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ファッションEC×オウンドメディアでも伸びる! コンテンツ制作のプロを相談役に

有限会社セレクト

(左から)株式会社Faber Company 月岡克博、有限会社セレクト植西理惠氏、山ノ内智也氏、鈴木祐也氏、伊達由季乃氏

ECサイトでは、ファッションの悩みを解決できていなかった

——まずは、オウンドメディア立ち上げのきっかけを教えてください。

山ノ内さん:ECサイトを運営しているだけでは、ファッションに悩む方の求める情報を提供できていない、「優しくない状態」だと思ったからです。

私たちは、「同じ毎日なのに、新しい私」をコンセプトに、30代・40代女性向けのファッションサイト「Pierrot」を運営しています。

忙しい毎日の中でも、例えばひとつトレンドアイテムを取り入れるだけで、鏡で自分の姿を見たときに新鮮な気持ちになれる。そんな瞬間を届けたいと思っています。

しかし、提供していたのは、ECサイトに並ぶ商品の情報だけ。「かわいいし着てみたいけれど、自分に似合ってないのでは」や「いつもと違うファッションに挑戦してみたいけれど、どんなアイテムを添えるべきかわからない」といった悩みに寄り添った提案ができていませんでした。

有限会社セレクト CMO 山ノ内智也氏

——確かに、ユーザーの悩みや疑問までECサイトの中で解決するのは難しいですね。

山ノ内さん:あわせて、当時は新規ユーザーの獲得、LTVの向上ともに停滞気味でした。

そこで新しいことにチャレンジしてみようと、2017年9月にオウンドメディアを立ち上げることにしたのです。

——立ち上げはスムーズに進みましたか?

山ノ内さん:いいえ、非常に苦労しました。というのも、ファッションのECサイトで、オウンドメディアやコンテンツマーケティングを行っている事例が少なかったのです。

社内で説明しても、「完成形の想像がつかない」や「得体の知れないものにコストはかけられない」「社内のリソースは割けない」と言われてしまいました。

それなら、まずは業務外の時間を使って自分一人で進めていこうと、WordPressやSEOの勉強を始めたのです。

——「認めてもらえないなら、まずは自分で」と。山ノ内様をそこまで突き動かした原動力は何ですか?

山ノ内さん:「他社がやってないからこそ、一つくらいそういうメディアがあってもいいのでは」と感じたのです。

ファッションコーデやトレンド情報が載ったまとめサイトはあったものの、それはいろんなところにちらばっている情報をライターの方が拾ってまとめているだけ。

しかし弊社なら、アパレルショップで店員や店長として経験を積み、今もトレンドの最前線をチェックしているファッションのプロがたくさんいます。

彼らの目線から役立つ情報を届けられると思ったのです。

月間80万PV、メディア経由の客単価は約130%に

——メディア公開から1年と少し経ちました。成果はいかがですか。

山ノ内さん:PVは、月間80万PV超くらいで推移しています。

「30代レディースファッション」や「40代レディースファッション」のキーワードで3位以内をキープしていて、他に「コーデ」や「グレンチェック」といったキーワードでも上位に表示されています。

——順調に成果が出ていますね。ECサイトへの影響はいかがですか?

山ノ内さん:コンテンツを始めてからメディア経由の売上が月間300~400万円ほどまで伸びています。特に顕著なのが、メディア経由の客単価が120~130%と高いこと。

ユーザーに寄り添ったコンテンツで信感や納得感を得られたことが、購買意飲にもつながっていると思います。

「ミエルカコネクト」で、コンテンツ制作のプロを相談役に

——現在は弊社からWebマーケター(アフィリエイター)さんを派遣してWeb集客をお手伝いする「ミエルカコネクト」もご契約いただいていますね。

山ノ内さん:そうですね、自分一人で初めて、知識もない中でメディア運営をしていると、どうしても壁にぶつかります。

ミエルカコネクトは、まさにこれをドンピシャで解決してくれたサービスでした。

関西で活躍中のマーケターさんを数名ご紹介してもらった中で、もっとも条件に合う方を採用しました。

——解決できたお悩みの例を聞かせてください。

山ノ内さん:私たちが「現在のうちのフェーズで導入検討すべきツールって何ですかね?」と相談すると、マーケターさんは「このツールは今検討した方がいいけれど、このツールは後でも大丈夫です」「今はこのくらいのプランで充分」など、選定から使い方まで、現在の状況を加味した上で教えてくれます。

また現場に寄り添って、限りあるリソースをどう活かすかなども示唆してくれるので、施策の再現性があります。

例えば「キーワードの分析、王道はこうですけど、御社ならサーチコンソール上で見えている中から見つけていくほうが工数も少なくて済みます」とか。

——なるほど。そういった相談はどうやってやり取りしていますか?

山ノ内さん:リモートでのチャット相談と月1回定例会への参加をお願いしています初期の定例会への参加をお願いしています。

初期の定例会で、弊社が取ったアクセス解析結果を見て、「ほんまにこの数字、合ってます?」と指摘をいただきました。調べたら大きな計測漏れが発覚して…。

「現状把現が正しくなかった」とわかったのは衝撃でしたね。

今ご指導いただきながら仕相みを整備している最中です。初めてのメディア運営だと相場感も分かっていないので、自分たちだけでは穴を見つけられないんですよね。

マーケターさんはそこを補って、メディアの構成や、いかにPDCAを回しやすくするか、その他細々した質問にも知見を活かした回答をしてくださいます。

——相談役がいると、やはり心強いですか?

山ノ内さん:はい。マーケターさんは、これまでユーザーに向き合い、何度もPDCAサイクルを回しながらコンテンツを作ってきた方です。

そんなコンテンツマーケティングのプロからアドバイスをいただけるのは助かります。

SEOコンサルはフレームワークを教えてくれるのですが、現場に施務としては落とし込まれにくい印象です。

その点マーケターさんは、コンバージョン(成果)から逆算して、売上に直結しやすい提案、より優先度が高い施策を提案してもらえるので、やるべきことが明確になるんですよね。

植西理恵氏(以下、植西さん):マーケターさんと議論すると私たちにも次の質問が出て、現場が活性化します。そのサイクルの数を増やしたいです。

——10段階でいうと今の満足度は?

山ノ内さん:限りなく10に近いいですね。残りの1は「改善点とか気づいたこと、もっとガンガン提案ください」です(笑)。

ECサイトとオウンドメディアをもっとシームレスに

——最後に、Pierrotとしての今後の展望を教えてください。

山ノ内さん:ECサイトとメディアをもっとシームレスにしていきたいです。

例えば、お客様が「デニム」とサイト内で検索すると、デニムの商品ページだけでなく、オウンドメディアに掲載している「デニムの正しい選び方」や「スタッフおすすめのデニム10選」といった記事も表示したいなと。

そうすると、デニムを購入したい人はECサイトの商品ページに、情報収集段階の人はまずメディアのコンテンツを見て検討できますよね。

——それができれば、Pierrotはより一層、「購入したい人」だけでなく、ファッションへの関心を持ったあらゆる方が集まるプラットフォームになりそうですね。

山ノ内さん:はい。他には、スタッフ間の何気ない「最近マスタードカラーのトレンドが来ているよね」「●●のデザインのコートがかわいい」といった会話をコンテンツにしたり、お客様からの悩みに回答する形式のコンテンツを作れたらいいなと思います。

——お客様の悩みに回答する、インタラアクティブなコンテンツはまだまだ少ないので、実現できれば面白いですね。楽しみにしています。貴重なお話、ありがとうございました!

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