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広告運用のインハウス化を成功させるには?実現ステップやポイントを解説

広告運用のインハウス化を成功させるには?実現ステップやポイントを解説

「インハウス化を検討しているが、何から始めればいいかわからない」
「インハウス化はどのように進めていけばよい?」

こんな悩みをお持ちではありませんか?

広告運用のインハウス化とは、広告運用を広告代理店や専門業者に依頼するのではなく、自社で全てあるいは部分的に管理・運営することです。インハウス化することで企業側にさまざまなメリットがあります。

そこで本記事では広告運用のインハウス化について、目的やパターン、インハウス化をする5つのステップについて解説していきます。

☑参考:Web広告運用に必要なスキルとは?効果的なWeb広告運用のコツも紹介
☑参考:広告運用の人材はなぜ必要?雇用する方法・外部マーケターのメリットとは

広告運用をインハウス化する目的3つ

広告運用をインハウス化する主な狙いは以下の3つです。

  1. 代理店手数料を削減して広告予算を直接投下できるコスト効率
  2. クリエイティブ変更や入札調整を社内で即断即決できるスピード
  3. 運用データとノウハウが組織内に蓄積され長期的にROIを高められる学習効果

広告代理店に任せると手数料(広告費の約20%)がかかり、CPA(顧客獲得コスト)が割高になります。たとえば広告費を100万円に設定した場合、20万円が手数料として差し引かれ、実際に配信されるのは約80万円分です。一方、インハウス運用であれば代理店に支払う手数料が不要となるため、同じ予算でもより多くの広告配信が可能です。

さらに、社内で迅速に戦略を立てて実行できるため、市場の変化へのタイムリーな対応や、自社事業への深い理解を活かした精度の高いターゲティングやクリエイティブ制作にもつながります。

広告運用のインハウス化に向いている企業・向いていない企業

次に、広告運用のインハウス化に向いている企業と向いていない企業について具体的にみていきましょう。

(1)広告運用のインハウス化に向いている企業

広告運用のインハウス化に向いている企業は以下の特徴を持つ企業です。

  • 競合性が低い・CPA許容が広いなど、比較的難易度が低い
  • 運用媒体の種類が少ない
  • キャンペーン量・更新頻度が高い
  • デジタル比率が高く、製品ライフサイクルが短い
  • 自社でデータ基盤・分析チームを保有
  • 採用・育成に投資できる組織文化がある

これらの条件がそろっている企業では、インハウス化によって柔軟かつ効果的な広告運用が可能になり、コスト削減やスピード向上といったメリットを最大限に引き出すことができます。

(2)広告運用のインハウス化に向いていない企業

次のような条件に当てはまる企業は広告運用のインハウス化が難しいと考えられます。

  • 競合性が高い・CPA許容が狭いなど、難易度が高い
  • 運用媒体の種類が多い
  • 季節イベント中心・キャンペーンが散発的
  • 社内にマーケ人材が少なく採用競争力も弱い

広告運用の難易度が高い業界(競合が多い、CPA許容が厳しいなど)や、複数媒体を扱う企業では、インハウス化による社員の負担が大きくなるため難しい傾向にあります。とはいえ、広告予算が大きいほどインハウス化によるコスト削減効果は大きくなるため、内製化の検討はしていきたいところです。

逆に広告予算が少ない企業では、運用の難易度も比較的低いため、段階的に内製化を進めていくのもおすすめです。一方で、たとえば広告費が月200万円の場合、代理店手数料は月額で約40万円です。そのため、この費用を人件費に充てて内製化を図るという選択もありますが、その予算内で高度な運用スキルを持つ人材を確保するのは難しいこともあります。

このように、広告予算の規模や求められる運用スキルによって、インハウス化の適否は変わってきます。自社の状況に応じて、慎重に見極めることが重要です。

広告運用のインハウス化の3つのパターン

広告のインハウス化には3つのインハウス化のパターンがあります。それぞれのメリット・デメリットと合わせて解説するので、それらを慎重に比較検討して自社のリソース・体制にあわせ目標に最適なパターンを選択しましょう。

  • 自社完結型
  • パートナー併用型
  • 運用代行型

(1)自社完結型

自社完結型は自社で戦略立案から運用作業までを一貫して実施するパターンです。

迅速かつ柔軟な意思決定が可能となり、自社のビジネスモデルやターゲット市場に最適化された広告戦略を展開できるのが魅力です。またインハウス化の3つのパターンの中で最もコストを削減でき、ノウハウを社内に蓄積できるのもメリットです。

メリット デメリット
  • 社内での迅速かつ柔軟な意思決定が可能
  • 自社に最適化された広告戦略の展開が可能
  • コストを最適化できる
  • 柔軟性を持った 迅速な対応が可能
  • 人材確保・育成が難しい
  • 外部の情報や最新の情報収集が難しい
  • 担当者の負担が増える(兼任の場合)

