社員9人のBtoB企業の経営危機を救ったのは「Webマーケティング」だった。コネクターに一任し、問い合わせ数2倍を実現
株式会社トリム
「ミエルカコネクトとの取り組みがなければ(会社として)本当に終わっていたと思う」。
市場調査やアンケート調査などの事業を展開する株式会社トリムの代表取締役・小澤武氏は振り返る。
トリムは従業員9人ながらも、高い技術や専門性を有している企業だ。しかし、新型コロナウィルスや外注先との関係悪化で問い合わせ数が激減し、窮地に陥っていた。
そこで取り組んだのが「Webマーケティング」の強化。ミエルカコネクトが伴走し、見事にWebサイトからの問合せは倍増、起死回生を果たした。中小BtoB企業がWebを活用して再生するまでの道のりを、小澤氏とマーケターとして参画した谷口氏に伺った。
外注先との関係悪化、新型コロナ…。「このままでは経営が厳しい」
トリムは一般的な調査会社と異なり、自社開発したツールを用いて、オーダーメイド型の調査~分析を一貫して提供している。通常3日ほどかかる調査を1日で納品することも可能だという。高い専門性や技術を持つが、Webマーケティングは専門外のため、これまでWebサイトの保守や運用を外部のコンサル会社に委託してきた。しかし、突如対応が一変してしまった。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による追い打ちも受けた。展示会などのリアルイベントが開催できなくなったことで、関連する調査の依頼や問い合わせ数が、右肩下がりで急落。小澤氏は「このままでは経営が厳しくなる」と危機感を覚え、すぐにでもオンラインから問合せを獲得しようとした。しかし、これまで頼りにしていた外注先に依頼できないだけでなく、社内に専門的な人材もいない…。何をどうしたらWebサイトから問合せを獲得できるのか、途方に暮れていたという。
【導入理由】「少ない予算内でやれることを一緒に考えてくれた」
そんな状況の中で出会ったのが、Webマーケティング専門の人材マッチングサービス「ミエルカコネクト」だった。「外注先との関係がうまくいっていないときだったので、次は本当に大丈夫か?という不安は正直ありましたね」と語る小澤氏。しかし、ミエルカコネクトの営業担当者に大きく心を動かされたという。
導入理由として「対応できる施策の柔軟さ」もあげられるという。トリムのマーケティング予算は約月20万円で、他社で見積もりを出した際には「その金額ではSEO、もしくは広告だけしかできません」と限定した施策しか対応できないと伝えられるケースがほとんど。
しかし、ミエルカコネクトの場合はそうしたことを心配する必要はなかった。スキルを保有しているマーケターがいれば、限られた予算の中でSEOや開発など複数の領域にわたって依頼をすることも可能だった。
営業から支援までを担当したのは、ミエルカコネクトを運営する株式会社FaberCompanyの吉田朋生(よしだともき)。事業課題のヒアリングからマーケター選定、伴走支援などを一貫して担当している。吉田によると、対応できる領域の柔軟さが、今回のマーケター選定のポイントになったという。
マーケター候補数人と面談後、最終的に選んだのはWebサイト改善や広告などの経験が豊富な谷口和弥(たにぐちかずや)氏。フリーランスとして活躍しているWebマーケターで、中小BtoB企業の支援を得意としている。「谷口氏なら必ず成果を出せるはず。自信を持って紹介しました」と吉田は振り返る。
「中小BtoBのWebマーケでは、穴の開いたバケツ状態のWebサイトを改善することが先決」(谷口氏)
コネクトのマーケターとして支援にあたった谷口氏はトリムのWebサイトについて「綺麗に作られているが、具体性に欠け、何を伝えたいかがわかりづらい印象だった」と語る。そこで「どんな顧客層を求めているのか」「いま現在の顧客像」などを小澤氏にヒアリング。ペルソナを策定したうえで、トリムのWebマーケティングを進めていった。
谷口氏によると中小企業のWebマーケティングで重要なのは、予算内で最大の成果を得るための戦略を立案することだという。今回マーケティング費用も人員も限られていたため、いきなり全ての施策を行うことが不可能。そこで第1フェーズ「CVR(コンバージョンレート)改善」、第2フェーズ「集客」、と徐々に施策を進めていく方針をとった。
