EC/ネット通販のコンサルティングを外部に依頼する前に企業担当者が注意すべきこと
EC/ネット通販の事業拡大のためにコンサルティングを受けるときは、事業の形態や規模によって「受けるべきコンサルティングの種類」が異なることに注意が必要です。
たとえば個人~数人規模で運営するECモールショップであれば、売れ筋商品の開拓とリピート促進など「部分的な支援」で十分。一方で中規模以上になると、ECモールストアと自社通販サイトそれぞれに課題が異なるなど、対応が複雑化します。
大規模ストアでは、コンサルだけでなくそもそも全体の「業務代行」へのニーズも生じます。
そのため、企業担当者はまず「自社がどのフェーズにあるのか」を正確に把握することが、コンサルティングで業務改善するための第一歩。
自社がどのフェーズにあり、どのような施策で売上が伸びるのかという「課題認識」の段階で躓いている場合は、まずは専門家に相談してみましょう。
本記事では以上の点を踏まえ、EC/ネット通販のコンサルティングを依頼する前に、企業担当者が注意すべきことを解説します。
目次
EC/ネット通販は複数チャネルへの展開が主流 | チャネルごとの売上最大化の施策を検討しよう
ECは複数チャネルでの展開が主流です。多くの場合は「自社のECサイト」に加え、自社にマッチするECモールに複数出店しています。しかし、ECサイトにもいろいろ種類があるので、チャネルごとの売上最大化の施策を検討することが大切です。
プラットフォームごとのEC/ネット通販のコンサルティングの主な施策
EC/ネット通販のコンサルティングの主な施策は、利用するプラットフォーム/ECモールによって以下のように異なります。
- 自社EC/通販の場合⇒フォーム最適化などCVR改善
- Amazonの場合⇒カート獲得戦略とスポンサープロダクトの活用
- 楽天の場合⇒楽天SEO対策とサムネイル改善
ここからは「自社EC/通販サイト」「Amazon」「楽天」の3つのプラットフォームに着目し、それぞれの特徴と売上改善策の代表例を解説します。
自社EC/通販の場合 | フォーム最適化などCVR改善
自社EC/通販は、Amazonや楽天といったECモールに比べ、利用者の個人情報を取得しやすいプラットフォーム。そのため「リピート施策」を打ちやすく、LTV(顧客生涯価値)つまり「1人の顧客から得られるトータル利益」が大きくなりやすいことが特徴です。
一方で中小規模のECサイトに個人情報を入力することへのユーザーの抵抗感は、EC運営者が思うよりも強いです。そのため「EFO(フォーム最適化)」を導入する余地と効果は非常に大きいです。
ただし適切なフォーム最適化を行うためには、「商品ページの閲覧数」「カゴに入れた商品数」「入力フォームへの到達数」など、段階ごとのユーザー数のウォッチも併せて必要です。そもそも「計測体制が作れていない」「競合に何が及ばないか把握できない」などの場合は、コンサルタントが現場に入って並走しながら改善する余地があります。
D2C × サブスク型の自社通販/ECの場合 | 顧客のLTVを重視した戦略設計が重要
近年では自社通販/ECの新たな形として、自社で商品開発→サイト構築→物流設計→広告運用→CRMまでこなす「D2C(Direct to Consumer)×サブスクリプション」のビジネスモデルも広がっています。
国内では、完全栄養食を提供する「BASE FOOD」が、D2C × サブスクの成功例として有名。同社は効率的な栄養補給ができる「主食」を自宅に届けるというビジネスモデルで、この分野における「パイオニア」としての地位を確立しました。
なおD2C × サブスクのビジネスモデルは、ユーザーの申し込み直後は商品を初回無料や大幅な割引価格で提供するケースが多く、リピート購入で初めて収益が得られます。そのため「CRM(顧客関係管理)戦略」の設計や、解約率を低く保つためのノウハウも重要です。
Amazonの場合 | カート獲得戦略とスポンサープロダクトの活用
「Amazon」では、「カート獲得戦略」と「スポンサープロダクト」が重要です。カート獲得戦略とは、他の出品者より目立つ位置に「カートに入れる」ボタンが表示される状態を作ること。
カート獲得戦略を成功させるためには、競争力のある価格設定やプライム便発送への切り替え、優れたカスタマーサービスなどが必要です。
ところがメーカーが自社商品を販売する場合、同じ商品を安値で販売している再販売業者にカートを取得され、売上をつくれないケースがほとんど。この場合は商品ページを新規作成したうえで、スポンサープロダクト広告を活用したレビュー集めや、相乗り出品を防ぐための商品ページの工夫が求められます。
