くとともに大変助かりました。
参画したプロマーケター白須さんのコメント
『オウンドメディア立て直しの方針として、とにかく定量的な結果を出したい様子が伺えたので、スピード重視でMQLの最大化をKGIにしました。コンサルのような立場ではなく、自分がメディアのディレクターとして入り込むことでスピード感を持って成果を出せると考えました。
Dear One様には、競合他社と比較した際に独自的なポジション(サービスとしての優位性)が既にありました。シンプルにそのUSPをユーザーに届けてあげることで成果が出せそうだと思いました。』
――取り組みの結果、どういった事業成果が表れましたか?
大木様:白須さんと一緒に設定した目標数字を、はるかに超える結果となって驚きました。
例えば、キーワード「アプリ開発 会社」はリライトによって順位が5位から1位に向上。主要キーワードの順位が上がったことで、MQLの目標数値を達成することができました。2024年上期の時点で、リード数は昨対比1.4倍、商談獲得数は昨対比4倍まで増加しています。
大木様:もともとブラックボックス化していたオウンドメディアを立て直すべく始めたプロジェクトでしたが、このスピードで成果を出せたのは白須さんのお陰です。白須さんがオウンドメディアのポテンシャルを引き出してくれたことで、私たちもオウンドメディアが持つ実力に改めて気づくことができました。
また、以前は、リード数を増やすためには大量の記事が必要だと考えていました。1つのキーワードに対して1本の記事が必要で、たくさんのキーワードを網羅するには、その分だけ記事を増やさなければならない、と思っていたのです。ですが、白須さんからは「今回対応する記事は1~2つにしましょう」と提案されました。重要なページに複数のキーワードを紐づけて、集中的に強化を図ったのです。
その結果、少ないコンテンツから大量のリードが生まれています。やみくもに記事を書くのではなく、選択と集中によってしっかりと成果が出るのだと知りました。こういった戦略に基づいた業務プロセスを確立できたことも、本取組みにおける成果だと感じています。
正社員の「穴埋め」にとどまらない、プロフェッショナル人材活用の可能性
――今回の取り組みを振り返って、感じたメリットをお聞かせください。
大木様:今回、正社員の退職をきっかけにミエルカコネクトを活用しました。プロフェッショナル人材に支援いただくことで、人材不足を補うだけでなく、想像以上にオウンドメディアを通じた事業成果を引き出すことができました。
多くの企業が正社員の採用を待つ間に、マーケティング施策が停滞することを「仕方ない」と諦めがちだと思います。しかし、むしろその空白期間に外部のプロフェッショナルの助けを借り、第三者の視点を入れることで、社内だけでは気づかなかった示唆を得られます。
そして、採用活動に妥協することなく、優秀な正社員を採用できたのも、業務委託でしっかりオウンドメディアの運用を回すことができたお陰です。
オウンドメディア専任の正社員を採用できた現在、白須さんにはアドバイザー・コンサルタントの立場で、引き続きプロジェクトに参画いただいています。社内の状況・体制に合わせて、業務内容を変えながら活用できるのもメリットだと思います。
――外部人材を効果的に活用した組織作りで素晴らしいです!最後に、貴社のマーケティング活動における今後の展望を教えていただけますか。
大木様:ModuleApps2.0は優れたサービスなので、潜在、顕在顧客の方々にもっと知っていただけるように、マーケティング活動を通して伝えていきます。
その中でもオウンドメディアは、課題感を持って検索した方が知るきっかけになる重要なメディアです。引き続き白須さんおよびミエルカコネクトにサポートいただきながら、よりサービスの魅力が伝わるオウンドメディアに成長させていければと思います。
――本日は貴重なお話をありがとうございました。
編集者情報 | |
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