最初から「集客」に力を入れたとしても、CVせずサイトから離脱される割合が高ければ、お金をかけて取り組んだとしても意味がない。いわば穴の開いたバケツ(=Webサイト)に、水を流し続けているようなもの。トリムのWebサイトには改善できるポイントが多数存在しており、ユーザーにとって魅力的で、不安を感じることなく購入や申し込みに進めるようなサイトにしておく必要があった。
➀Webサイトの刷新
まず取り組んだのが、Webサイトの改善だ。何をどのように修正したのだろうか。
改善前と比べて改善後のサイトは、企業としての強み(独自性)や選ばれる理由、どんな課題を解決できるのかが一目でわかるようになった。ビジュアルも使い丁寧に説明されているため、「ここなら安心して依頼できそう」と思える方も多いのではないだろうか。谷口氏によると、文言の追加や修正、パーツの追加など地道に改善を続けたことで、WebサイトのCV率は0.3%→1.19%に改善したという。
➁リスティング広告の改善
サイトの改修によりCVRも改善が見られるようになってきたので、次に行ったのがリスティング広告の見直しだ。トリムでは以前からリスティング広告を配信していたが、外注に依頼していたため細かいことまで把握できなかった。そこで改めて調査をしてみると、5年前のアカウント状態でそのまま配信され続けていたことがわかった。谷口氏はアカウント構成の整備に着手し、効果測定と改善をきちんと回せる広告体制作りを進めていった。
Webでの問い合わせ数は約2倍に。数だけでなく質も向上
サイト改善やリスティング広告運用改善などを進めた結果、Webサイト経由の問い合わせ数は以前の約2倍にまで成長した。新型コロナウイルスなどで大きな打撃を受け、依頼数や問い合わせ数などが右肩下がりだった。「本当にこの取り組みがなければ(会社として)終わっていたと思う」と小澤氏は語る。
また、問い合わせの数が増えただけでなく、問い合わせの質も向上している。
以前は個人や中小企業からの問い合わせが主流で、優良顧客である上場企業や大学の研究室からの問い合わせは珍しかった。
しかし、今回の取組みで優良顧客からの問い合わせが急増し、より具体的な問い合わせにつながっている。
質を変化させた改善策の一つが、Webサイト内に納品実績を掲載したことだ。どんな企業がどんな依頼をしているのか?が一目でわかるため、信頼感が醸成され、これまでアプローチが難しかった優良顧客から問い合わせが増えているとみられる。
二つ目が価格サンプルを新たに設置したことだ。
これまでは「アンケート集計500枚、質問20項目でいくらですか?」のような漠然な問い合わせが多かったため、回答がしにくく営業をかけても工数がかかっていた。
しかし、「どの程度の業務量でいくらの費用が発生するのか」という価格サンプルがあることで、それを参考にして具体的な問い合わせが来るように変化した。
「アンケートを約500枚集めたい。アンケートの設問設計はこうして、質問数は〇問作りたい。〇円以内ですむのか?」などのように、詳細まで書かれた問い合わせがくるように。その後の営業活動もしやすくなっているという。
デジタルシフトの第一歩。支払った金額以上のものを、コネクトとの取り組みで得た
今回の取り組みを振り返って、小澤氏と谷口氏は以下のように語った。
最大のピンチをチャンスへ変えることができたトリム。引き続き、新たな顧客との出会いを創造していく。
【編集後記】
コロナ禍であらゆるもののオンライン化が進んだことは、地方や中小企業にとってはある意味チャンスかもしれない。Webマーケティングを駆使すれば、地方から日本全国ひいては世界中を市場にすることが可能だ。
一方、地方・中小企業ではWebマーケティングの知見を持っていない、採用しようとしても人が居ないなど課題も多い。即戦力のWebマーケターをパートナーとして迎えるというのは、すぐできる新しい解決の形なのかもしれない。
ミエルカコネクトではWebマーケティングを始めたい、強化したい企業さまのご相談をお待ちしております。
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