これらの施策は、いずれも「商品ページ作成」「カート獲得のアルゴリズムへの理解」「広告運用スキル」が必要で、意外とハードルが高いです。少しでも難しいと感じたら、コンサルにサポートを依頼してみるといいでしょう。
楽天の場合 | 楽天SEO対策とサムネイル改善
「楽天市場」では、「楽天SEO対策」と「サムネイル改善」が重要です。
楽天SEOに取り組むときは、楽天内のサジェストキーワードを過不足なく盛り込んだページ構成や、商品タイトルを意識しましょう。またレビュー集めの施策を行うことや、商品ページに動画を載せるか検討することも重要です。
とはいえ楽天SEO対策では、「キーワード選定」から実際のページ作成・動画撮影・レビュー集めなど、担当すべき範囲が広いので1人では手が回らないことも。「何をすべきか分からない」「リソースが足りない」などの場合は、コンサルに依頼する余地があります。
その他の場合 | Yahoo!ショッピングやクラウドファンディングの活用も広まる
その他のプラットフォームとして、「Yahoo!ショッピング」などのECモールや、「CAMPFIRE」のようなクラウドファンディングも有名です。
これらの媒体でも、特有の販売戦略や施策が必要なので、少しでも「分からない」「難しい」と感じることがあれば、コンサルに相談してみましょう。
EC/ネット通販のコンサルティングを外部に依頼する際の注意点
EC/ネット通販のコンサルティングを外部に依頼するときは、以下2つの点に注意しましょう。
- 自社の「課題」を可能な限り言語化しておく
- アドバイスを受けるだけでなく「実行」する
自社の「課題」を可能な限り言語化しておく
コンサルに依頼する前に、自社の「課題」を可能な限り言語化しておくことが大切です。たとえば「D2C × サブスク」の場合は、「OEM会社の選定」「サイト設計」「広告運用」「CRM」など、どこに問題があるかを明確化することが重要です。
ECモールの場合は、「ページ作成」「モール内SEO」「利益率」など、自社が抱えている課題があるはずです。ECモールの打ち手は多様なので、自社が使用する媒体や課題によって、受けるべきコンサルティングの内容も実行すべき施策も変わります。
「そもそも課題の言語化が難しい」場合は、その点も含めて専門家に相談してみるといいでしょう。
アドバイスを受けるだけでなく「実行」する
アドバイスを受けるだけでなく「実行」することも重要です。売上を伸ばすための方法論や具体的ノウハウをコンサルタントから得たら、それらを自分達の「ToDo項目」として捉えてしっかり実践しましょう。
なぜなら、多くのEC事業者は店舗運営業務で忙しく、ECサイトの改善は後回しになりがちだからです。ToDo項目の期限を決めて、アクションに対して店舗側がコミットしていくための、店舗側の「熱意」もなければ成果は出ません。言い換えれば、コンサルタントの施策を確実に実行できれば、競合との差別化が図れるということです。
ECのコンサルティングならミエルカコネクトで、一流フリーランスを活用!
通販サイト/ECモールのコンサルティングを受ける前の注意点について解説しました。ECモールやプラットフォームは多様化しており、媒体によって打つべき施策は大きく異なります。自社が抱えている課題を見極め、適切な施策を実行することが、収益改善のために重要です。
しかし、ECモール改善のための戦略策定や施策の実行には、専門的な知識が必要です。そこで、ECのコンサルティングを経験豊富なフリーランス・副業に依頼してみてはいかがでしょうか。ECサイト運用のための確かなスキルがあるうえに、現場にメンバーとしてコミットしてくれます。
「ミエルカコネクト」では、ECサイトのプラットフォームや予算にあわせて、最適なマーケターをご紹介します。通販サイト/ECモールの運用でお悩みの方は、ぜひご相談ください。
この記事を書いた人
関 和音 / Seki Kazuto
音楽ライターを経て、プログラミングスクールのオウンドメディアのSEOを担当。月間20万PVのサイトを月間100万PVにグロースさせた後、月間300万PVの女性向けキュレーションサイトのマネージャーを担当。独立後はフリーランスとして多くのクライアントのコンテンツマーケティングを行う。SEOはコンテンツマーケティング・DB型SEOの経験が豊富。他、広告運用、MA、サイト売買の知見や、趣味のプログラミングでSEOツールをPythonを使い自作するなど、エンジニア系集客や技術的知見が必要なものも執筆可能。
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