DX人材不足を解消する3つの方法!DX人材不足による「2025年の崖」とは?
デジタル技術の進化に伴い、将来の成長、競争力強化のために、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への流れが加速しています。
一方で、多くの企業が、DXの必要性を理解しつつも、デジタル化を進める上での障壁として、DX化を進める中での「DX人材不足」に課題を抱えています。
実際に、総務省が2022年7月5日に公表した「令和4年版情報通信白書」では、企業の67.6%が一番の課題として人材不足を挙げています。
この記事では、そのようなDX人材不足の現状と、DX人材不足を解消するための対応策についてご紹介します。
目次
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がAIやビッグデータなどのデジタル技術を活用し、企業内部の業務フローの改善や新しい製品やサービスやビジネスモデルの創出など、変革を図ることで新しい価値を創出し、市場での競争上の優位性を確立することを意味します。
近年、外部市場(顧客、購買行動)が劇的に変化している時代となっており、DX推進は、企業にとって重要なテーマとなっています。
DX化の遅れによる経済産業省の経済損失「2025年の崖」とは?
2018年9月に経済産業省が発表したDXレポートにて「2025年の崖」として、2025年以降、年間、最大12兆円の経済損失が生じる可能性を指摘しています。
同レポートでは、現状の課題として、以下の3点を指摘しています。
既存システムが複雑化・ブラックボックス化してしまっている原因は、事業部門ごとに構築されて全社横断的なデータ活用ができなかったり、過剰なカスタマイズがなされているなどといわれており、多くの企業が問題を抱えています。
同レポートでは、データを活用しきれず、DXを実現できないために市場の変化に対応してビジネス・モデルを柔軟・迅速に変更することができず、 デジタル競争の敗者になってしまうと警鐘を鳴らしています。
引用元:総務省「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開
不足するDX人材(デジタル人材)とは?
DX人材(デジタル人材)とは、デジタル技術を活用し、企業や組織の事業・業績の改革を推進する人材です。
特に、「令和4年版情報通信白書」での調査でも、「社内の生産性向上」や「データ分析・活用」をDX化の目的として取り組む企業が多く、そのような目的を達成できる人材を指します。
引用元:総務省「令和4年版情報通信白書(PDF版)デジタル活用の動向
DX人材は、エンジニアのようなデジタル技術を持っている人材だけでなく、DX化のプロジェクト全体を推進する人材など、役割は様々です。
IPA(情報処理推進機構)では、HP上の様々な資料において、DX人材を以下のように定義しており、これらのDX人材の確保・育成を今後の大きな課題として挙げています。
DX人材の採用にとって、これらのDX人材の役割を理解し、自社で足りないDX人材を見極めることが非常に重要です。
引用元:IPA(情報処理推進機構)
人材の呼称例 人材の役割 プロデューサー DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材(CDO含む) ビジネスデザイナー DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材 アーキテクト DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材 データサイエンティスト/AIエンジニア DXに関するデジタル技術(AI・IoT等)やデータ解析に精通した人材 UXデザイナー DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材 エンジニア/プログラマー 上記以外にデジタルシステムの実装やインフラ構築等を担う人材
DX人材の不足を解消できる3つの方法
DX人材を獲得するには、以下3つの方法に大別できます。
▼詳しくはこちらの記事で解説しています。
DX人材とは?DX人材の採用・育成方法と採用する際の注意点について解説
不足するDX人材に必要なスキル
不足するDX人材に必要なスキルは、大きく分けて次の5種類です。
- IT関連の知識
- 先進技術に対する好奇心・興味関心
- UI/UX思考力
- 目標設定・課題解決スキル
- プロジェクトマネジメント能力
すべてのスキルを一人で持っている必要はなく、自社で足りていないスキルを見極めてDX人材を確保することが重要です。
1. IT関連の知識
エンジニアなどの開発業務を行う場合は特に重要なスキルとなりますが、その他のメンバーにも基礎的なIT関連の知識は不可欠です。
チーム全員が高度なデジタルリテラシーを持つ必要はありませんが、エンジニアなどの技術職と適切に協力していく必要があるためです。
さらに、DX化を推進していくには、社内外のさまざまな関係者の理解を得るために、知識のない方に説明する場面も発生します。
そのため、IT関連の基礎知識を持っておくことは非常に重要です。
2. 先進技術に対する好奇心、興味関心
DXは「一度完了したら終わり」ではありません。
上述の「2025年の崖」のように作ったシステムがレガシー化してしまう可能性があるためです。
そのため、デジタルの先端技術に対して常にアンテナを張り、変革し続ける必要があります。
3. UI/UX思考力
どれだけ最先端のデジタル技術を取り入れたとしても、利用者にとって使いやすいシステム、サービスでなければ継続して利用されることはありません。
使いづらいシステムとなってしまい、逆に、以前よりも生産性が落ちてしまったというケースも少なくないです。
そのため、デザイン面や活用方法まで思考できるUI/UX思考が重要です。
4. 目標設定・課題解決スキル
DX化を推進することで、達成したい目標を適切に設定し、課題解決を計画できることが必要です。
例えば、アンケートや社内システムでデータを集めることはできたけれども、そのデータをどう利用するかわからずに、データを取得しただけになってしまった、という経験はないでしょうか。
このように、データ活用であれば、そのデータをどう生かしていくかまで考えることが重要です。
社内の業務改善が目的であれば、目的を達成するための現状の課題を把握し、その中で適切な目標・課題解決策を検討することが必要です。
5. プロジェクトマネジメント能力
DXは、新しいITツールの導入だけでは完成しません。
社内や部署全体に関わる大規模なプロジェクトとなり、社内外のさまざまな関係者の理解を得たり、改善に対するアイデアをもらうなど、協力を得る必要があります。
そのため、プロジェクト全体を管理、運営できるスキルが問われてきます。
まとめ
この記事では、DX人材不足の現状と、DX人材の職種、スキル、解消方法について解説いたしました。
DX人材は企業の成長にとって、非常に重要な人材となっている一方で、新しい分野であることから手探りの状態で進める企業が多いのが実情です。
特に、実現するために必要なDX人材の確保は難しく、どの企業も課題感を感じています。
そのため、まずは、自社での採用だけでなく、外注などを活用して小さく始めながら、自社のフェーズにあったDX化を推進することをおすすめします。
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この記事を書いた人
奈良 優作 / Nara Yusaku
京都大学在学中にWebマーケティング会社の立上げに携わり、3年従事の後、株式会社NIBALを創業。SEM戦略の立案に強みを持つ。戦略の検討からSEOコンテンツ制作まで対応しサービス立上げなどに深くコミット。京都の中小企業様~上場企業まで幅広く支援。
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