このような自社完結型は、自社に専門知識を有する人的リソースや全てを担える体制が揃っている企業に最適です。

☑参考:Web広告運用の内製化のメリット・デメリットとは?内製化のポイントまで詳しく解説

(2)パートナー併用型

パートナー併用型は戦略づくりや施策の立案など自社に不足する専門スキルの補完は外部パートナー(フリーランス等)に依頼し、実際の広告運用は自社で行うパターンです。

外部パートナーへの依頼範囲を戦略から施策決定までと限定することで、コストを抑えつつ必要な専門性を確保できます。また、外部人材の柔軟な戦略立案や最新トレンドも取り入れた広告展開ができるのもメリットです。ただし、外部と連携することでコストや連携、スピードの面でデメリットもあるので注意が必要です。

メリット デメリット
  • 専門知識を持つ人材の確保や育成が不要
  • 最新の知識・スキルを活用できる
  • コストを最適化できる
  • 専門知識・ノウハウの社内への蓄積が可能
  • 柔軟性を持った 迅速な対応が可能
  • コンサルティングのコストが必要
  • 外部の情報や最新の情報収集が難しくなる
  • PDCAが遅くなる可能性がある

パートナー併用型は、広告の質をキープしながら段階的に社内のリソースを整備したい企業に最適なパターンです。

☑参考:広告運用コンサルに運用型広告を依頼するには?代理店など依頼先の例や依頼内容の精査のコツ
☑参考:広告運用は外注すべきか?メリット・デメリットや外注先の選定ポイントも解説

(3)運用代行型

運用代行型は、戦略は自社で判断・決定し、それを実現するためのクリエイティブ制作を含む運用を外部パートナー(フリーランス等)に委託するパターンです。

メリット デメリット
  • 運用に関する社内のリソースを節約できる
  • 柔軟性を持った迅速な対応が可能
  • 代行費用が掛かる
  • 社内に広告運営ノウハウが蓄積されにくい
  • 戦略が適切に伝わらないと効果ができにくい
  • 連携の手間がかかる

運用代行型は、戦略面を自社で行い、運用面でのリソース不足の解消やコストの低減を実現したい企業に最適です。

広告運用のリソースが不足している企業が、いきなり自社完結を目指すのは非現実的です。まずは社内リソースを活かしつつ、外部パートナーの力を借りて段階的にノウハウを蓄積し、将来的な内製化を目指すのが現実的でしょう。

☑参考:広告運用を業務委託する際の費用相場は?代理店と個人の違い、成功する依頼のポイントを解説

広告運用のインハウス化を成功させるための5つのステップ

5つのステップにより、広告運用のインハウス化を成功させ、効果的に広告宣伝を展開することができます。

  1. インハウス化の目的と現在の課題・問題点の明確化
  2. インハウス化の目標設定の明確化
  3. インハウス化する業務の選定と必要な人材・ツールの確保
  4. ロードマップの作成
  5. 社内体制と運用ルールの構築

(1)インハウス化の目的と現在の課題・問題点の明確化

インハウス化に向けた第一歩として、自社の現状を整理するために以下を明確にしておく必要があります。

  • 背景と目的の整理:「なぜ内製化が必要か」を言語化し社内合意を取る
  • 外部委託業務の現状把握:担当業務範囲、費用、効果を可視化する
  • 社内体制とスキルセットの把握:担当者のスキル状況や配置を整理する
(2)インハウス化の目標設定の明確化

続いて、インハウス化の目標を具体的に設定しましょう。

広告運用のスキルやノウハウのない企業が、いきなり自社完結型を行うのは現実的ではありません。まずは「1年後に自社完結型を目指す」など無理のない現実的な目標を設定します。

(3)インハウス化する業務の選定と必要な人材・ツールの確保

次にどの業務をインハウス化するかを選定します。その際には次の3点を選定・確保しましょう。

  • 内製可能な業務をピックアップ(SNS広告、リスティング広告、クリエイティブ制作など)
  • 必要なスキルセットを持つ人材の確保(育成or新規採用or外部委託)
  • ツール・システムの導入(広告管理ツール・データ分析ツール・広告管理プラットフォームなど)

