ライオンの新規D2Cブランドの事業成長とマーケティング強化を目指した新しい人材活用
ライオン株式会社
ライオン株式会社が手がける新規事業のD2Cブランド「by me(バイ ミー)」。柔軟剤や衣類ミストで暮らしの香りをカスタマイズするという新習慣を提案するブランドとして、2023年1月に立ち上がりました。これまでオフラインのポップアップストアなどにより、新規顧客獲得を進めてきましたが、さらなる顧客獲得を目指してデジタルマーケティングの強化に取り組むことに。特にWeb広告運用を強化する必要を感じたものの、いままで通り代理店に依頼するのではなく、得られたノウハウを部署内に蓄積するため自社内での運用を選択。とはいえ、Web広告運用に詳しい社員もいなかったため、外部人材活用に注目して、ミエルカコネクトを採用いただきました。
新規事業での成長戦略とそれに伴う人材活用について、「by me」を展開するヘルス&ホームケア事業本部ファブリックケア事業部 伊東さま、西尾さま、木原さまに、外部人材登用を支援したミエルカコネクトの片山がお話を伺いしました。
新規事業部として、顧客と直接繋がることができるD2Cへの挑戦
――by meはライオンの新規事業として立ち上がったとのことですが、どのようなブランドなのでしょうか?
伊東氏:「by me」は、ライオンが掲げる中期経営戦略フレーム「Vision2030」の成長戦略のひとつである「4つの提供価値領域の成長加速」の実現を目指して、2023年1月30日に立ち上げたブランドです。「新しい家事習慣」の創出を目指す「スマートハウスワーク」という新しい価値領域において、暮らしにこだわる方々向けに、生活の質を向上させるため、by meを取り入れていただきたいと考えています。
また、ライオンの中でもDNVB(※)文脈でのD2C事業として初の試みとなり、全社として力を入れています。(※DNVB:Digitally Native Vertical Brand)
――これまでのライオンは、卸流通やドラッグストアでの販売が主軸でしたが、新たにD2Cブランドを立ち上げる上で、意識している部分はありますか?
伊東氏:D2Cモデルだからこそ、ブランドの世界観を直接伝え、お客さまとの双方向のコミュニケーションで特別感のある顧客体験をつくっていきたいと考えています。
一般的に家事は、様々なタスクを行わなければならず、忙しいというイメージが強い。しかし、家事の中にby me を取り入れることで、せかせかしていない、家事の時間がゆっくり過ぎていくように感じられるものに変えることを目指しています。そのため、ECサイトの世界観に関しても、見ていて落ち着くようなサイト設計にこだわり、リラックス・生活の質向上の訴求を重要視しています。
さらに、D2Cだからこそ、直接お客さまとコミュニケーションが取れることも強みです。オフラインでポップアップストアを開催したり、リアルの接点を増やすことも意識しています。
顧客リーチと社内へのノウハウ還元をミッションにデジタルマーケティングに挑戦する
――全社をあげての新しい取り組みですね。D2Cとして事業を伸ばす以外にも何か狙いはあるのでしょうか?
西尾氏:D2Cの立ち上げにより、社内ブランドとファンの関係性を深めるノウハウが蓄積されることを期待されています。事業成長とあわせて、それらのノウハウをライオン全体にも波及させることも重要です。
お客さまと直接コミュニケーションを取れるD2Cを通して、顧客理解をさらに深め、ファンを作っていく。それらのプロセスで得られたナレッジをライオン全社に展開していくことも、ブランド内部の目標でもあります。
――新規事業では、様々な課題があるかと思いますが、直近では特にどのような点が課題だったのでしょうか?
西尾氏:新しいサービスなので認知度が低い状況であることから、まずは顧客へのリーチを増やすことが課題でした。そのためにもデジタルマーケティングが必要であり、SNSの運用をまずは始めつつ、より効果的にリーチを増やし、認知拡大をしていくために、次はWeb広告の配信をしていこうと考えました。
しかし、by meは4名で運営しており、Web広告運用ができる専門的スキルを持った者がいません。そこで、広告運用のプロフェッショナルを外部から調達する必要がありました。
ブランドを一緒に創り上げてくれる人材を求めて選んだのは、“外部人材活用”
――全社のマーケティング部署もあると思いますが、部内において外部人材の活用という手段を選ばれた理由はなぜですか?
西尾氏:もちろん全社のマーケティング部署や、代理店に依頼する方法もありました。ですが、今回は単に集客を強化してブランドを伸ばすだけでなく、社内にナレッジを残すことが求められています。そのため出来るだけ自分たちにノウハウを貯められるような体制づくりを重視しました。
また、ブランドを育てていくフェーズでもあるため、単に広告運用をお願いするだけでなく、ブランドの見せ方・魅力の伝え方を試行錯誤していきたかったのもあります。そのため、一緒にブランドを創り上げていくメンバーとして入り込んでもらえる外部人材の活用が最適だと判断しました。
――外部人材活用の中でも、今回なぜフリーランス・副業人材の活用を決めたのでしょうか?
