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新規事業立ち上げのマーケティング戦略のポイントとは?失敗事例も解説

新規事業立ち上げのマーケティング戦略のポイントとは?失敗事例も解説

企業成長を加速させる新規事業立ち上げ。事業を立ち上げるためには商品やサービスを作ったら完了ではなく、短期的にも長期的にも顧客に選ばれて買われるためのマーケティングが不可欠です。

そこで、本記事では、新規事業におけるマーケティング戦略の失敗例や、新規事業を成功させるためのマーケティング戦略立案のステップについて詳しく解説していきます。

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新規事業におけるマーケティング戦略の重要性

新規事業を成功させるためにはマーケティングが重要です。2017年中小企業白書概要において「新事業展開に成功する企業は、マーケティングに注力している。また、マーケティング活動の評価・検証まで実施する企業は利益率の増加、従業員の意欲向上といった効果を得ている。」と新規事業におけるマーケティングの重要性が述べられています。

当然、新規事業においてはユーザーもおらず売上も立っていません。どんなにいいプロダクトやサービスを開発しても、実際にユーザーに選ばれなければ世の中で使ってもらえる状態にはなりません。ユーザーに使ってもらうために必要なのがマーケティングです。

ユーザーに届けるためには、

  • ターゲットとする顧客はどのような人にするか?
  • 顧客はどんな課題・ペインを抱えているのか?
  • 直接競合・間接競合はどのようなマーケティングを行っているか?
  • その市場の中で自社はどんなベネフィット・差別化要素を訴求するか?
  • 顧客に届けるために最適な販売チャネル・価格・商品はどのようなものにするか?

などを明確にする必要があります。

もう少しシンプルに言い換えると「誰のどんな課題を解決するのか?それをどう届けるのか?」を明確にする。これがマーケティング戦略です。

広告のやり方、Webマーケティングのやり方、営業のやり方などのHOWがどんなに良くても、戦略が間違っていてターゲットや訴求がズレていたら事業が大きく伸びることはありません。戦略とHOWが伴うことで、新規事業の成長や成功に導くことができます。

新規事業のマーケティング戦略の失敗例

セブンイレブンの生ビール「ちょい生」

2018年にセブンイレブンが東京都内の数店舗でビールサーバーを利用した生ビールの試験販売を行う計画を立てていましたが、実施する前に中止になりました。

中止の理由は、反響が大きく、需要が想定以上に高まり、店舗での対応、品質を維持することが困難であるとセブンイレブンが判断したからになります。

「ちょい生」と称しSサイズ100円、Mサイズ190円で販売が予定されていました。コンビニで缶ビールを買うと250円前後、居酒屋で生ビールを飲もうとすると300〜400円程度はかかる生ビールをコンビニで安く購入できるということで、顧客のニーズが想定以上に高まるという結果になりました。

顧客のニーズの調査不足と価格設定の戦略ミスによる事業の失敗の例と言えます。

ZOZOのプライベートブランド「ZOZOSUIT」

ZOZOTOWNを運営するZOZOが行っていた「ZOZOSUIT」は、スーツを着てスマホのカメラで撮影するだけで身体を採寸できる手軽さが特徴で、無料配布マーケティングもされて反響を生んだ商品です。しかし、2022年6月にサービス終了となりました。

総額45億円も投資しましたが、着用後に回転しながら採寸するUIの悪さや、物流配送の遅延によって、顧客ニーズを満たせずに撤退となりました。

ZOZOSUITは今までなかった画期的な訴求のあった商品であることは間違いありません。しかし、まだ物流やプロダクトに問題を抱えていて顧客ニーズを満たせてなかったにも関わらず、無料配布を行って認知度向上を図ったことはマーケティング戦略上の失敗だったと考えます。

AOKIのスーツのサブスクリプション「suitsbox」

2018年に事業を開始したAOKIのスーツのサブスクリプションである「suitsbox」は約半年で事業を中止することになってしまいました。

suitsboxは事業開始後に新規入会を打ち切るほどの申し込みが殺到するほどの集客を行うことに成功しました。しかし、suitsboxが想定していたターゲット層は20代から30代のスーツをあまり買わない層でしたが、利用者の大半はスーツの購入者層の40代でした。既存事業の購買層の40代が安くsuitsboxを利用できてしまうことで、スーツ全体の売上が落ちてしまうというリスクが残ったため、suitsboxの事業は中止せざるをえなくなりました。

想定以上の入会が生まれたことは成功だったかもしれませんが、マーケティング上のターゲットと訴求する商品にズレが起きたことが事業撤退の原因だと言えるでしょう。

新規事業のマーケティング戦略立案の4つのステップ

1.顧客・競合・自社を徹底的に分析する

新規事業のマーケティングを行う際に重要なことは、顧客・競合・自社を徹底的に分析することです。この時よく利用されるのが、3C分析、SWOT分析になります。

3C分析とは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)に分けて、事実ベースで客観的に分類・整理していくフレームワークです。

SWOT分析とは、競合や市場トレンドといった自社を取り巻く外部環境と、自社の内部環境を、プラス要因とマイナス要因に分類して分析する手法になります。分類された各要素は、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)です。3C分析は事実を整理するものですが、SWOT分析は自分の解釈を加えていくことが特徴的です。