(4)ロードマップの作成

設定した目標達成に向けてインハウス化を段階的に進めるために、詳細なロードマップを作成します。

  • インハウス化する業務
  • 実施する時期
  • 必要なリソースの調達時期
  • 人材確保や育成のスケジュール

上記を時系列で示すことで進捗状況がわかりやすくなります。また、ロードマップには中間目標や評価のタイミングも盛り込むことで計画を調整しやすくなります。

(5)社内体制と運用ルールの構築

効果的な広告運用のインハウス化には、業務・責任・権限を明確にする社内体制と明確な運用ルールの整備も必要です。

  • 役割分担と責任範囲の明確化
  • ワークフローの整備
  • 情報共有の方法の整備

上記を明確にしておくことで効率的で透明性の高い運用が可能となります。

広告運用のインハウス化を成功させるポイント

広告運用を外部委託していた企業が一気にインハウス化するのは、非現実的かつリスクが高いアプローチであるため避けるべきです。

まずは社内で自社で対応が可能な領域を明確化し、まずは一部の業務からインハウス化を始めましょう。対応できない部分は外部人材(フリーランス)を活用して広告運用に関するノウハウを貯めながら徐々に範囲を広げていくのがおすすめです。

これによってリスクやトラブルを最小限に抑えながら、社内の人材のスキルアップを図ることができます。さらに、継続的な教育・研修も行うことでナレッジを蓄積し、最終的には自社完結型インハウスを実現できます。

広告運用のインハウス化の成功事例

最後に広告運用のインハウス化を成功させた3つの事例を紹介します。

  • ライオン株式会社|深い事業理解に基づく最適な改善とノウハウの蓄積
  • フローバル株式会社|広告コストを削減し自社の体制を整備
  • 美容医療業界|運用委託費をカットしてCPA改善

(1)ライオン株式会社|深い事業理解に基づく最適な改善とノウハウの蓄積

企業名 ライオン株式会社
課題 D2Cモデルの新ブランド立ち上げに際して、Web広告運用の強化が必要となったが、Web広告運用に詳しい社員がいなかった。外部人材を採用することで、ブランドの世界観を共に試行錯誤できる柔軟な体制を構築するとともに、D2Cブランドとしての顧客との関係構築ノウハウを社内に蓄積することを目指した。
委託内容 広告戦略立案と広告運用代行、社内育成
成果 広告配信による新規顧客獲得の強化と、D2Cブランドの事業成長に必要なノウハウを社内に蓄積する体制の構築を実現。
☑参考:ライオンの新規D2Cブランドの事業成長とマーケティング強化を目指した新しい人材活用

(2)フローバル株式会社|広告コストを削減し自社の体制を整備

企業名 フローバル株式会社
課題 コロナ禍で売上が急落し、売上回復のために広告コストの削減・運用の見直しが必須課題となっていた。広告代理店に委託し、データやレポートを日々確認しているも、社内に知見がないことから、適切な広告運用が行えているのか、不安に感じていた。
委託内容 代理店は併用しつつ、広告費を削減する方向で専門的な立場から広告データを詳細に分析。広告費や媒体、現状の成果などの包括的なディレクションを実施した。
成果 有益なアドバイスやフィードバックにより、約6ヶ月間の取り組みで広告費を20%削減し、広告経由売上を前年対比150%にすることに成功。代理店に丸投げせず、自社内での知見向上とディレクション体制の構築を実現。
☑参考:外部マーケターの参画で創業100年のBtoB EC広告運用を改善! 広告費20%カットしながらも、売上 対比150%を実現

(3)美容医療業界|運用委託費をカットしてCPA改善

企業名 美容医療業界
課題 代理店に委託している広告運用・CPC/CPAの高騰がネック
委託内容 成果改善と運用委託費のカット
成果 運用委託費を1/3にカットし、CPAが改善。運用額2,000万円でCV1500件と、代行費用を削減とともに広告の宣伝効果を向上することに成功し、大きな成長を遂げた。

広告運用インハウス化を成功させるなら「ミエルカコネクト」

この記事では、広告運用を自社で内製化する目的やメリット・デメリットを整理し、インハウス化を進める5つのステップを詳しく解説しました。また、3つのインハウス化パターンを比較し、向いている企業・向いていない企業の特徴や成功事例も紹介しています。

インハウス化事例で紹介した「ミエルカコネクト」はWebマーケティング専門の業務委託マッチングサービスです。インハウス化を目指す企業が不足しがちな戦略設計や広告運用の実務を、経験豊富なプロフェッショナル人材が柔軟にサポートします。段階的な内製化のロードマップづくりから、社内ノウハウの定着支援までワンストップで伴走します。広告運用コストを抑えつつスピーディに自走体制を築きたいなら、ぜひご相談ください。

この記事を書いた人

奈良 優作 / Nara Yusaku

奈良 優作 / Nara Yusaku

京都大学在学中にWebマーケティング会社の立上げに携わり、3年従事の後、株式会社NIBALを創業。SEM戦略の立案に強みを持つ。戦略の検討からSEOコンテンツ制作まで対応しサービス立上げなどに深くコミット。京都の中小企業様~上場企業まで幅広く支援。

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