西尾氏:実は以前、クラウドソーシングサービスを活用したこともあります。しかし、依頼していた業務範囲にもよりますが、一つひとつの業務に指示を出す必要があり、コミュニケーションコストがかかってしまうことが課題でした。一方、副業人材を全社で採用したこともあり、非常に優秀な方々が多い印象だったんです。
今回は新ブランド立ち上げなので、特にスピード感と成果に対するコミットメントが重要になります。与えられたタスクをこなすような受け身な関わり方ではなく、自ら戦略を考えて自発的に動ける人材が必要だと感じていました。そこで、これまでの経験を踏まえ、よりハイレベルでブランド創りから入ってくれることを期待しフリーランス・副業人材を活用しようという考えに至りました。
――外部人材を活用する選択肢が出た際に、ミエルカコネクトを選んだ理由はなぜでしょうか?
木原氏:外部人材の紹介サービスはたくさんありますが、その中でもミエルカコネクトはWEBマーケティング人材に特化しており、また、元々Webマーケティング支援をされてきている点で安心感がありましたね。
自分たちで採用するにしても、デジタルに詳しくはないので正直スキルや経験を見ても優秀な人を見極めるのがすごく難しい。Webマーケティングの知見があるからこそ、当社の課題を把握した上で、その課題を解決してくれそうな優秀なマーケターさんを紹介してくれるだろうと安心してお任せできました。
マーケターを選んだポイントは、一緒に働くイメージが湧く安心感と信頼
――外部人材を採用をする上で大事にしていたポイントはありますか?
西尾氏:求める人材像としては、広告運用のスキルの高さとブランドを伸ばすために一緒に走ってくれるかが重要なポイントでした。デジタルマーケティングの専門家として、「こうした方が良い」と具体的に提案してくれる、私たちがやりたいことを整理してアウトプットしてくれる方がいいなと。
最終的にはインハウス化して運用することを目標としているので、そのためには、時には熱い議論を交わしながら、ブランドを一緒に大きくしていける方を探していましたね。
――今回のマーケターさんを採用する決め手はどこでしたか?
西尾氏:事前のプレゼンテーションの際に、一緒に働くイメージが湧いたのが大きいですね。
たった一回の面談で全てがわかる訳ではありませんが、すごくブランドのことを考えて準備してくれたのかが伝わりました。しかも、ネット上にある情報だけでなく、実際にby meの商品を買って試してくださっていたんです。その上でブランドの世界観も理解してくださり、by meが目指したい事業拡大や広告戦略のポイントを提案していただきました。
実際に「ブランドの世界観を大事にしてると思うので、その中でどのようにクリエイティブを作成・運用していくのか」「世界観を崩さずにどうCVRを上げるのか?」といった議論も初回の面談からできたので、このマーケターさんなら今後も一緒に議論しながらブランドを伸ばせそうと確信しました。
参画したマーケターのコメント
初回面談の時から、メンバーの方々がby meのことをどれだけ愛しているかが伝わっていました。広告を中心に集客面で貢献できる自信があったのは前提ですが、何よりブランドへの愛と熱量を感じ、ぜひお力になりたいと思いました。
マーケタープロフィール | |
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大学卒業後、新卒で広告代理店に入社。100社近くのマーケティング支援に関わりながら、マネジメント・営業・人事を経験。その後、事業会社に転職し、マーケティング責任者として売上利益にコミットする役割を担う。 |
外部人材とともに中長期成長戦略の要となるCRMやSEOにも挑戦していく
――現在、どのようにマーケターさんとお取組みされていますか?
伊東氏:Web広告の計測周りと戦略を整える部分からお願いしています。定期的にミーティングも行い、by meのSNS担当とも緊密にコミュニケーションをとりながら、世界観を大事にした戦略設計を支援してもらっています。
このあと実際のWeb広告運用が始まるので、議論を重ねながら事業を伸ばしていきたいと考えています。
――SEOやCRMも今後取り組んでいく際に、外部人材を活用する計画もあると伺いました。
西尾氏先ほど申し上げた成長戦略における短期的な観点でお話しすると、ユーザー獲得の部分ではミエルカコネクトのマーケターに参画いただいて、このまま進めば上手くいくところまで見えてきました。
ただ中長期的な観点で考えると、お客さまと繋がり続けるCRMの領域が大事になってくる。しかし、CRMの知見を持った社内の人材リソースは限られております。by meだけにコミットすることが難しいと考えたときに、ここでも実績のある優秀な外部人材に知見をお借りできればと考えています。
また、新規のユーザーとの接点を増やすという観点では、ユーザーの検索される悩みに寄り添っていくSEOにも取り組みたいと考えています。この部分もぜひミエルカコネクトの外部人材の方と一緒に挑戦していきたいです。
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