これらのフレームワークを活用することによって、自社の現状や競合企業、市場の将来性といった複数の要素を正しく把握することに繋がります。

2.顧客ターゲットとポジショニングを決める

新規事業のマーケティング戦略立案のためには、顧客ターゲットとポジショニングを決めることもポイントになります。すなわち、どのような人のニーズに何を提供するかを明確にするステップです。

新規事業の立ち上げ段階では顧客ターゲットも商品も定まりきっていないところからのスタートにもなるため、立ち上げ段階ではターゲットになりそうな層を複数考えておくと良いでしょう。

ターゲットを考えるためには、業界におけるサービスや商品の立ち位置を、価格や機能などを軸に持つ2次元マップ等に整理するのがおすすめです。

そして、顧客ターゲットの設定ができたら、ポジショニングを考える必要があります。言い換えると、どんな差別化されたベネフィットを訴求するのかを考えるステップです。ターゲットに自社商品を欲しいと思ってもらうために、競合との差別化をしながら、市場における自社商品のポジションを確保することが大切になります。

3.マーケティングミックスを決める

マーケティングミックスとは、企業が顧客に商品やサービスを購入をしてもらうために実施する戦略のことをいいます。

マーケティングミックスを構成する要素として4Pがあります。4Pは、商品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の頭文字を取ったものです。マーケティング戦略はこの4Pをしっかりと決めることが大切です。

それぞれのポイントについて解説します。

商品(Product)

商品を開発する際には、事前に決めた顧客のニーズを満たすことができる商品か、または良い顧客体験を得ることができてメリットがある商品かを考えることが必要になります。最新の技術を搭載した高性能の商品を開発したとしても、顧客のニーズを満たしていなければ商品を購入してもらえません。まずは顧客が欲しいと思うような商品は何かということを、忘れず念頭におき商品を開発していきます。

価格(Price)

商品をいくらで販売するか適切な価格を考えます。その際には、消費者が購入したいと思える金額か、商品の価値にあった金額であるか、顧客が望んだ利益を出せるかといった点を考慮しつつ、市場のニーズや競合商品をきちんと把握した上で設定することが必要です。
このサービスで売上を伸ばすためには、どれくらいの値段が適正であるかということを考えて価格設定をしましょう。

流通(Place)

価格を設定したら、商品をどのような経路で流通させるかを決めなければなりません。流通方法はBtoCの事業であれば代理店や小売店を経由して販売したり、ECサイトを用いてオンラインで販売したりするなど様々な方法があります。
BtoBの事業であれば営業といった手法も含まれます。顧客のニーズや商品の特性などにあった流通方法を用いましょう。

プロモーション(Promotion)

最後にどのように商品を顧客に認知してもらえるかというプロモーションを考える必要があります。プロモーションの方法には、テレビCMや新聞広告などのマス広告を利用したり、Web広告やメールマガジン、SNSのようなデジタルマーケティングという方法も多く用いられています。

想定しているターゲット層によって用いるべき方法は異なります。例えば高齢者向けのサービスであれば、新聞折込やポスティングのような手法が適切なことも考えられ、一方で高齢者の利用率が低いSNS広告を利用したプロモーションは効果が低いでしょう。

このように想定しているターゲット層に適したプロモーションを考えることが大切です。

4.リサーチを実行してPDCAを回す

ターゲットとポジショニング、マーケティングミックスを決めたら、実際にテストマーケティングを実行してPDCAを回しましょう。

具体的には、

  • ターゲットとなる層の市場規模が十分にあるか?
  • そのターゲット層はどんな悩みを抱えているのか?
  • 悩みに対してどんな訴求であれば響くのか?

などを、アンケートや顧客インタビュー、少額でのテストマーケティングを行いながら、何が最も事業成長が見込めるのかを見極めていきます。

テストを行うときは、反応が即座に返ってきて、定量的に分析ができるデジタルマーケティングを活用するのがおすすめです。

リサーチした結果うまくいかなければ、また3C分析やターゲットの検討などのフェーズに戻ります。マーケティング戦略案を考え、それをリサーチして検証するという一連のサイクルを、何度も何度も繰り返しながら戦略を練っていくことが大切です。新規事業のマーケティング戦略を考えることはスマートな仕事に見えますが、とても泥臭い一面を持ち合わせていると言えるでしょう。

まとめ

新規事業立ち上げを成功させるためにはマーケティング戦略をしっかり立てることが非常に重要になります。

しかし、顧客のニーズや市場を徹底的に分析し、その分析を元に適切なマーケティング戦略を考えるためには、多くの知識のインプットやスキルが求められます。例えば、良い新規事業のマーケティング戦略を作るためには様々な事業やサービスの事例を知っている方が精度が高くなりますし、インタビューやアンケートのような調査にもコツやスキルが必要です。

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この記事を書いた人

塩原 正隆 / Shiobara Masataka

塩原 正隆 / Shiobara Masataka

WEBマーケティング歴7年。SEO・広告などのマーケティング施策はもちろん、事業戦略レベルからの伴走が強み。年間売上20〜30億円の事業の副部長として、WEBマーケティングや事業開発領域を統括。現在は株式会社wellyの取締役として、戦略立案、SEOメディア運営、SNS運用、EC事業の推進などに取り組む。

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